転職活動をして、どこの企業に行くか迷うことがあるだろう。もし、転職をどうしてもしたくて、行きたい企業がなかなか見つからない場合はリクルートに行くことをすすめる。
リクルートは社風、成長環境、待遇、その後のキャリアの点で良いのでぜひご覧になってほしい。リクルートは、いまだに第二新卒、新卒、中途問わず人気だ。行きたい企業が見つからない人ほど、リクルートに入社するのが良いだろう。
なお、リクルートに転職したい場合は、まずはグループ会社が運営するリクルートエージェントに登録してみよう。キャリアコンサルタントとの面談に参加すれば、グループの内情や合格するための方法についてアドバイスしてくれる。
実際にグループの中にいる人々に話を聞く方が現実味のある情報を得られるし、何より話している相手と合うかどうかを確認できるので、自分がその社風に合うかどうかを肌で感じることが出来るだろう。
ただ、リクルートは意外にも、他の人材会社も積極的に活用している。ビズリーチに登録すると、リクルートに強いエージェントから連絡がくる。リクルートエージェントが伝えにくいセンシティブなリクルートの内部情報も、外部のエージェントであれば、遠慮せずに教えてくれるだろう。
エージェントであれば、自分がリクルートでどれくらいの年収をもらえるのかということを客観的に判断してもらえるので、転職を検討する上での情報を集められるであろう。
なお、コンサルからリクルートを目指す方はアクシスコンサルティング、高年収の方がリクルートを目指す場合はキャリアカーバーを活用しよう。
リクルートは独自性の強い会社だ。だからこそ、転職エージェントに必ず内情や合格するための方法を聞いて受験してほしい。それらを聞いてからリクルートを受けるのと、聞かずに受けるのとでは、雲泥の差だ。過去問を解かずに受験をする受験生がいないのと同じように、転職エージェントに相談せずにリクルートを受けることは正しい選択とは言えない。
Contents
リクルートは正直言って嫌いだった
はじめに言っておくと、私はリクルート出身者でもなければリクルートのおかげで生計を立てているわけでもない。むしろ、昔はリクルートが嫌いで、優秀層が行くような会社ではないと、よく調べもせずにダサい会社だと思っていた。
もちろん起業家を輩出し江副氏の著書も読んですごいと思っていたが21世紀に入ってからはすでに終わった会社とすら思っていた節があった。今となっては恥ずかしいが。
大学の友人をみても、外資系企業か商社か官僚で、推薦で技術職につくという人がほとんどでリクルートに好き好んでいく人はあまりいなかったし、かつ、いても正直仲良くなれなかった。
就職活動で「俺、リクルート志望」こういう奴が最もグループワークでは嫌いだった。
だが、なぜリクルートをすすめるか。それは20代の転職でリクルート(リクルートキャリア、ホールディングス、マーケティングパートナーズ、ライフスタイル等)に行きその後のキャリアにプラスになったという人があまりにも多いからだ。
リクルートを嫌いな理由の一つとして、「群れている」印象を受けるからだ。現代であればFacebookを見ることがあるだろうが、
- 「~さんのおかげでMVPとれました!」
- 「~グループで、とても成長させていただきました。本当にありがとうございました」
- 「リクルートで学んだことは忘れません。卒業してもがんばります」
といったように会社の様子をみんなアップしており、群れていてイケていないなんて思っていた。似たような投稿を見たことがあるのではないか。
このようなタイムラインが嫌いな人も周りにいたが、彼らですらリクルートに転職して非常に楽しそうにして成長をしている。若い世代で転職に困ったらリクルートというのはアリではないかと思っている。(人材エージェントもとりあえず薦めてくる人もいるが…)
もちろん転職のことはじっくり考える必要があり、安易にリクルートに行けといっているのではない。リクルートは良い会社なので行ってもいいのでは?と言いたい。
20代でリクルートに転職する人
分社化されて以降、複雑になっているので、細かく解説することはここでは控えるが、リクルートには、戦略コンサル、インターネット企業、メーカーに代表される大企業からの転職者が多く、かつ優秀な方が多い。
