就活生に人気の高い総合デベロッパ―ですが、その反面選考難易度も高いため入念な対策が必要となります。なぜ人気なのか?を分析しデベロッパーの魅力を紐解くとともに、代表的な5社(三菱地所・三井不動産・東急不動産・森ビル・東京建物)の事業内容をまとめました。
Summary
総合デベロッパ―とは?
そもそもデベロッパー(Developer)とは不動産の業務の一つで、所有する不動産を開発する業者のことを指します。その中でも、大型のオフィスビルや商業施設やマンションなど多岐にわたる建築物で総合的に地域を活性化させる大手企業は「総合デベロッパ―」と呼ばれています。
「街づくり」に携わることで、あらゆる法人やその土地に住む人とも関わることになり社会全体に大きく影響を与えることができる職業です。
なぜ就活生に人気?
前述のとおり、就活生に人気ということは選考難易度も必然的に上がってしまいます。
採用人数
総合デベロッパーを受検するにあたって一番ネックになるのは、その新卒採用人数の少なさです。大手銀行(メガバンク)の新卒採用人数は300~400人程度であるのに対し、総合デベロッパーの採用人数はわずか30人前後です。受検層は大手銀行と同じく、東大や早慶などの上位校生がほとんどですので、選考難易度はあらゆる業界と比べてもトップクラスです。
待遇の良さ
総合デベロッパーの狭き門にこれほど多くの就活生が集まる理由は、街づくりができること以上にその待遇の良さにあるとも言われています。
都心の主要エリアに自社の土地を所有している企業に勤める場合は都内からの転勤は少ないですし、給与や福利厚生などの待遇も手厚く整備されています。
選考の場で労働環境の良さを志望動機の第一に挙げるのは好ましくありませんが、ライフワークバランスを重視した働き方を選ぶ学生からますます人気が高まっています。
単願はNG!他業界も受検すべし
難易度の高い選考を通過できるのは上位校生の中でもほんの一握りです。ですので、総合デベロッパーの志望動機を活用させやすい鉄道などの交通業界と併願する受検生が多いようです。
大手の総合デベロッパーの本選考はおおむね6月1日にスタートし、とんとん拍子で選考が終わってしまいます。ですから、デベロッパー以外の業界も併願しておくことで6月以降の持ち駒不足を回避しましょう。違う業界を見ることで、よりデベロッパー業界の志望動機をシャープにしたり、面接を重ねて経験を積むこともできます。
代表的な総合デベロッパー
では、代表的な総合デベロッパーである、三菱地所・三井不動産・東急不動産・森ビル・東京建物の5社をピックアップしそれぞれの特徴をご紹介します。
三井不動産
三井不動産(通称:三井不(みついふ))はデベロッパー業界でトップの営業収益を誇っています。【柏の葉スマートシティ】や【東京ミッドタウン】といった新エリアの開拓を積極的に行い業界トップに成長した企業です。
待遇の良さからまったりとした人材が多いというイメージを持たれがちのデベロッパー業界ですが、三井不動産はガツガツとした社風ゆえに新エリアを獲得して現在の地位を確立したといえるでしょう。
三菱地所
三菱地所(通称:地所(じしょ))は三井不動産に次いで2番目に高い営業収益を誇っています。三菱地所を受検する就活生の多くは、【丸の内】に構えた数多のオフィスビルによる安定的な収益に魅力を感じて志望しています。
実際に筆者がOB訪問した印象では、三井不動産と比べて落ち着いた印象を受けました。他の社員も同様にまったりとした方が多いと話されていました。きわめて安定している地盤をもとに事業を展開しているという経営方針が影響していると考えられます。
東急不動産
東急不動産はこの5社の中では唯一の鉄道系デベロッパーで、その名の通り東急(東京急行電鉄)グループの一員です。【渋谷】地区と【銀座】地区の土地開発が東急不動産の中核事業になっています。
売上では上記の2社に劣りますが、華やかな都会の象徴とも言えるこの2つの地盤を有していることから就活生からの人気は高く、自社グループの最大の強みである交通インフラとの連携で他社とは一線を画す土地開発ができます。
森ビル
森ビルは【六本木ヒルズ】や【虎ノ門ヒルズ】、【表参道ヒルズ】などの大型オフィスビル・商業施設を開発しています。森ビルも他の総合デベロッパーと比べて営業収益はそれほど高くありませんが、クリエイティブな新都心を創り上げる経営ビジョンが就活生からも高い知名度を誇っています。
一方で、その知名度に反して上場していないことでも有名でこれまで紹介した3社とも異なった社風が感じられます。その独自の社風や経営ビジョンから、愛社精神が強い社員が多いと言われており、自社の手がけた建築物や土地に誇りを持っている社員が多いようです。
東京建物
東京建物(通称:東建(とうたて))は日本最古の総合不動産会社として国内の不動産業を牽引してきました。都内の特定エリアに大きな事業基盤を持っているわけではありませんが、その名の通り都内を中心に大型オフィスビルや商業施設を多数建設しています。
東京建物はアットホームな社風が特徴で、上記4社よりも更に少数精鋭という雰囲気があり「社員の大体が顔見知りだ」とOB訪問でお会いした社員の方が語っていました。
その社風は対外的な営業でも活かされており、特定の地盤を有していなくても地域の特性に寄り添いニーズに合わせた土地開発を進めているお客様第一の企業です。
また、デベロッパーの海外進出においても先駆者的な存在であり、近年ではアジアへの進出にも力を注力しています。具体的には中国やASEANなどの地域で土地開発・コンサルティング事業に参入しています。
熱意をアピールするには
これら大手企業の内定を獲得する方法は、志望度の高さや熱意を強くアピールするほかなりません。

インターンシップに参加する
一番手っ取り早いアピール方法はインターンシップに参加することです。社員や志が高い就活生から刺激を受けて志望動機が高まるとともに、あなたらしさをワークでアピールする最大のチャンスです。さらに、インターンシップ参加者限定の座談会や本選考における一部選考免除などの特典を受けることができる企業もあります。
とはいえ、インターンシップの選考の段階でESや面接・GDを課す企業も多いため本選考に匹敵するほど通過率は低いです。準備を入念に行うことで、熱意の高さを見せることもできますが、落選してしまっても落ち込む必要はありません。
たくさんOB訪問する
インターンシップに落選してしまった場合は、OB・OG訪問をたくさん行い、とにかく様々な社員の意見を聞きましょう。そして、自分のやりたいことや自分らしさをアピールしましょう。総合デベロッパーの中には、OB訪問を受けた学生の中から推薦枠を設けてインターンシップ参加者と同様に本選考において優遇する企業もあります。面接と同じくらい集中して臨むことが大切です。
OB訪問の手順については以下の記事でもご紹介していますのでこちらもご参照ください。
https://www.recme.jp/media/20180914509
早い動き出しが肝心!
僅かなチャンスを掴むためには早い動き出しが必要です。次のインターンシップはいつか、訪問できるOBはいないか、すぐに調べて行動に移しましょう。数多のライバルに差をつけ、内定を勝ち取るために今できることから実行しましょう。