年収300万円と聞くと、
- どの程度の生活を送ることができるのだろう?
- 手取りはいくらくらい?
と考える方も多いはずだ。
今回は、年収300万円の方が実際どの程度存在するのか、そしてその生活レベルがどの程度なのかについて解説していこうと思う。
Contents
年収300万の人の割合は?
【男女】年収別の労働人口の割合
年収300万円の方の割合は、グラフから見ても分かるように人口の17.2%を占めている。また、300万円以下の所得の割合は全体の37%にも及ぶ。この割合を実数にすると1,860万人にもなり、その数は年々増加傾向にある。
男女別に見ると、男性は11%、女性は21%と女性の比率が高い。非正規雇用で働く方の割合が女性の方が高いことが要因といえるだろう。
年収300万の手取りはどのくらい?
年収300万円の手取りはずばり約240万円、月収に換算すると約20万円だ。
賞与の有無によって手取り額も異なってくるため、賞与のあるケースとそうでないケースの手取り額について触れていく。
【賞与あり】
手取り年収 | 手取り月収 | 賞与 |
約245万円 | 約17万円 | 約44万円 |
【賞与なし】
手取り年収 | 手取り月収 |
約240万円 | 約20万円 |
年収300万の生活レベル / 生活費の内訳は?
こちらの章では、年収300万円の生活レベルについてみていく。
総務省統計局の家計調査を参考にし、独身か妻帯か、そして子どもの有無で分類し、それぞれのパターンでの生活費の内訳などをみていこうと思う。
独身×実家暮らしの場合
項目 | 金額 | 備考 | |
支出 | 収入 | ||
月収(手取り) | 20万円 | ||
家賃などの生活費 | 5万円 | 毎月5万円家に入れることを仮定 | |
食費 | 1.5万円 | ランチ代など | |
交際費 | 2.5万円 | ||
雑費 | 2万円 | ||
貯金 | 9万円 |
独身で実家暮らしの方は、貯蓄額をみても明らかなようにある程度余裕のある生活ができるだろう。
実家暮らしの方の場合は、一般的に月収の40%を貯蓄に回すとよいといわれている。月収20万円と仮定した場合、毎月8万円程度の貯蓄ができると安心だろう。
手元に自由なお金があるからといって、趣味や娯楽にお金を使い過ぎてしまないよう、予め貯蓄に回す金額を抜いて生活費としてやりくりしていこう。
独身×一人暮らしの場合
項目 | 金額 | 備考 | |
支出 | 収入 | ||
月収(手取り) | 20万円 | ||
家賃 | 6万円 | ||
水道光熱費 | 1万円 | ||
食費 | 3万円 | ||
通信費 | 1万円 | ||
交際費 | 2.5万円 | ||
雑費 | 2万円 | ||
貯金 | 4.5万円 |
独身で一人暮らしをされている方は家賃やその他生活費分の支出が増えてくるため、実家暮らしの方に比べてより節約を意識した生活を心がけていく必要がある。
食費に関していえば、毎月3万円でやりくりするには自炊することが必須だ。
食費をはじめ、細かな出費を抑えなければ毎月の貯蓄が難しくなるので、どのようなものにお金がかかっているのかをきちんと把握していくことを忘れないようにしていこう。
既婚×子ども無しの場合
項目 | 金額 | 備考 | |
支出 | 収入 | ||
月収(手取り) | 20万円 | ||
家賃 | 6万円 | ||
水道光熱費 | 1万円 | ||
食費 | 3.5万円 | 自炊が基本。 お弁当も持参。 | |
通信費 | 1万円 | 格安SIMを利用。 | |
交際費(小遣い含む) | 3万円 | ||
日用品 | 1万円 | ||
外食費 | 5千円 | ||
保険料・医療費 | 1万円 | 夫婦で医療保険 | |
衣服・理美容費 | 1万円 | ファストファッションが基本。 | |
貯金 | 3万円 |