20代の読者の周りにも多いであろう、DeNAやGREE等、優秀な学生をかっさらった企業に新卒で入社してから、リクルートに中途で転職する人間が増えている。
さらに前であればサイバーエージェントから、さらにさかのぼるとインテリジェンス等からの転職も多かった。
リクルートは紙からWEBへの動きを住宅、求人、結婚とあらゆるライフスタイル領域で実現してきたので、それにともないWEB人材を大量に欲してきた。現在はWEBがあらゆるビジネスの手段になっているので、WEB人材は重宝される。
リクルートと聞くとあまりイメージがないかもしれないが、優秀なWEBエンジニアやデザイナーがリクルートに集結している。7〜8年前にビッグデータ解析のセミナーに行ったときに、他社とはくらべものにならないレベルの高さに驚いたことを私自身も体感した。
DeNAやGREEに行った人たちの中にも、リクルートのような巨大企業ではできないことをもっとベンチャーっぽいところでやりたいと思って進路選択しても、結局リクルートでもできるしリクルートの方がいい環境だと気付いたと語る人もいる。
様々な事例があるが、
- 海外と仕事がしたい
- 投資の仕事がしたい
- もっと時短な環境で働きたい
- UIUXについてもっと研究したい
- プロジェクトリーダーとして新規事業を立ち上げたい
- 優秀な人と働きたい
- 営業を学びたい
- TVCMの制作にかかわる仕事をしたい
上記の理由でリクルートに行く人が事実、たくさんいるのだ。
そして多くの場合望み通りにみたされる。要はなんでも揃っているのと、転職であれば配属もコントロールできるため、やりたいことができる確率がかなり高いのだ。ちなみに新卒は、分社化されたとはいえ、完全に配属をコントロールできるとはいいがたい(WEBエンジニアはのぞく)のが現実だ。
給与の面で考えてもIT/インターネット業界から転職するとupか維持のままなので待遇面に不満もない。外資をはじめとする戦略コンサルからの採用にいたっても限りなく維持をする場合があるので、待遇面を維持しつつ事業に携われるので非常にいい環境だ。
戦略ではないが、アクセンチュアから転職する人も一定数おり、満足度の高い王道コースとなっている。(戦略部門からの転職ももちろんある)
リクルートに転職した方々に使っているサービスをヒアリングしてみると、ビズリーチが多い。実際に転職で使っていた人が多いので、安心して登録して良いだろう。
リクルートに転職する人の職種
リクルートは、営業かそうでないかによって分けて考えた方が良い。結局のところ、営業会社であるため、営業職につく人がほとんどだ。(営業会社でここまで売り上げと規模を継続するには、確実にモチベーションコントロールが必要。ゆえに、リクルートはマネジメントが上手いと考えられる。)
営業
リクルートの営業につく人は、前職の傾向はあまりない。もちろん、営業経験者なら有利に採用される傾向だが、一方で未経験でも採用門戸は広い。
リクルートも大手なので、すでにネームバリューがあり、営業体制も固まっている。未経験でも活躍できる環境が揃っているのである。
ちなみに、リクルートマーケティングパートナーズのゼクシィならブライダル、リクルート住まいカンパニーなら住宅など、業界の経験者であればより優位に採用されることができる。
リクルートの印象として、よほどの経験がない限り、基本は営業職に配属される印象だ。営業で結果を出した人から、企画やマーケティングへ異動することが多いので、まずは営業に入ると思った方が良い。
NB(ネット組織)
NBとはネットビジネスの略で、サイト運営に関わる職種だ。PM(プロマネ)、UIUX、マーケター、デザイナー、エンジニアなどが含まれる。
NBへの転職者は代理店出身が大半を占めている。事業会社からの転職組は一部いるくらいだろうか。
NBとして入社するには、前職で深くまでスキルを身につけたことが条件となる。未経験でリクルートのNBという事例はあまり聞いたことがないので、もし入りたい場合は、別の企業で経験を培う必要があるだろう。
なお、リクルートの場合は、優秀な人も揃っており体制が整っているので、ベンチャーで立ち上げた経験よりも、大手企業で安定した運用を続けた経験の方が評価される。(新規事業の立ち上げフェーズに関われれば例外かもしれないが)
