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面接官を怖いと感じるその理由とは
面接官を怖いと感じるその理由とは

誰しも、面接中に社員の厳しいリアクションや鋭い質問に苦しめられるものです。同じ人間なんだから、もっと優しくしてくれたっていいじゃない!と筆者は思い続けてきました。数々の面接をこなしていくうちに気づいた面接官の怖さの原因と、その対処についてお話しします。

筆者の見てきた面接官1:現役コンサルタント面接官

ケース面接に臨む私は、作成した資料を携え、面接会場に入室しました。面接官は渡された私の資料を眺めながら、「これ、こういう風に作れって言われたの?」と尋ねられました。開口一番この雰囲気、とても焦りましたが、なんとか説明を始めました。プロのコンサルタントらしく「なぜこのような表現にしたのか」など真顔で私に問い続けてきました。そしてロジカルでない説明をすると、首をかしげるなどしっかりと態度に示してくれました。納得がいくと、なるほどと反応を返してはくれたものの、全体的に厳しい雰囲気のまま面接を終えました。

作られる怖い空間

このケースは「面接官が意図的に怖くなっている」ケースです。コンサルタントはクライアントの要望に対して、その場で冷静に対処する瞬発力と胆力が求められます。面接官はクライアントになりきることで、私にコンサルタントとしての資質が備わっているか、判断したかったのです。実際、この面接官はケース面接後は一転して穏やかな表情になり、逆質問や感想などを聞いてくれました。
そこでようやく、ケース面接のピリピリした空気は実際の仕事に近い雰囲気で適性を見てくれているのだと気づきました。
この記事をご覧になっている就活生の方も、こうした意図的な圧迫を受けることがあるかもしれません。圧迫面接をすることで有名な企業をご存知の就活生も多いのではないでしょうか。企業側もハードな仕事に耐えられるのか検討するため、やむを得ず圧迫面接を採用していることが少なくありません。確かに圧迫を受けると、就活生も人間ですから、気が滅入ってしまいます。
そんなときは「この面接官も頑張って雰囲気を作ってくれているんだなあ」という心構えで対処してみてはいかがでしょうか。環境をメタ認知した上で自分なりの対応を重ねれば、パニックに陥ったり、場に飲まれることはなくなります。

筆者の見てきた面接官2:IT企業の管理職面接官

某IT企業でプレゼンを評価される機会が来ました。対峙するのはチーム統括の管理職です。登場してすぐに「なんか怖い」と思いました。おそるおそるプレゼンを開始して相手の反応を見ますが、怖い顔がじーっとこちらを見ています。「うんうん」と反応は返してくれますが、相変わらず眉間にしわを寄せたままの顔。手応えのなさにと戸惑いつつも、ミスなくプレゼンをこなしきることができました。

経験は人の顔を険しくしていく

これは「面接官の顔がもとから怖い」ケースです。独特な表現になりますが、私は就活生にとって大切なテーマではないかと考えています。なぜなら就職活動では、初対面で歳も離れた方と1時間弱堅い会話を続けるという慣れない活動を強いられるためです。
特に選考終盤にもなれば50代、親よりも年齢を重ねている面接官に当たる可能性が高く、慣れない環境に不安や恐れを抱くのも無理はありません。熟練のビジネスマンは経験と年齢を重ねるうちに厳しめの表情が染みついている人も多く、怖い印象から委縮してしまう就活生も少なくないでしょう。あくまで面接官に悪意や敵意がないことをしっかりと意識しつつ、謙虚な姿勢を心がければ面接はスムースに進むはずです。

筆者の見てきた面接官3:監査法人の面接官

選考を兼ねていたインターンシップにて、筆者はほかのグループの発表を見学していました。その際、脇の方でプレゼンを見ている社員さんがとても鋭い眼光でプレゼンターを眺めていることに気が付きました。自分が発表する順番になると、社員さんだけでなく、学生も厳しい表情でこちらを見ていました。かなり頑張って作り込んだプレゼンだっただけに、「これはちょっと失敗してしまったのかな」と落ち込んでいると、社員の方は高評価のフィードバックを返してくれ、私は少し困惑しました。

プレゼン中の聴衆の表情は難しい

今回は面接ではありませんが、こちらの説明を聞いている人の表情についてのお話しです。この状況を簡潔に述べるなら、「話を真剣に聞いている人は怖い顔になる」ケースです。
みなさんは勉強中の自分の顔を見たことがありますか?集中しているとき、人は真顔になったり、険しい表情を浮かべることがよくあります。なぜなら、困難な課題に対して立ち向かっている間、表情を気にする余裕はないからです。
大学受験のときを思い出しても、難しい問題をニコニコしながら解いている人はいなかったですよね。プレゼンでは、課題に向き合う表情がプレゼンターに向けられます。
正確には、プレゼンターの提示する構造分析やソリューションに向けて険しい表情をしながら考えています。それは決して話しているあなたに向けられたものではありませんから、自信を失う必要はありません。あまりに聴衆の表情が厳しい場合には内容が伝わっていない可能性がありますから、内容をかみ砕いたりして適宜対応できるとベストです。

人の考えていることはわからない

就職活動では面接官を始め、さまざまな人の顔に対峙し、コミュニケーションを模索していかねばなりません。相手の考えを読み取ろうと表情を洞察することは重要ですが、表情にはさまざまな背景があり、一義的に判断がつくものでもありません。相手の表情にあまり振り回されることなく、落ち着いて選考に臨んでください。