所帯を持っている方にとって、年収300万円の生活はかなり厳しいものとなってくる。生活費を工面するので精一杯といったイメージを持っていただけるとよいだろう。そのため、レジャーや外食などの費用を捻出しにくいといえる。
地域によっては年収300万円では家族を養っていくことが難しいため共働きを選択しているご家庭が増えているようだ。扶養に入りながらパートとして働くだけでも月10万円弱の収入が見込めるため、かなり生活に余裕が生まれるだろう。
既婚×子どもありの場合
項目 | 金額 | 備考 | |
支出 | 収入 | ||
月収(手取り) | 夫 20万円 妻 8万円 | ||
家賃 | 7万円 | ||
水道光熱費 | 1.5万円 | ||
食費 | 5万円 | 自炊がメインでお弁当も持参 | |
通信費 | 1万円 | 格安SIMを利用 | |
交際費・娯楽費 | 3万円 | 夫のお小遣い込み | |
日用品 | 1万円 | ||
外食費 | 5千円 | ||
保険・医療費 | 2万円 | 医療保険や学資保険など | |
衣服・理美容費 | 1万円 | ファストファッションがメイン | |
養育費 | 2.5万円 | ||
貯蓄 | 3.5万円 |
お子さんが生まれた場合は、年収300万円での暮らしはより一層厳しいものとなっていく。家族が増えた分、食費や光熱費などがかさんでいく上、お子さんの養育費などもかかってくるため、上手にやりくりしていく必要があるだろう。
そのため、お子さんがいるご家庭はぜひ共働きを選択することをおすすめする。パートとして働くことはもちろん、正社員として働くことで収入アップを目指すこともよいだろう。お子さんの進学など、将来のことを考えて貯蓄をしていくことも重要だ。
年収300万円で結婚は可能?

結論から申し上げると、年収に関わらず結婚することはできる。結婚する上で一番重要となってくるのが、結婚相手の方に収入に関してきちんと納得してもらえるかだ。
- 結婚後の生活は、節約を心がけていく必要があること
- 子どもがほしい場合は、共働きをしてもらう必要があること
専業主婦に憧れている方の場合は、上記の条件に納得できない場合があるだろう。
結婚前には、お相手の方ときちんとお金について話し合うこと、そしてお互いの金銭感覚についてしっかりと見定めていく必要があるのだ。
年収300万円でマイホームは可能?住宅ローンは組める?
結論から申し上げると、年収300万円でもマイホームを購入することは可能だ。
住宅ローンを組む際の借入金額の目安は年収の約4分の1といわれるため、税込み年収金額が300万円の場合は75万円となる。35年ローンを組むことを仮定した場合、約1,600〜1,700万円が借入られるという計算になる。
税金や社会保険料などを支払った後に借入金額の75万円を差し引くと、月々13〜14万円で生活していかなくてはならないことになる。この金額からも贅沢のできる生活を送るのはとても難しいことがわかるだろう。
そのため、夢のマイホームを購入したい場合は、年収アップや共働きをすることが求めらるともに、支出をいかに抑えていくかも重要となってくる。ここから先は、筆者おすすめの節税対策や節約術についてご紹介していく。
【おすすめ節税対策】ふるさと納税を活用する
おすすめの節税対策は「ふるさと納税」だ。ふるさと納税とは、応援したい自治体に寄付ができる制度のことだ。寄付のうち2,000円を超える部分は所得税の還付や住民税の控除が受けられるのだ。
しかも、返礼品としてその地域の名産品がもらえるという特典もあるので、ぜひ活用してもらい制度だ。
ふるさと納税の上限額は年収によって決まってくる。年収300万円の方の場合の限度額の例は以下の通りだ。
独身または共働き | 28,000円 |
夫婦または共働き+子ども1人(高校生) | 19,000円 |
共働き+子ども1人(大学生) | 15,000円 |
共働き+子ども1人(高校生) | 11,000円 |