新卒リクルートの人たちは何処へ転職するのか
昔は退職金もがっぽりもらえたので早期退職が多かったが、近年は40歳近くまで残り、個人事業主に近い形で起業する方、ベンチャーの執行役員や事業部長、マネージャーで転職する方が多い。
現在の30代のリクルート所属の方は年収がかなり高い。具体的には書けないが、1000万円は余裕で超えている人も多い。事業会社であれだけもらえるのは商社とリクルートやキーエンスくらいだろう。ちなみにリクルートは出世の差がつくので、総合商社の方が平均すると全然高くはなる。
リクルート出身者は企業からとても欲しがられる。指定企業にわざわざリクルートと書いてある企業も少なくなく、ベンチャーにとっては欲しい人材である。
中途で若くしてリクルートに入り、30歳中盤こえている方々も比較的多くいるが、彼らもベンチャー企業をはじめとした環境で、多くが活躍している。
リクルートからの転職先は多様化してきている
リクルートからの転職先としてベンチャー企業というものをあげたが決して、ベンチャーだけにとどまらなくなってきている。例えば、戦略コンサルへの転職をする人がでてきている。トップティアのファームにリクルートの営業メソッドが受け入れられるようになってきている。
オペレーショナルなものを実行するようにトップティアも変わってきているので現場で実行する力があり論理的な思考力があるリクルート出身者は重宝されるわけだ。
リクルートは中途で入社してもコンサルよりも比較的中途で活躍しやすい。コンサル、ベンチャー以外の事業会社に入社する人もいる。
リクルートは扱っているプロダクトの範囲が極めて広いため、具体的にこの専門領域を学びたい、という人がそこまで多くない。ゆえに、リクルートでの数年のキャリアを経て、やりたい領域を見つけて飛び出していく人が多いのだろう。
狭い領域に縛られず、いろんな業界に卒業生がいるというのはかなり心強いのではないだろうか。

リクルート出身起業家
リクルート出身者起業家も多い。一部だが、リクルート出身の起業家を紹介してみる。敬称略にて紹介する。
- 宇野康秀:株式会社インテリジェンス創業者、現USEN会長
- 杉本哲哉:株式会社マクロミル創業者
- 井上高志:株式会社ネクスト社長
- 経沢香保子: トレンダーズ株式会社創業者
- 平尾丈:株式会社じげん代表取締役社長
- 工藤智昭:株式会社ジーニー代表取締役社長
- 森健志郎:株式会社スクー代表取締役社長
- 須藤憲司:KAIZEN platform代表取締役社長
- 藤原和博:高校校長、民間出身として初の校長
- 岩井良明:株式会社モノリス代表取締役会長(マネーの虎)
- 小笹芳央:リンクアンドモチベーション代表取締役社長
- 安川秀俊:ゴールドクレスト代表取締役社長
- 有森裕子:バルセロナ五輪女子マラソン銀メダリスト
- 高橋尚子:シドニー五輪女子マラソン金メダリスト
上記は一部であるが、すごいのが、人材からメディア、アドテク、マーケティングとあらゆる領域で起業家が成功していることだ。どうしても偏りがちになりそうだがリクルートが幅広いビジネスをやっているせいもあり、様々な分野での成功者が多い。そして面白い方が多い。
また社長ではなく校長を生み出しているのも特徴だろう。藤原氏は教育家として活躍しており、個人的に応援している。
平尾氏は20代からリクルートが合弁会社を作った際に役員として入り、その後、MBOを実施し現在のじげんの社長となっている。
マネーの虎に出演していた岩井良明氏(当時モノリス社長)は名場面を多く生み出した。
その一方リクルート村で群れあうことで仕事がとれている会社もあるのでなかなか成長しないが手堅く儲けている会社もある。リクルートにいるだけで食うに困らないスキルならぬ食うに困らない人脈ができあがるのだ。
「あ~○○さん!俺の同期だよ!」これで1時間くらい酒を飲むリクルート出身者がいるのですごいと思う。純粋に。
慶應義塾大学の卒業生は大規模な組織である三田会によって守られているが、リクルートも同様の感じはある。一匹狼のように見えて意外にお互い助け合うところがあってそういうところは素晴らしいと思う。
なぜリクルート出身者は、転職市場で価値があるのか?
