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理系の就活生の方では特に、研究室の教授から企業の推薦話をもらっている方もいるでしょう。ただ中には「推薦先で内定をもらっておけば安心だけど正直行きたい業界とは違う…」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。今回はそんな「推薦を受けるべき?」「自由応募で頑張るべき?」といった疑問に、元P&Gジャパン採用/研修統括マネージャーのレクミーおじさんが本気で意見します!

希望と異なる業界の推薦をもらったら?

学部もしくは大学院まで進学した理系の方は特に、就活本番前の年末頃に所属する研究室の教授から企業への推薦状を書くか問われることがあります。もちろんその推薦先が希望する業界や企業とマッチしていればなんらは問題ありませんが、推薦先と自分の第一志望のそれが異なる場合には大いに悩ましい決断を迫られるでしょう。推薦を受けて内定をもらいつつ、本命企業の内定を獲得でき次第推薦先は辞退するという選択もありますが、教授や後輩、大学に迷惑を考えると容易にできる決断とはいえません。
 
近年ではトヨタが推薦枠を全廃するなど見直しも進む推薦制度ですが、第一志望の業界や企業とは異なった推薦先をもらった人に与えられた選択肢は大きく分けて次の3つに分類できます。
①「推薦を受けたら就活を終える」
第一志望ではないものの現在の研究内容と所縁のある推薦でしょうし、推薦をそのまま使うという選択です。
②「推薦先の内定をもらいつつ就活を続ける」
先に推薦先で内定を頂いておき、希望の業界や企業を受けてからどこを承諾するか決めるという選択です。
③「推薦を受けずに自分の希望先を目指す」
推薦を使わず希望の業界や企業で自由応募を受けるという選択です。

おススメの選択とその理由

どの選択をしたとしてもそこに良い悪いは決してありません。自分自身の人生ですから、それぞれの価値観を信じて意思決定をするべきであり、どの選択がベストかは人によって異なります。最後はご自身の納得のいく決断をすることをお勧めします。そのうえで、レクミーおじさんこと戸田さんならどのように考えるか、ご参考としてご覧いただければと思います。

①「推薦を受けたら就活を終える」

結論から述べるとこの選択はおススメできません。決断の結果はその時にならなければわかりませんし、何が自分にとってベストかはやってみなければわからないものです。ですが、だからこそせめて自分自身で今のベストだと思える意思決定をするべきといえます。もし①の選択肢を取った場合、ベストを尽くせたのか否かを自分の行動から見出すことは非常に難しいでしょう。
 
もちろん推薦を受けてそのまま内定を承諾すれば周囲の期待に応えた形になりますし、迷惑をかけることもないのかもしれませんが、もしそれが本当は希望している業界や企業とは異なるのであれば、後悔が残らないかは考えてみるべきです。「やらずに後悔よりやって後悔」という言葉のように、挑戦して失敗した後悔であればその過程で成長を得ますが、挑戦せずに逃した後悔は一生付きまといます。

②「推薦先の内定をもらいつつ就活を続ける」

この選択肢は希望の業界や企業へ挑戦しつつ滑り止めも持っておけるため、非常に魅力的に思えるでしょう。しかしレクミーおじさんはこの選択肢もあまりおススメできないといいます。そもそも推薦枠という採用方法自体、複雑かつ独占的で就活生のキャリア選択を狭めかねない制度と言えますが、仮に希望の業界で内定を獲得して推薦先を辞退することになった場合、周囲への影響は軽いとはいえません。
 
自分の人生とはいえ、人生は周囲に支えられてこそのもの。人によって程度はありますが、大学の研究室での繋がりは一生ものになることも少なくありません。卒業後も後輩と関わることがあるでしょうし、ご自身の結婚式などで教授をお呼びする機会もあるでしょう。その節々で周囲にかけた迷惑を思い出し、後ろ暗い思いを抱えて社会に出ていかざるを得ないかもしれないと考えると、おススメできない理由もお分かり頂けるかと思います。

③「推薦を受けずに自分の希望先を目指す」

お分かりの通り、この選択肢はリスクを負います。人気企業ともなれば倍率は跳ね上がりますし、近年の景気を考慮すればなるべく安全な道を取りたくなるのも当然でしょう。しかしながら人生において、リスクのない選択などありません。「どこに就職するか」「今日何をするか」「昼食に何を食べるか」すべてにおいて人生は「“決めて”他の選択肢を“断つ”」ことの繰り返しです。
 
なによりご自身のコミットメントを支えるという面で、この選択は大きく作用するでしょう。自分で決断して挑戦したことは「最後までがんばろう」と腹を決めやすいものですし、マインドセットを強化していくキッカケとしても自分の希望する道を選ぶというのは大切なことです。責任転嫁に聞こえるかもしれませんが、自ら責任と自信を持って決断をすればもし挑戦がダメだったとしても「やれることはやった、縁がなかった」と吹っ切れ、自然と他の良い縁が巡ってくるものです。

可能性は無限大!決断も楽しんで

非常に難しい問題ですから大変悩まれることでしょうし、同じような悩みを持っている方はたくさんいます。あなた自身のキャリアですから、ここの記事も鵜呑みにせず、じっくり考えてみてください。ただ自分の意思で決断していくことだけは忘れずに、またご自身に開かれた道は未知数に広いことを思い出して、いい意味でリラックスして意思決定して頂ければと思います。
 
最後に、決断をする際は身体とメンタルの調子がいい時に(寝不足、疲労、泥酔状態の時はNG)、そして決断する日を決めておくことを強くおススメします。特に後者に関しては、世の中のすべての情報を把握することは毛頭無理ですし時間は有限ですから、決断日までに最善をつくしつつ結果を重視することが大切です。ぜひ決断も楽しんでみてください。

YouTubeで動画も公開中

希望と異なる業界や企業への推薦をもらった時の選択について、元P&Gジャパン採用/研修統括マネージャーのレクミーおじさんが詳しく解説している動画はYouTubeでも視聴できます。記事には載せきれなかった貴重な話も聞けるので、ぜひレクミーチャンネルもチェックしてみてください。
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