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「体育会だから就活は安泰」そんな風に思っている学生もいるのではないでしょうか。確かに、体育会特有のネットワークやコネを活用して就活を有利に進めることは可能です。ただ、体育会であることに甘えてしまうと痛い目にあってしまうのもまた事実です。国立体育会出身の筆者の体験談を交えながら「体育会系学生の抜かりない就活」について徹底的に分析していきます!

体育会は就活で有利?

「体育会は就活が強い」というイメージを持つ方は多いでしょう。なぜ就活で有利と言われるのでしょうか。そして、本当に有利なのでしょうか。分析していきます。

部活のOB・OG

体育会の強みと言えば何といっても「部活のOB・OG」です。部活の後輩というだけで難なくOB・OG訪問をすることができるのは楽ですよね。さらに、その先輩から体育会出身の社員さんを紹介してもらえることが多いです。同じような境遇の社員さんに話を聞けるのは大きなメリットですね。

体育会枠の存在

企業の採用活動において「インターン枠」や「留学枠」など様々な枠がありますが、同じように「体育会枠」というものがあります。多様性が求められる時代なので、それぞれの枠の採用人数は決まっていることが多いです。つまり、体育会の競争相手は体育会ということです。実際に何人を体育会枠で採用するのかはOB・OG訪問で聞いてみましょう。

取り組みが評価されやすい

就活期に必ず聞かれることが「学生時代に頑張ったこと」です。体育会だと部活動の取り組みや実績が客観的で分かりやすいので、面接官に納得してもらえるでしょう。自分の経験をありのままに話すだけで良いので、準備に苦労することが少ないでしょう。ただ、相手に分かりやすく伝えることは忘れてはいけません。

体育会の就活スケジュールとは

部活動をやりながら就活をするのは大変ですよね。いったいどのタイミングで就活をしているのか、そもそも何から始めるのか、筆者の経験を交えながらご紹介していきます。

部活動と並行

体育会の人は、3年生の10月~1月など最終学年になったと同時に就活が始まることが多いです。そこから4年生の6月~7月まで就活を続けるとなれば、大会やリーグ戦などなかなか就活に時間を取れない時期もあるでしょう。基本的に部活動の合間を縫って就活をすることになるので、早め早めの準備が何よりです。

まずはOB・OG訪問

なんといっても最初にOB・OG訪問です。なるべく年次が近い先輩に、実際にそのような就活をしていたのか聞きましょう。選り好みせずなるべく多くの業界の話を聞いておけば、自分の志望業界が定まってくるでしょう。部活動によってはOB・OG訪問を先輩が取りまとめてくれることもあります。むやみやたらに説明会に行くのなら積極的にOB・OG訪問をしましょう!

エントリーシートは使い回し

体育会に限ったことではありませんが、エントリーシートを何回も書き直す時間はなかなか用意できません。そこで、「学生時代に頑張ったこと」や「挑戦した経験」など、よく聞かれる質問に関してはテンプレを作ってしまいましょう。ポイントとしては、各回答を1000字程度にまとめておいて字数制限に合わせて削っていくのがいいでしょう。これでエントリーシートに割く時間が省けます。

優遇されやすい

「体育会は忙しい」というのは企業も分かっています。そのため、選考過程で優遇したり、早めに内定を出すことが多いです。
筆者の部活では、総合商社の最終面接を5月に行い6月1日に正式に内定通知という選考フローがありました。ただその枠は毎年2人と決まっていたので、大学の部活動ごとにそれぞれの選考フローがあるのでしょう。これも先輩に聞いてみることをおすすめします。

何をアピールするか

では体育会として、エントリーシートに何を書けばいいのか、面接で何をアピールすればいいのか、具体的に分析していきます。

責任感

目標を持って部活動に取り組むうえで「最後までやりきる」ことは大事ですよね。何事にも責任感を持って最後までやりきるマインドは間違いなく評価されます。目標に向かってやりきった経験を積極的にアピールしましょう。

課題解決能力

目標を目指すうえで、まず現状と理想の間にあるギャップを考えますよね。そのギャップを埋めるためにどのような課題があるのか、そしてどのようにその課題を解決するのか、体育会の人は日々考えていることでしょう。この考え方は会社で働くうえでも同じです。目標を達成するためにどのような取り組みをしたのか、そしてその結果を踏まえてどのような修正をしたのか、そのような経験をアピールしましょう。