話を戻す。なぜリクルートに行くべきなのか?それはあなたの市場価値をあげてくれるからに他ならない。
先ほどの転職の話からも分かるがリクルート出身者は企業からのニーズがとにかく高い。また1人で生きていけるだけのネットビジネスの知識、人脈、営業スキルが身につく。給与も悪くないため贅沢をしなければ貯金もある程度たまっていく。
もちろんこれからの入社世代は上場による利益を受けるわけではないがそれでも十分なメリットだ。若い世代なら転職してあわずにリクルートを辞める事例も少ない。(もちろん一定数はあるが標準よりも少ないと考えられる)
特に大きい規模の営業組織であればリクルート流の営業術が役にたつ。個人のトークスクリプトが優れているとかそういう細かい話ではなく、どこのエリアには何店舗あり、何店舗訪問したら、話を聞いてくれるのが何店舗で契約までにいくのが~%と営業のファネルをよく理解しているため数字の見通しがたつ戦略がたちやすい。
営業部門にいなくても営業のやり方や、数字がわかっていることが多いためリクルート出身者は他にはない良さ、強みがある。
リクルート出身者は本当にどこの企業にいってもいるので行きたいところは投資銀行以外はほとんど行けると思っておいたほうがいい。就職活動時に、飲食店からコンサルまで幅広くいる早稲田の学生のようだろうか。
リクルートはWEB化の流れがすすんでからはWEB企業への転職が増えた。それに伴って起業というよりベンチャー転職し、幹部として活躍している人もいる。

リクルートに転職するときに気を付けたほうがいいこと
リクルートは大企業のためお金が潤沢にある。期末になると「予算余ってるから使い切らなきゃ」という大企業病も発生している。
どベンチャーであれば予算を使い切るという目標はまず発生しないので、小さい組織にいったときにリクルート病に浸かっていると、予算や時間の使い方に失敗しうまくいかない人がいる。
リクルートからベンチャー転職で失敗する人は実は多い。ベンチャーからリクルートへの転職はそれほど失敗しないのだが。リクルートは非常にリソースに恵まれた環境だということを理解したうえで日々働こう。
実際、リクルートは大手企業であることに間違いはなく、隣のデスク島の人がどんな業務をしているのかも知らないといったことが多いに起こり得ている。
自分の携わる範囲がそんなに大きくないということを把握しないまま日々を過ごしてしまうと、ベンチャーにいた方が実力アップのためによかったのではないかと思ってしまうだろう。ぜひ、この点には気をつけてほしい。
リクルートで求められる力
職種によって求められるスキルは異なるが営業に関して言えばシンプルに「顧客の経営課題を、新卒、転職等の正社員事業を通して解消する。」であり、これは上記が達成されるという前提に立てば自由に裁量権がある環境といえる。
営業職以外も含めて言うと
1.個人として成果を上げられること
2.関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行まで行うことができる能力
この2点が重要である。
リクルートの採用基準
今はホールディングスから分社されているため、採用基準はカンパニーによって異なる。
そのため、リクルートキャリアで落選しても、リクルートジョブズでは採用される可能性があるため、採用基準は各社で整理すると良い。
一方で分社も含めての採用基準を考えると以下のような人が基本的には求められているといえる。
・根性がある人
・他責をしない、責任感にあふれる人
・明るく、ハキハキしている人
・PREP法が使え、論理的なコミュニケーションができる人
・自己理解が高い人
・将来やりたいことやなりたい姿が明確な人
・実行力が高い人
・チーム行動が得意な人
また、中途採用における平均年齢としては20代中盤~30代前半となっているようだ。
リクルートに中途で転職した時の年収
リクルートはIT企業、大手事業会社、メガベンチャーと色々くくりがあるが、どの軸でみても給与が高い。年収が最低で500万程度のスタートになるのが大きい。リクルートキャリアは転職時に500万円くらいは下のポジションでももらえる。
グループをたばねるリクルートHDの峰岸真澄CEOの年収は3億円以上だ。オーナー社長でなく、かつ生え抜き社員としては、異例の高年収だ。他の取締役も1億5000万円以上であることから年収はかなり高い。昔からの在籍組はIPOの利益もあるのでかなり給与はいい。リクルートほど金がもらえる事業会社は日本では商社くらいだ。
