ページ上部バナー

就職活動を進めていく中で企業からの求める人材についての説明に「人間力のある人材」を募集しているという旨を見たり、聞いたりする機会が増えるのではないでしょうか。しかし「コミュニケーション能力」などの言葉以上に「人間力」の定義は非常にあいまいです。この記事では、就活でよく聞く「人間力」とは何かについて考察します。

「人間力」という言葉

就活生の皆さんは「人間力」と聞くとどんな力をイメージしますか。就活していく中で求める人材として良く記載されるこの単語は実際のところ曖昧な定義がされています。

発端と行政における定義

2003年以降、政府や内閣府で人間力戦略の推進を掲げて「人間力」という言葉が流通するようになりました。ここでは「社会を構成し運営するとともに、自立した1人の人間として力強く生きていくための総合的な力」というように定義されているようです。
(参照:『人間力戦略研究会報告書』よりhttps://www5.cao.go.jp/keizai1/2004/ningenryoku/0410houkoku.pdf

一般的な解釈

人間力とは一般的に「人間力を磨きたい・高めたい」などの使い方で使われているように努力次第で向上することが可能な要素であることを示しています。
ビジネスパーソンが良く利用する言葉で、人間力のある人物は実業家や歴史的な人物を創造する人も多いようです。さらに、端的に言えば「仕事ができること」であると言う人もいます。たしかに、どの企業においてもズバリ仕事のできる人を採用したい、と言われれば間違いなく納得できるものです。

就活における「人間力」

では就活時において良く求められる人材である「人間力」のある人物にはどのような力が備わっている必要があるのでしょうか。求める人材像に「人間力」を掲げる場合それぞれの定義や捉え方について記載や話があることもあります。代表的な2パターンを紹介します。

イコール「人間的魅力」

一つ目に「人間的魅力」であるという言い方で求める人材に「人間力のある人材」を掲げる企業があります。この言い方には能力に関わらずその人の性質や性格としての魅力のことを指している場合が多いようです。こうした説明の場合は能力以上に人柄を重視していることをアピールする目的で「人間力」のある求人像を掲げているでしょう。

新卒の就活生が自分の強みを挙げるときにはよく「人間的魅力」の一部を取り上げてアピールすることがあるかと思いますが、できることよりもこれからできるようになる伸びしろに関心を持つ企業ではこの項目については具体的に知りたいものです。
例えば、「粘り強さ」「リーダーシップ」「向上心」「前向きな姿勢」「誠実さ」「冷静さ」などが考えられます。このような人としての性質や人柄について熱量をもってアピールすると選考において印象に残るかもしれません。

イコール「総合力」

2つ目には「総合力」である、と捉えて求める人材に掲げる企業です。ここの場合には能力と人柄の双方について求める像が明確にある場合もあります。
また、能力とそれに伴う人間的魅力を結びつけて知ることで入社後すぐに活躍してくれる存在かどうか確かめたい目的がある場合もあるでしょう。

上記の「人間的魅力」としての人間力以上に抽象的な表現であることから努力や機転を聞かせた対応などによって出すことができた成果や獲得できたスキルをアピールすることが重要なポイントになるかもしれません。

「人間力」の養い方

結論:人それぞれ

上記のように企業の捉え方によっても具体化すると内容が全く異なるものになるため、養いたいと考えてもその方法は人それぞれであると言わざるを得ません。しかし自分にとって「人間力がある」と感じる人や尊敬できる人の物事への取り組み方などを参考にしたり、感銘を受けたエピソードなどを持っておくことで就活において対応可能です。

スポーツにおける「人間力」を参考にする

同様に、スポーツにおいても人間力という言葉を使われることが多くあります。ここではスポーツの組織性、遊戯性、競争性などの構成要素に対して対応するだけの精神力のことを指すことが多く、勝敗に関わらず前向きに稽古に邁進する能力や体力、知力を表していると言われています。
従って精神的に乱れることなく冷静にかつ前向きに、謙虚でいることのできる力を養うことも一つの方法です。これについては最近では瞑想などの簡単な方法で少し向上できると言われているようです。

「人間力」の魅せ方はある

つまりあいまいな「人間力」という言葉は企業によっても個人によっても解釈が異なるものなので、企業研究の段階でホームページをみたり、説明会やOB訪問を通して具体化して自分のアピールポイントとマッチさせることが重要です。

さらに、自分の中でも「人間力」という言葉に対して理想とする人物像の要素を当てはめて解釈し、説明出来るようにしておくことが必要でしょう。

字面に惑わされず自分らしい就職活動をしていきましょう

今回は「人間力」という言葉を取り上げましたが、他にも「コミュにケーション能力」や「リーダーシップ」などの就活期に頻出する抽象的な言葉については企業側の解釈と自分なりの解釈をしっかりともち、志望企業と考えをマッチさせてアピールすることで選考においてプラスに影響を与えることが可能になります。