就活を進めていく中で欠かすことのできない業界研究ですが、業界ごとの分析を経ても志望業界の絞り込みに必ずしも繋がるわけではありません。この記事では2業界以上を比較しながら業界研究を行うことで企業選びの軸を明らかにできる方法を紹介します!
Summary
業界分析の別の視点
多くの就活生は業界研究を通して業界の絞り込みをしていきたいと考えているのではないでしょうか。ざっくりだとしても8業界程度、詳細にすれば100以上の業界がある中で絞り込んでいくことはとても難しいことでしょう。しかし、新卒の就活生は特に限られた時間の中で就職活動をしていかなくてはならないため、やみくもに興味のある企業やネームバリューのある企業の選考を受けることも本当に望む結果を得ることは難しいかもしれません。
そこで多くの就活生は1業界のみに絞り込んだ就活というよりは2~3業界まで絞り込んで選考に臨むケースが多いようです。今回は、数多くある業界の中から、2~3業界に絞り込む方法として興味のある複数業界を比較することで志望業界や志望企業を絞り込む方法を紹介し、業界と業界の比較から自己分析に繋げる方法を考察します。
「業界×業界」のケーススタディ
実際に業界の比較を2つのケースで紹介します。今回は2業界を志望する場合自分の企業選び軸として想定され得る特色の共通点について考察していきます。
「銀行×インフラ」
銀行は、預金業務などから生活者にとって欠かせない存在であるとともに、企業にとっても欠かせないビジネスパートナーの役割を担っています。それゆえ、社会を支える基盤としての意識と同時に経済的影響力の大きさが特徴です。個人・法人の営業職やフィナンシャルプランナーなどの職種など、信頼関係をもとにコンサルテーションする能力や、フィンテックなどに伴う最新技術を活用した新しい仕組み作りを率先して行えるリーダーシップも必要とされています。
インフラ業界には、ガスや電気、水道などのライフラインや交通機関などがありますが、共通して、人々の生活や社会を支える基盤としての役割を担っています。水道や電気、ガスなどなくてはならないものであるからこそ、迅速に対応できる能力や住民全体の生活が掛かっていることから社会への奉仕精神が重視されます。一方で、ガスや電気の小売り自由化に伴う新しい仕組み作りも必要とされ、構想力や実行するリーダーシップが求められています。
したがって、社会を支える役割・国内外のネットワークを活用し、現地に赴いた仕事もある・社会の変化に伴い新しい仕組みの構想を練り行動に起こすリーダーシップが求められる点で共通しています。
「商社×広告・PR会社」
商社は業界の垣根を超え、商材を通した他業界・他業種の架け橋の役割を担っています。多くの総合・専門商社は世界中のネットワークを通じて人と人や企業間を繋ぎ、その調整役としてのコミュニケーション能力が発揮されます。また、企業と企業の新しいネットワークの構築を目指した提案をする場合もあります。
広告・PR会社はは依頼者となる企業の製品を社会や消費者に対して発信するための調整役として製品やサービスについて、また商品を通して社会や消費者に伝えたいことを理解し、適切に発信する方法についての提案や調整を行います。適切な理解、発信にはコミュニケーション能力が欠かせません。さらに、生活者の文化や流行・変化に気づく能力も的確に製品をコミュニケ―ションする上で欠かせない能力であると言われています。
以上のように、商社と広告・PR会社は共通して何かを繋ぐ、ネットワークやコミュニケーション不可欠である点、提案能力の必要性が共通しています。
選考に役立てる方法
上記のように複数業界を組合わせて比較しながら業界研究を行うことで、類似点や相違点のほかそれまで気づかなかった視点を得ることができる場合もあります。次に、実際の選考においても効率良く志望動機や自己PRをまとめられる場合について紹介します。
企業選びのタイミング
志望業界の範囲が広いほど予備知識として収集しなければならない情報量が多くなってしまいます。しかし、興味のある2業界を比較して分析することで共通点を知ることができ、その結果自分の就活軸が見えてくる場合もあります。そのため、1つずつ分析をしていくのではなくまんべんなく一挙に済ませてしまう方が、かえって合理的なこともあるかもしれません。
「他に受けている企業はありますか?」
実際に面接選考で、「他に受けている企業」について質問されることも多くあるようです。その際、同じ業界の他社を受けていることを申告することで業界への志望度をアピールする方法もありますが、他業界を併願している場合もその共通性について話すことで結果として自分の企業選びの軸を改めてアピールする機会になります。さらに、業界と業界をまたいで分析した企業や業界の特色は自分なり切り口をもって取り組むことができ、就職活動をしていくうえで大切にしていることを伝えることもできます。
業界の繋がりを理解して広い視野で就活に挑もう
今回は、業界と業界を比較しながら分析する方法について2つのケースを挙げながら紹介しました。ぜひ、自分なりの切り口をもって企業や業界の分析を進めながら改めて自分の就活軸を見つけてください。