ちなみに社長の峰岸真澄氏は立教大学を卒業後、新卒でリクルートに入社し、カーセンサー、ゼクシィとマーケティングパートナーズが現在やっている事業等を経て、ホールディングスの役員となっている。
営業を経験し活躍したリクルートDNAを受け継いでいる。学歴に関係なく出世でき、また年収も高い。
年収や入社後のキャリアは、常に状況が移り変わる。それを知るためには、転職エージェントに登録して、キャリアコンサルタントに相談するのが良い。
ビズリーチに登録し、リクルートに詳しい転職エージェントに相談するのが良い。リクルートエージェントは内情を知っているので、ビズリーチと並行して相談しよう。
ただ、エージェントによって得意分野は異なるので、高年収の方はキャリアカーバーに相談するのも良い。
リクルートに転職する際の面接・SPIの内容
リクルートの採用選考は基本的に以下のフローで実施される。
1.書類選考
リクルートは「人物重視」のため、書類選考は通過率が高い。なので、書類選考では、学歴などが重要視されるイメージはない。
一方で、経歴やスキルは大切だ。先述の通り、マーケ経験がないのに企画やマーケに応募したところで受け入れてくれない。あるいは、30代までに営業経験が全くないのに営業志望となると厳しい目で見られてしまう。
自分の年齢、経歴、スキルを踏まえて、応募する職種を考えよう。
2.SPI、筆記試験
SPIはリクルートが作成した採用試験であるため、書類選考でもSPIは重視される。そのため、新卒時に受験したSPIの例題をたくさん解き、対策をしておきたい。
能力検査は、そこまで難しい問題があるわけではなく、普通レベルの問題が多数用意されている。そのため、ちゃんと準備しておけばクリアできるので、対策を怠らないように気をつけてほしい。
一方で、性格検査は対策せず、素直に答えよう。性格検査で偽ったところで、その後の面接でイメージと異なっていれば落ちるので、変に着飾ることなく受けた方が良い。
3.一次面接(人事・現場マネージャー)
書類選考までが少し甘い分、面接ではかなり深ぼった質問をされるため、以下の部分での準備はしっかりしていこう。基本的にはWhyの深堀りとSo What?の繰り返しをしていくと良いだろう。
- ①なりたい像や聞かれた内容に関する理由、背景、動機
- ②他にはないのか?
- ③他の選択肢と比較した際の決定事項の決定理由
- ④具体的な部分や自分なりの解釈
就活時に自己分析をしたことがある人は、これまでの人生を同じようにもう一度深堀してほしい。リクルートの深堀は他社の比較にならないので、準備なしに臨むのはおすすめできない。
4.最終面接(部長または役員)
面接の内容は、一次面接(人事・現場マネージャー)とそんなに変わらない。聞いてくる相手が変わるだけで大枠は一緒なので、一次面接で答えきれなかった箇所を改めて深堀しておくと良いだろう。
なお、最終面接は長時間にわたることが多い。これまでは30分程度だったものが、1時間〜1時間半に渡って質問されるので、自分のことを幅広く深く語れるように努力しよう。
リクルートのカンパニーごとでの違い
さて、昔はリクルートと言えば通じたが、今の世代には、リクルートは「リクルート」では通じない。キャリアなのかホールディングスなのか、マーケティングパートナーズなのかまで言わないと若い世代とは会話ができない。
グループ会社はたくさんあるが、有名企業出身者が転職でいく企業のみに絞る。なお、2021年4月から主要事業会社はリクルートに統合することが発表された。
リクルートは統合と分社を繰り返しており、大きな変化はないと思うが、下記の各社の枠組みは一旦再統合までのものであることに留意してほしい。
リクルートキャリア
リクナビ、リクナビNEXT、CAREER CARVERを運営している。求人メディアの運営であるが、新卒ビジネスを作った、リクルートキャリアの影響力はとてもでかい。リクルートのDNA的な部分でもあり、自社内でのプライドも高い。
典型的な人材ビジネスをやっているため、マネージャーをしている友人いわく「優秀な奴は1割くらいしかはいってこない」といっているが、巨大なオペレーションシステムが確立してあるので全員がうまく売上をあげる仕組みがよくできている。
リクルートエージェントもリクルートキャリアに一緒に入るようになったが、既存の事業部とは溝がある。
リクルートキャリアの転職者を採用するとき、リクルートエージェントのキャリアコンサルタントを使わないのだ。ある種競争があっていい。