共働き+子ども2人(大学生+高校生) | 7,000円 |
夫婦+子ども2人(大学生+高校生) | 0円 |
引用:https://fururi.jp/table.html
【おすすめ節約術】無駄な支出を削減する
こちらの章では、無駄な出費を抑えるためにできる3つの出費に関する節約術について解説していく。
- 食費
- 通信費
- 水道・光熱費
食費
食費は質を下げたり、量を抑えたりすることで出費を抑えることができるが、削りすぎることは避けるべきといえるだろう。
以下の節約術はどれも細かなことではあるが、意識するだけでかなり出費を抑えることができるので、ぜひ試していただきたい。
- 自炊を心がける
- コンビニの利用はしない
- ペットボトルを購入しないようにマイボトルを持ち歩く
- 食材をまとめて買うようにして無駄買いを防ぐ
通信費
通信費を抑えるポイントは以下の通りだ。
- 格安SIMに切り替える
- 契約プランを見直す
- 固定電話が必要ない場合は、光回線などではなくポケットWi-Fiなどを活用する
月々の携帯料金が1万円を超えている場合は、契約プランを見直す必要があるかもしれない。格安SIMに契約するなどして固定費を抑えていく努力をしていこう。
水道・光熱費
水道・光熱費を抑えるポイントは以下だ。
- ガスや電気の料金プランの見直し
- 洗濯の際に風呂の残り湯を再利用する
- 家電の買い替えの際にエコ家電を購入する
水道・光熱費を抑えるためには、まずガスや電気の料金プランを見直してみよう。ご家庭にあったプランに変更することで、年間数万円もの節約になることもあるので、ぜひチェックしてみてほしい。
年収UPするなら転職するのがおすすめ

節税や節約についてご紹介してきたが、出費を抑えるのはどうしても限界がつきものだ。
必要以上の節約をしてしまうと、精神的に辛くなってしまう方も多く、気持ちのゆとりを失ってしまうことにも繋がりかねない。そのため、出ていくお金にフォーカスするのではなく収入をどのように増やしていくかを考えていくことが賢明だろう。
現職の仕事で年収をアップするには、社内で出世するしか方法がないだろう。そのため、短期間で年収を上げるには転職するしかほかないのだ。
実は、年収は業界や企業ごとにある程度決まっていることが多く、特定の業種や業界への転職をすることで年収アップを狙うことができるのだ。
年収300万を目指すのにおすすめの業種・業界・職種は?
こちらの章では、年収300万円を目指すためにおすすめの業種や業界などをご紹介していく。
①一般事務
企業の一般事務も300万円以上の年収を目指すことのできる職種だ。平均月収が21万円ほどで、年収にすると280~300万円程度が想定される。正社員として雇用されたり、経験を積んでいくと年収400万円以上もらえるケースもあるようだ。
②警備員
警備員は、学校や企業、その他施設において事故や不法侵入を防ぐ役割をになっている職種だ。夜勤手当がつくケースもあるため、平均年収が300万円を超えている職種だ。しかし、経験とともに昇給していくことが難しいことがデメリットといえるだろう。
③飲食業界
飲食業界も年収300万円を目指すことのできる業界だ。レストランやホテルなどでの給仕サービス(ウェイトレスやウェイターなど)や調理師などが含まれる。
給仕関連の職種はなかなか昇給が難しいが、調理師の場合は経験を積んでいくことにより給与アップが見込めるジャンルといえるだろう。
まとめ
年収300万円のリアルな生活レベルについてご紹介してきた。
それぞれの置かれている環境によって、年収300万円でもゆとりを持って暮らせる場合もあれば、贅沢のできない生活を送ることになってしまう場合もあるのだ。
所帯を持って、子どもを育てていきたいと考えている方は、パートナーの理解を得て共働きをすることも視野に入れていこう。そして、年収アップを考えて新たな職への転職も考えていただければと思う。