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知っておきたい就活と資格の関係
知っておきたい就活と資格の関係

TOEICや日商簿記など、就活を進めるうえで有利と言われている資格は数多くあります。周りの友達に取ってる人が多いため、これらの勉強を始めようか迷っている方も多いと思います。しかし、就活で資格を取ると本当に有利になるのでしょうか?今回は就活を体験した筆者の体験を通じて、就活における資格の有用性についてお伝えします。

就活が有利になると言われている資格とは

就活生の間では、「これを取ると就活が有利に進む」と言われている資格が存在します。実際に、筆者の周りでも取得者が多かった資格を三つご紹介します。

TOEIC

最も取得者が多かったのがTOEICです。業種を問わず、現在日本の経済界は国内市場だけに目を向けることへの危機感を強く持っており、海外市場に軸足を移そうとしている企業がほとんどです。グローバル化が進展すると、語学力に優れ、海外拠点と国内本社の連携を円滑に進めることができる人材の需要はより高まっていくと予想されます。TOEICは語学力のアピールとしては日本でもメジャーなテストなので、「とりあえずTOEICの勉強をしておこう」という人は多いです。

日商簿記

日商簿記も就活が本格化する前に取っておく人は多いです。実際に筆者も三月の就活解禁の前に簿記二級を取得しました。簿記とは、簡単に言ってしまえば企業の経営状態が分かるようになる資格です。企業は、株主からお金を出資して貰う代わりに、所有している資産や負債、ビジネスで生じた損益などの企業の経営状態を詳細に報告する義務があります。簿記を取得すると、その報告に使われる賃借対照表や損益計算書が読めるようになります。基本的には、工業簿記が範囲に入ってくる二級を取得する傾向が強いです。

宅地建物取引士

上二つと比べると汎用性は下がりますが、不動産デベロッパーが難関大学の就活生に人気が高い影響から、宅建の取得者もよく見ます。不動産取引は非常に高額の売買になるため、契約の際には細心の注意を払う必要があります。その際に、購入者にとって重要な事項を説明するのが宅建士です。例年の合格率は15%程度であることから、難関資格の一つだと言えるでしょう。

資格を持っているだけで就活が有利になることはない

しかし、実際には上記の資格を取得しても、そこまで就活で大きく有利になることはないという声も多く聞きます。これは実際に資格を取得し、就活に臨んだ筆者の経験からもそう思います。それはなぜなのでしょうか?

企業は学生の能力より人柄や将来性を重視している

大きな理由の一つとして、日本企業の新卒一括採用のシステムが挙げられます。日本ではアメリカなどの即戦力を求める就活とは対照的に、「スキルのない学生を社内でじっくり育てて、一人前のビジネスマンにする」という風潮があります。そのため、学生にはスキルというよりも、社風に順応できる素直さや周りの人間と協力できるコミュニケーション能力のほうがより重視されるのは自然なことだと言えるでしょう。

資格獲得にかかる時間を考えるとむしろデメリットにも

また、資格取得にかかる時間も無視できません。簿記二級は200時間、宅建は300時間、TOEICは大学入学後の英語力に左右されるため一概には言えませんが、一般的に高得点とされる800点を取得するためには何百時間という勉強が必要になります。この事実を考えると、その膨大な時間を自己分析や企業分析、面接練習に充てたほうがより内定に近づくと言えます。時間に余裕のある方以外は、まずはこれらを優先しましょう。

就活におけるアピールの仕方

とはいえ、資格を取得することにはメリットもあります。ここでは、私がどのようにして資格をアピールに用いていたかをご紹介します。

キャリアプランと交えて話す

キャリアプランを考えた上で資格を取得したことをアピールすると、「自分で目標を立て、それに向けて必要な努力をできる」というアピールになります。私の場合は、自信の今までの経験から営業職をしたいということを伝えた後、「営業職では取引先の経営状態を正確に判断し、そこからニーズに合った提案をすることが必要になると聞いたので、簿記二級を取得しました」と伝えたところ、面接官の方から高評価を頂くことができました。

逆質問で努力できる向上心が強いことをアピールする

先述のようなキャリアプランに関する質問が来なかったときは、逆質問の時間で「現在、私は営業職として働くことを目標に据え、簿記二級を取得しましたが、他に学生時代にしたほうが良いと思うことはありますか?」と自分から進んでアピールするようにしていました。この質問は面接官の年次に関わらず使える逆質問なので、おすすめです!

資格取得は現在の就活状況と相談して検討しよう

資格取得は内定への近道になるということはありませんが、長期的な視野で考えるとプラスになります。そのため、他に優先すべきことはないのか、自身の就活の状況を冷静に判断してから、勉強を始めるかどうか決めることをおすすめします。