最近第二新卒層ではやや玉石混合感がいなめないが成長してその後のステップアップをとげている若者も少なくない。
リクルートスタッフィング
大企業であればお世話になっている会社も多いだろう。派遣社員の派遣元である。派遣登録もスタッフィングを利用する人も多い。派遣業界のせいか、優秀じゃないイメージを持つ方もいるようだが、入社する人は優秀な人が多い。
ホワイト企業という演出もしているが、そこそこに働く会社であり、結果を出す人が多い。女性も活躍しやすい会社である。
派遣業界に興味があればスタッフィングがいいかもしれない。新卒もトップ大学の学生が入社をしており、女性も活躍している。
ただし、企業への営業や派遣社員の方との面談もあり、結構オペレーションなこともリクルートの中で多い方だ。人材業界が嫌でなければ転職してほしい。
リクルートエグゼクティブエージェント
あまり、転職で若手優秀層はいかない。というのもエグゼクティブなので若いエージェントのフィールドではないからだ。とはいえ、ハイサラリーの案件を人材エージェントとして扱える機会なのでチャンスがあればもぐりこんでいいだろう。ここを起点に、外資系の人材エージェントに転職するキャリアがいいだろう。
ここで働いているおじさんはいい求人情報をもっているので仲良くしておいて損はない。もともとのリクルートエージェントの流れを汲んでいるが最近はガツガツしたエージェントという印象は減っている。
リクルート住まいカンパニー
言わずもがなだがSUUMOだ。紙で展開していた住宅情報誌をSUUMOでうまく展開し、確固たる地位を築いた。リクルート出身でネクストを創業した井上氏と激しいシェア争いを展開した。結局リクルート関係者の勝負になっている。
住まいは営業組織としても強いが、アクの強い人も多く結果を出すまでしつこくやりきるタイプがいておもしろい方が多い。
住宅関連は若い人が行きたがらないが単価の高い領域でもあるので、ネット×高単価領域を考えているならのぞいてみていいだろう。
リクルートの住宅誌をうまくWEB転換したなあと思うのがSUUMOである。
ちなみに、部署によって社風が全く異なるのが注意点だ。売上を出せている部署は、一人一台PCとiPadが配られるが、売上の出しにくい部署だとiPad支給はなしで契約書類も全て紙で回収する古い仕組みになっている。
最近、筆者が注文住宅で働いている友人に聞いて驚いたのが、いまだに顧客をスプレッドシートで管理しているのだそう。他の部署ではセールスフォース管理にもかかわらずだ。大手企業でCRMツールをちゃんと使えないというのはもったいない。
場合によっては、大手あるまじき古い営業スタイルをやらなければいけないので注意してほしい。
リクルートライフスタイル
じゃらん、ホットペッパーグルメ、ホットペッパービューティー、ポンパレ、Air REGIとリクルートのWEBビジネスの集結したような組織体だ。WEB領域に強い人が多い一方、営業組織としても強く営業マンとして活躍する方も多い。じゃらんやホットペッパーの飛び込み営業をすることを想像したらどれだけ鍛えられるか推測するのは容易なことだろう。
ライフスタイルは生活領域を文字通りすべてやっているので、楽しい仕事がたくさんある。広告費も潤沢にあり、大きなビジネスを体感するならここだ。リアルとWEBのどちらも学べる。
リクルートの中でも営業のパワーを感じることができる組織だ。
また、新卒で入社してくる若手も優秀だ。ライフスタイルとマーケティングパートナーズは、新卒の中でも優秀な人たちが集まっていると言われているので、若手から刺激を受けながら仕事することができる。
リクルートマーケティングパートナーズ
ゼクシィ、スタディサプリ、カーセンサーと色々とやっている。Quipperも買収し、事業領域を広げている。カーセンサーが非常に好調なようで積極的に人も採用していた。
ゼクシィがあるため女性も活躍できるホワイトな会社のイメージがあるが、バリバリの営業組織であり、女性が非常に活躍する一方、ハードワーキングではある。(他のグループ会社と同程度ではある)
最近だとスタディサプリEnglishにも力をいれている。ゼクシィの全国展開力も見習いたい企業が多いだろう。
マケパと略して呼ばれるので話についていけるようにしたい。
リクルートコミュニケーションズ
