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面接試験だけでなく、小論文選考を行う企業が増えてきています。ですが、小論文は模範解答がなく、どのように対策をすればいいのか検討のつかない方もいるのではないでしょうか。企業が評価するポイントと小論文の書き方を紹介していきます。

小論文を課す目的

小論文で出されるテーマは多様であり、解答も人によってさまざまです。企業側にとっても、採点に時間がかかり、労力の必要な試験と言えるでしょう。では、なぜその労力を払ってまで、企業は小論文を課すのでしょうか。それは、面接試験では測り切れない能力を確認するためです。具体的には、「理解力」と「論理性」の2つがあります。

「理解力」を見る

「理解力」とは、第三者の要求を誤りなく把握する力のことです。小論文試験では、論文テーマに対して適切に答えているかを見ることで、この理解力の判断をしています。
例えば、「企業に対する問題点とその解決策について述べよ」という課題に対して、「問題点」のみの記述になると、解答が不十分で理解力が低いと判断されてしまいます。提示されたテーマを正確にとらえ、問われている問題にもれなく適切に答えられるかを見ているのです。

「論理性」を見る

「論理性」とは、筋道を立てて物事を整理する力を指します。
小論文の対策をしていない人にありがちな失敗として、頭に思い浮かんだことを浮かんだ順に文章を書いてしまうことがあります。主張に一貫性がなくなり、何を伝えたいのか分かりづらい文章になってしまいます。
これに対して、論理性のある人の書き方だと、論文テーマに対する「結論」を最初に記述してから、「結論」を導いた「根拠」や「具体例」を記述しています。自分の考えを整理したうえで、ずれのない主張をする文章を書けるかどうかを通して、「論理性」を見ているといえます。

小論文の傾向を知ろう

小論文の頻出テーマ

小論文のテーマはさまざまですが、大きく分けて4つの頻出テーマがあります。それは、自分の将来に関するもの、自分の過去の経験に関するもの、時事問題や一般論に関するもの、志望職種や志望企業に関するもの、です。

下の図では、4つのテーマについて、具体例と実際に出題されたテーマを併せて紹介しています。

それぞれのテーマごとに対策をしておくとよいでしょう。特に時事問題が出される場合、予備知識が必要ですので、日常的に新聞やニュースに目を通しておく必要があります。

小論文を書くコツ

序論・本論・結論の型で書く

論理性の項目でも書いたように、感じたことをそのまま文章にするのではなく、一定の型を使用することで、論理的に自分の主張を伝えられます。小論文は一般的に、序論、本論、結論の3つのパートで構成され、それぞれに別の役割があります。

序論では問題提起を行い、それに対する自分の主張を明らかにします。本論では、序論で述べた主張に対する根拠を提示します。主観ではなく客観的な事実・具体例に基づいて書くことで、より説得力のある強い根拠にできます。結論では、序論で述べた主張と本論で述べた根拠をつなげ、改めて提示します。

 

事前にアウトラインを作る

序論・本論・結論という型で文章を完成させるためには、アウトラインを事前に作成することをおすすめします。自分の主張に一貫性がなくなったり、話の内容が問われているテーマからずれてしまうことを防止できます。

小論文の書き方例

では実際に小論文を書いていきましょう。
例えば、「営業職で大事な行動とは」というテーマが出されたとします。最初にアウトラインを書き出していきましょう。

 

テーマ:営業職で大事な行動とは

序論

・顧客のニーズに耳を傾けること

本論

・通常は商品をいかに上手に売り込むかどうかなど話すことに意識が向きがち

・だが、いかに商品が魅力的でも、顧客のニーズに合わない限り商品は売れない

・例:疲れ目で悩む人に花粉症の目薬を紹介しても意味がない

・顧客のニーズがどこにあるのか話を聞き把握することで、初めて営業できる

結論

・顧客のニーズに耳を傾けること


まず、出されたテーマに対する自分の主張を序論に書き込んでいきます。この場合であれば、「顧客のニーズに耳を傾けること」です。本論ではこの主張の根拠を述べていきますが、他の意見について触れたり、具体例を盛り込むことでより説得力ある根拠にできます。結論は序論の主張の繰り返しになりますので、序論と同じことを書き込んでいきます。一度アウトラインを書いた後も、補足したい考えがあればその都度書き込み、文章の流れと矛盾していないか確認していきましょう。そうすることで効果的に内容を肉付けできます。
このアウトラインを踏まえて、文章化していきます。

テーマ:営業職で大事な行動とは

序論

営業職で大事な行動とは何でしょうか。私は、顧客のニーズに耳を傾けることだと考えます。

本論

営業をするうえで大事なのは、商品をどのように上手く売り込むかなど、魅力的な商品紹介をすることだと考えるのが一般的です。しかし、効果的な売り込みをするためには、前提条件としてニーズを把握する必要があるという理由から、この意見には賛成できません。例えば、臨床検査によって、当社比の2倍近くの効果持続期間を誇る花粉症用目薬が開発されたとします。その目薬の効果は絶大で、会社の目玉商品だったとしても、疲れ目で悩む顧客にその目薬を売り込めるでしょうか。上手く商品を説明したとしても、買ってはもらえないでしょう。この時に大切なポイントは、事前に顧客と会話をし、悩みが疲れ目であると把握しておくことです。疲れ目用の目薬を売り込むことができ、売上につなげられます。商品の売り込みに意識を傾ける以上に、顧客の話をしっかり聞き、ニーズを把握することがより大事であるとわかります。

結論

顧客のニーズを把握して、はじめて商品の売り込みができることを踏まえると、顧客の話を注意深く聞き、ニーズを聞き出すことが肝要であるといえます。

まとめ

小論文が出される目的と小論文の書き方について紹介していきました。理解力と論理性を見るテストですので、テーマに適切に答え、文章の構成に気を配っていきましょう。ぜひ、この例文を参考に対策を進めてみてください。