マネジメント

チーム運営をする機会が多い体育会は、チームマネジメントした経験も良いアピールになります。チーム運営した経験をアピールすれば、将来的に企業も引っ張っていける人材だと評価してもらえます。どのようなコミュニケーションを通じてチームを同じ方向に向けたのかも併せて話せるようにしておきましょう。体育会が就活で有利と言われるのは、どこの企業もマネジメント人材を求めているからと言えるでしょう。

チームワーク

集団競技を行っている人はチームワークをアピールすることをおすすめします。会社で働くうえでも周りの人と協力して目標を達成する能力は求められるので、周囲の人を巻き込んだ経験を積極的にアピールしましょう。

体育会が気を付けるべきポイント

体育会という肩書だけで就活は上手くいきません。上手く話せたと思っていても企業からすれば低評価だったということもあります。そんな体育会が気を付けるべきポイントを4つご紹介します。

何より早めの対策

いざ就活が始まってみると、部活動が忙しくてなかなか時間がないなんてことも…やはり「早めの準備」がものを言います。当たり前のことですが、時間がなくなる前にできることはやっておきましょう。

取り組みの言語化

面接対策などに避ける時間が少なく、伝えたいことを上手く相手に伝えられない体育会の学生は多いです。体育会の経験が全くない人にも自分の取り組みを分かってもらえるように、必ず客観的な言語化をしましょう。筆者は、非体育会の友人に話して練習していました。

結果よりもプロセス

体育会の人がよくやりがちなことが「結果」のみをアピールしてしまうことです。大会で優勝したり、リーグ昇格を果たしたなど実績があることは良いのですが、それだけになってしまうと「それがどうしたの?」と思われてしまいます。その結果に至るまでのプロセスでどのような工夫をしたのか、なぜそれを行ったのか、その結果何を学んだのか、など結果よりも大事なことはたくさんあります。企業は人間性を見ています。「実績自慢」で終わらないように注意しましょう。

部活動以外の取り組みも用意

体育会というだけでは周囲と体育会学生と差別化できません。そこで、企業は「部活動以外の取り組み」について聞くことで、学生を見極めようとします。学業にも力を入れていればいいのですが、そうではない体育会の人も多いでしょう。そんな人は「ゼミ活動」「アルバイト」「趣味」などについても話せるように準備しておきましょう。『他の体育会とは違ってこういうことにも注力していました』と言えればガラリと印象が変わります。

体育会の就活失敗例

では、国立体育会の筆者の実体験をもとに、体育会がやりがちな就活失敗例をご紹介します。

勝手にハードルが上がっている?!

面接官は担当する学生のエントリーシートを事前に見ることが多いです。筆者はとある面接で「体育会って聞いていたからもっと元気な子だと思っていた」「さすがに部活動以外にも頑張ったことあるでしょ」などと言われた経験があります。部活動に関することばかり聞かれると思っていたのでこれには面食らいました。体育会のイメージは人によって様々ですが、期待される場面が多いのも事実です。勝手にハードルが上がっているなんてことはよくあるので、覚悟して臨みましょう。

精神論に頼りすぎてしまう

「アツい気持ち」を持っている体育会の学生は多いでしょう。自分の取り組みに関して話すときもアツく語った方が相手に伝わりやすいです。ただ、精神論ばかりだと「この学生はアツさを実際に活かしてくれるのかな」と疑問に思われることもしばしばです。筆者も「最後までやりきるマインドは誰にも負けません」などと語ったことがありますが、「その気持ちは弊社の働き方で行動に移せるのか」と聞き返された経験があります。主観的な精神論だけでなく、客観的に理解してもらえるような伝え方を意識しましょう。

がっつきすぎてしまう

体育会の学生はコミュニケーションが得意な傾向にあります。その分、面接でがっつぎすぎてしまうことが多いです。筆者の例だと「最後に何かありますか?」という質問に対して「私が御社に入社したら、私は楽しく働くことができます!そうすれば、周囲の社員さんも楽しく働くことができると思います!よろしくお願いします!!!」とアツく語ってしまった経験があります。あまりその面接の感触がよくなかったので焦ってそのようなことを言ってしまったのですが、余計に面接官の心証を悪くしてしまったようで後日しっかりお祈りメールが届きました。何でもかんでもアピールしておけばいいわけではないということですね。

体育会の就活を乗り切るために

体育会の学生は確かに就活で評価される傾向にあります。ただ、体育会というだけで採用してもらえる時代ではありません。しかも、体育会として評価される人はたくさんいるなか、自分を採用してもらえるように自己PRをしないと内定は難しいです。自分の競争相手をしっかりと理解したうえで体育会としての強みを余すことなくアピールして、志望企業から内定を貰いましょう!