リクルートの広告代理店的な立ち位置だ。リクルートの中でもコンサルちっくでクリエイティブな人たちがあるまる。やはりここもWEB領域の仕事が多く、WEB転換をうまく図ったリクルートの象徴的な存在あるだろう。
RCO(リクルートコミュニケーションズ)の方は一風変わったイメージがある。営業というイメージからはほどとおく、マイルドにものごとをおさめ仕事をすすめている。
オフィスは勝どきで、ちょっと建物が暗めである。
Indeed
巨額の投資で買収した、アグリゲ―ションサービスを展開するIndeed。外資系のカルチャーでエンジニアもビジネスも面白い人たちがそろう。リクルートの中でもいけてる雰囲気がでているだろう。
転職するなら今はIndeedにいってみたい。HR領域において先進的な開発が行われており想像以上のサービスをどんどんだしている。一方日本では、なかなかマーケットに根付くのが難しいビジネスであるため今後の展開が気になる。
Indeedはエンジニアを中心にどんどん採用拡大しているので注目している。
リクルートテクノロジーズ
リクルートの扱っている商材の技術部分を担っている部署だが、基本的に技術的な部分の大半はベトナムなどにオフショア開発を行っているため、業務の大半が外部と内部の企画を含めたPMやUI/UX周りのサービス開発・サービス力向上、ITの企画を事業部に入ってまとめたりしていくことが主業務となる。
リクルートホールディングス
様々意見あるだろうが、リクルートホールディングスに最も優秀な人が集まっている。ホールディングスは人事機能はあることはもちろん、WEBビジネスに精通した人もどんどん採用をすすめている。
2年ほど前から、各カンパニーの人事で優秀な人材がホールディングス配属に異動している印象だ。今ではカンパニーごとに一括採用なので、人事領域を極めたい人はホールディングスをおすすめする。
近年では戦略コンサル出身者も採用している。リクルートの中枢機能となっているが、できるだけ各カンパニーに権限移譲をおしすすめているため組織の変更はよくおこっている。
また、エンジニア、デザイナー、データアナリストと優秀な人を採用している。リクルートホールディングスが主催する勉強会にいくとよい。
リクルートへの転職はまず検討してみるべきだ
リクルートは調べるほど素晴らしい企業だ。今すぐ起業したい、どうしてもやりたいことがあるといった感じでなければ「とりあえずリクルート」は良い選択肢だと思う。まずはコンサルでいろいろ事業を見たいという意見ももっともだ。
コンサルに行くと事業ができないというのは若いうちに辞めたら全然適応できるので気にしないでほしい。だが、リクルートでも全然成長できるので転職を検討しているのであればまずは受けてみよう。
今回の記事ではほぼ中立の立場からリクルートを論じてみた(繰り返すがリクルート出身者ではない)。出身者が言うのはポジショントークだと思っているので、参考になると幸いだ。また、中の人からの批評も受け付けたい。
繰り返しにはなるが、リクルートは意外にも外部の人材サービスを積極活用している。ビズリーチにはリクルートに合格するための秘訣を知っているエージェントも多い。 登録していると、エージェントから声をかけてもらえるので、効率的に選考を進めることができるだろう。
リクルートエージェントでも、もちろん転職が決まっている。キャリアコンサルタントとの面談で、内部だからこそ分かる合格の秘訣を教えてくれるから、面談に参加すべきだ。いずれも登録して、しっくりくるエージェントを使う、という考え方もある。高年収の方がリクルートを目指す場合はキャリアカーバーを活用しよう。
リクルートは独自性の強い会社だ。だからこそ、転職エージェントに必ず内情や合格するための方法を聞いて受験してほしい。それらを聞いてからリクルートを受けるのと、聞かずにに受けるのでは、雲泥の差だ。過去問を解かずに受験をする受験生がいないのと同じように、転職エージェントに相談せずにリクルートを受けることは正しい選択とは言えない。
リクルートへ転職するためにエージェントの上手な使い方
リクルートは自社でリクルートエージェントを保有しているが、意外にも他社のエージェントも活用しているため、リクルートだからといってリクルートエージェントを使用するよりも外部のエージェントを使用したほうがいい。
まずはビズリーチに登録して、リクルートに詳しい担当とつながるのが良いだろう。その際に各カンパニーに関する情報収集や採用基準、社風や業務状況などをしっかりヒアリングを進めることが良いだろう。
こちらもぜひ。今日は以上だ。