就職試験にグループディスカッションを取り入れている企業は珍しくありません。就活生向けセミナーにおいても、グループディスカッション対策には力がいれられます。一方で「グループディスカッションの対策でいつもダメ出しをされる」「グループディスカッションに今一つ自信がない」という方も多いことでしょう。今回は、グループディスカッションで面接官によい印象を与えない言動の特徴や事例をあげて、その改善方法を解説します。
Summary
重要なスキルなのに非日常的?
グループディスカッションは就職試験だけでなく、インターンでも取り入れられています。大人数の中で論理的かつ分かりやすく議論を交わすスキルを身に着ければ、就職後、ビジネスの場でも大いに役立つことでしょう。その一方で、グループディスカッションのような場を日常の中で取ることはなかなかできません。初対面の人とその場で与えられた課題について議論する経験はとても非日常的に感じるでしょう。その雰囲気にのまれてしまうと、自分本来の力を発揮することができません。グループディスカッションで高評価を得るためには、しっかりとした対策が必要になります。
グループディスカッションで残念だと思われる事例・ワースト3
それでは、グループディスカッションで「残念な就活生」だと思われてしまう事例ワースト3を紹介しましょう。ただ事例を紹介するだけでなくその対策もあわせて解説するので、ぜひ改善の役に立ててください。
発言ができずに終わってしまう
これは最も避けたい事態です。発言をしなければ評価の対象にすらなりません。ですが、初対面でいきなり活発に議論をするのはとても難しいものです。いくらおしゃべり好きな人でも、数分前に会ったばかりでまったく関係性が築けていない人と議論を交わすのは難しいでしょう。しかし、就職試験となると「苦手だからやらない」というわけにはいきません。そこで注目すべきは、グループディスカッションが始まる前です。多くの場合、ディスカッションが始まる数分前にグループごとに集められます。この数分間をできる限り利用して自己紹介や雑談をし、あらかじめ関係性をつくるようにしましょう。そうすれば、「場になじめず、ほとんど発言できなかった」という事態は防げるはずです。
意見が感情的になる
議論が白熱すれば、感情が高ぶってしまうこともしばしばあります。時には意見や主張がぶつかり合って互いに一歩も引かないという事態もあるでしょう。しかし、これはあくまでディスカッションですから、感情的になった時点で「アウト」です。感情的になるのを避けるため、「自分が絶対に正しい」「相手を自分の意見で屈服させたい」といった思いは捨てましょう。ディスカッションは勝ち負けではありません。「自分が絶対に正しい」と思い込んでしまうと、他人の意見を受け入られず、感情もコントロールしにくくなります。また、自分の意見が受け入れられなかったからといって、過剰に落ち込むことも避けましょう。人は落ち込むとそこで思考がストップし、スムーズな発言もできなくなります。
論理がコントロールできなくなる
ディスカッションは意見を出し合い、すり合わせる場です。しかしながら、まず、自分の考えを相手へ正確に伝えることができないと論理はコントロールを失い、収拾がつかなくなります。論理をしっかりとコントロールするためにも、曖昧な言葉を使わないことを心がけましょう。たとえば、数字を扱う場合「たくさん」や「すこし」といった表現では、人によって受け取り方に違いが出るため、議論の前提情報を正しく共有できなくなります。ですから、「この数値がこの値で増えているので、増加傾向だ」というように、断言することで曖昧さを回避しましょう。またAかB、どちらか二択を迫られる場合でも、「Aだと思うけど……」というような言い方では、AなのかBなのか意思がはっきりと伝わりません。ディスカッションに唯一の正解はありませんから、「私はAだと考えます」と、主張を明確にするようにしましょう。シンプルかつ簡潔に言い切ることで、誤解を防ぎつつ意見をすり合わせやすくなります。
まとめ
さて、いかがでしたでしょうか?今回は、落ちるグループディスカッションでやってしまいがちなこと、ワースト3を紹介しました。内容をまとめてみましょう。
・発言ができずに終わってしまう
・意見が感情的になる
・論理がコントロールできなくなる
この3つをしてしまうと、ほぼ確実に低評価がくだされ、次のステージに参加できなくなってしまいます。企業は短時間で多くの学生を見て判断しなくてはなりませんから、最低でもこの3つはしないよう、心がけてみてください。そうすれば、ディスカッションの評価はグッと上がるはずです。
YouTubeで動画も公開中
落ちるグループディスカッションでやりがちなことについて、元P&Gジャパン採用/研修統括マネージャーのレクミーおじさんが詳しく解説している動画はYouTubeでも視聴できます。記事には載せきれなかった貴重な話も聞けるので、ぜひレクミーチャンネルもチェックしてみてください。
▼落ちるグループディスカッションでやりがちワースト3