総合商社などグローバル企業では、Webテストで「英語能力検査」が課されることがしばしばあります。初見で挑戦すると面食らってしまう可能性も。合格ボーダーの目安は?長文の難易度は?今回の記事では実際に出題する企業(練習企業)の特徴や出題傾向を総ざらいしましょう!
Summary
テストセンターでのみ出題
SPIで頻出する検査は「性格検査」や「能力検査(言語・非言語)」の2つですが、自宅ではなくテストセンターで受検する場合にのみ「英語能力検査」「構造的把握力検査」のどちらか、もしくは両方が出題される可能性があります。テストセンターでの受検を指定されている場合には注意が必要です。自身で出題の有無を事前に調べておく必要があります。
グローバル企業での出題が目立つ
前述の通り、総合商社などのグローバルな活躍が求められる企業では英語分野の出題が見受けられます。今まで英語の実力を偽って就活を進めてきた就活生にとっては思わぬ壁に阻まれることになりますが、入社してからのことを考えると身につけておくべきスキルです。
出題企業一例
商社
商社の中でも双日や豊田通商といった企業のほかにも、いわゆる五大商社のうち伊藤忠商事・三菱商事・丸紅では今回ご紹介するSPI英語の出題が確認されています。それら以外の三井物産・住友商事ではGAB(玉手箱)での英語能力検査が課せられており、SPI同様に英語の対策が求められています。
その他一流グローバル企業も
商社以外でも、日本郵船や三井不動産、電通、ゴールドマン・サックス、NTTコミュニケーションズ、三菱重工業など、幅広い業界で就活生から人気を博す企業でも出題が確認されています。
出題形式
制限時間は20分で、難易度は高校~大学受験レベルとされています。出題されるジャンルは大きく分けて以下の6つです。リスニングやライティングなどの分野は出題されず、大学入試のセンター試験と類似したリーディング問題が出題されます。難易度も等しく大学入試までのレベルと考えて良いでしょう。
【語彙】同意語/反意語【易】
ある単語と同じ意味を持つもの、もしくは反対の意味をもつものを選択肢から選ぶ問題が出題されます。
【例1.】get rid ofの同意語
- relate
- revise
- remove
- reply
正解:remove
【例2.】acceptの反意語
- reduce
- refuse
- relive
- reuse
正解:refuse
【語彙】英英辞典【易】
ある単語を辞書的に説明する英文を読み、どの英単語かを選択肢から選ぶ問題が出題されます。
【例】To grow or change into something bigger or stronger
- develop
- delay
- engage
- decade
正解:develop
【語彙/語法】空欄補充
文法やイディオムの知識を問われることが多いです。同じ意味の和文・英文が並んでおり、英文側の空欄を埋める正しい意味の英語を選択する問題が出題されます。
【例】
〈和〉ジョンは卒業生を代表して挨拶した。
〈英〉John gave a speech on( )of the graduating class.
- belief
- behalf
- behave
- betray
正解:dehalf
【文法/語法】誤文訂正
英文に複数箇所下線が引かれており、そのうち文法的・語法的に誤っている箇所を1つ指摘する問題が出題されます。
【例】Let’s have lunch at the new restaurant if we finish this work until noon.
- Let’s
- have lunch
- finish
- until
正解:until(→by)
【読解】和文英訳
1つの和文に対して英文が複数提示され、文法的に正しい英文を1つ選択する問題が出題されます。
【例】ジムが言うには、明日の試合は雨天決行だ。
- Jim will say tommorow’s game is held if it rains.
- Jim says tommorow’s game would be held if it were rainy.
- According Jim, tommorow’s game won’t be postponed for rain.
- Jim is not said that tommow’s game will be postponed even in the wet.
正解:According Jim, tommorow’s game won’t be postponed for rain.
1つ目…×will say
2つ目…×仮定法を用いている
4つ目…×Jim is not said
【読解】長文読解【難】
長文読解では、1つ200~300語程度の英語長文に対し内容理解度を問う英文の質問が3問出題されます。上述のとおり出題形式は大学入試と類似しており、内容に関する正誤であったり指示語の問題など多岐にわたる読解力が問われますが、一番大切なのは解き進めるスピードで、制限時間切れにならないように気をつけましょう。
正答率が高いほど難しい問題が出題される
ご自身の正答率の目安としては、問題の正答率が高いほど難易度が高い問題の出題が増えるようになります。読解の問題が多ければ順調に正答できていますし、反対に語彙の易しい問題ばかり出題されている状態では高い正答率は期待できません。短い受検時間の中で、長文を3題以上解き進めることができた場合は高得点の目安と言っても良いでしょう。
TOEICと同じくまずはボキャブラリー対策
まずはボキャブラリーの知識を蓄え語彙問題の正答率を上げない限りは長文読解の問題にはたどり着けませんし、そもそも長文を読み解けないはずです。単語帳などの参考本やアプリを活用して着実に語彙力を身につけたいものです。とはいえ、SPIの為だけに新しい参考書を買って勉強する必要はなく、TOEICやTOEFLといった民間の英語試験の勉強と兼ねて勉強することで自然と英語力が身につきます。これらの英語試験のスコアが提出必須の企業もありますので、一度は受検しその中で英語力を身につけておくことが重要です。
時間のあるうちに対策を
就活本番の3月以降になってしまうと、わざわざ英語の勉強に時間を割く余裕は無くなってしまいます。時間のあるうちにTOEIC対策と一緒にサクッと勉強しておきましょう。TOEICの重要性は言わずもがなですが、適性検査で祈られているようではお話しになりません。
そして、本選考の時期には一度練習企業で受検しておくことをオススメします。万全な対策で足切りから逃れましょう!