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就活の軸として、海外駐在の有無を据えている方も少なくないでしょう。今回は現在阪和興業で人事を担当している堀さんのお話をもとに、商社マンとして海外駐在をする中で経験した苦労やキャリア形成についてお話ししていきます。堀さんは、かつて世界中を飛び回るセールスパーソンでした。海外駐在をきっかけに人材育成の重要性を感じ現在は採用や研修を統括しています。これから海外駐在に行かれる方や商社を目指す就活生必見です。

海外の駐在先での生活と家族

堀さんは5年半アメリカのシアトルに駐在しました。商社と海外駐在は切っても切り離せない関係ですが、家族も同じで切り離すことは難しいですよね。駐在先での苦労を家族と共有して乗り越えた先にあったものは一体何だったのでしょうか。

働く環境とコミュニケーション

商社に入社後、海外駐在するとどのような環境で働くのか気になりますよね。日本に本社があるからといって、海外拠点でも日本人がたくさん働いているというわけではありません。堀さんの場合、日本人は自分を含めわずか2名しかいなかったそうです。堀さんが当時勤めていたシアトルのオフィスには、白人、アジア人、ヒスパニックなど様々な人種の方が働いていました。日本語が通じるわけもなく英語でコミュニケーションをとるのですが、同じ英語でも我々日本人が習うイギリス英語とアメリカ英語はまた別物です。英語を話せればどこへ行っても容易に通用するというわけではなく、地域ごとの独特の訛りによって苦労することもしばしばあるのです。

海外駐在開始直後の苦労

堀さんのアメリカ駐在は5年半という期間でしたが、そこには小学生のお子さんお2人と奥さんがついていきました。商社の海外駐在は1年ですぐに終了するものでもなく、長期間に渡って現地に留まることもあります。駐在がはじまってすぐは、仕事内容こそこれまでと同様かもしれませんが、言語や風習、文化、法律は大きく異なります。そのため現地での仕事に慣れるまでに時間が必要になりますし、くわえて家族のことも考える必要があるでしょう。特に小さなお子さんがいる場合は、精神的なケアも大事になってきます。

家族の結束力

新しい環境に順応するまでに大変なのは、駐在する本人だけではありません。子どもも奥さんもさまざまな壁に衝突することになるでしょう。しかし、その分家族の絆はどんどん強固なものになっていきます。家族全員が苦労するからこそ協力し合って、より親密になっていくというのは日本ではなかなか経験できないことかもしれません。そのような環境の中で堀さんを救ってくれたのは、ファミリーケアを大切にするアメリカの文化でした。たとえば子どもが病気になった場合、診察時に通訳するため会社を休むことになってもそれを寛容に受け入れてもらえたそうです。家族に対する考え方の文化も国によって大きく異なるのです。

海外駐在を経てたどり着いた使命とは

阪和興業のセールスとして第一線で活躍してきた堀さんでしたが、子会社での海外駐在を機に人材を育てる立場に回ります。そこで得た学びと阪和興業の未来のために今考えていることを教えていただきました。

海外駐在で学んだ育成と教育の重要性

それまで営業として世界を飛び回り各地で仕入れを行ってきた堀さんですが、子会社への異動をきっかけに人材を育成することになります。自分で売ったほうが早いと思ったこともあるそうですが、最終的に気づいたのは部下に裁量を与えトップセールスを自らの手で育てることの大切さでした。自分一人がいくらがんばってもせいぜい1.5倍ですが、5人育てれば単純に売り上げは5倍になります。教育や人材を育てることこそが会社の成長につながっているのです。

阪和興業の150年先を創造する役割

海外駐在を終えた堀さんは子会社から阪和興業へ戻り、現在は人事部で採用と人材育成に力を注いでいます。駐在の経験によってキャリアは想定と違ったものになっているのかもしれませんが、研修制度の改革や企業内大学の設置などまだまだ取り組むべきことはたくさんあり、その言葉には強い気持ちが表れていました。阪和興業が100年、150年先まで続いていくためには会社の未来を担っていく人材を育て続けることが必要です。その人材育成制度の礎を築くことこそが堀さんの使命なのです。

まとめ

ここまで商社で海外駐在を経験した方のエピソードを交えながら、駐在先での苦労やその後のキャリアについて紹介してきました。慣れない土地での苦労は避けては通れませんが、それによって生まれる家族の絆は海外駐在を成功させる大切な要因の1つです。また、海外駐在をきっかけにキャリア形成にも変化が生まれることがあります。多様な文化に触れたり、これまでとは違った分野の仕事に挑戦したりすることで新たな価値観に出会うこともあるでしょう。商社に入社したい方、これから海外駐在を経験する方はそういった観点で海外駐在を充実させてみてはいかがでしょうか。

YouTubeで動画も公開中

商社マンの海外駐在について、阪和興業の堀さんと元P&Gジャパン採用/研修統括マネージャーのレクミーおじさんが対談している動画はYouTubeでも視聴できます。記事には載せきれなかった貴重な話も聞けるので、ぜひレクミーチャンネルもチェックしてみてください。
商社マン駐在の実態「世界の変態と戦うことは面白い」 | 阪和興業