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就活 倍率
就活 倍率

ニュースで度々耳にする「有効求人倍率」。近年、日本が売り手市場と呼ばれている原因はこの有効求人倍率が関係しています。結論から言うとこの数字は大手企業を志望する皆さんにはあまり関係ありません。そのほかにも難関企業の倍率や面接の倍率など、就活生はこの「倍率」という言葉に何度か出くわすことがあります。今回は就活にまつわる倍率についての意味をご紹介します。

なぜ有効求人倍率が大手志望にとって無関係なのか

まず有効求人倍率を理解しよう

そもそも有効求人倍率とは、仕事を求める「求職者数」を労働力を求める「求人者数」で割った値です。ここ数年、その数字は1.5倍以上を記録しています。つまり簡単にいえば仕事を求める人よりも、労働力を求める企業の方が多いということになります。そのため現在のような労働力を売る側が有利な状況を、売り手市場と呼んでいます。

ポイントは求職者数に新規学卒者が含まれていないこと

タイトルの通り、実はこの求職者数に新規学卒者は含まれていないのです。新規学卒者とは、学校を卒業した年の6月末までの期間の方を対象としています。つまり3月に大学を卒業して、4月に入社する方はその求職者数に含まれません。有効求人倍率ではハローワークを通じた数を扱っています。
つまり有効求人倍率が高いということは、景気の状況を表しているので多少新卒の就活にも影響しますが、そのまま鵜呑みにはできないということになります。

売り手市場は大手志望にとって不利になり得る理由

景気が良いこともあり、昨今は大企業でも就職氷河期と呼ばれた頃よりも倍率が低いことは確かです。ですがニュースで売り手市場という言葉を聞いて、逆に人気企業ばかりを強気に受ける学生が多くなります。今は「安定志向」の若者が多いとされており、それも相まってますます人気のある大手企業への応募が増えています。

就活で見かける入社難易度(倍率)の真偽

入社難易度(倍率)の定義

インターネットで企業別の難易度や倍率を知ることができますが、これは「応募者」を「内定者」で割った値です。超人気企業レベルになると、倍率が500倍以上ということも珍しくありません。

倍率が高くなる企業の特徴

就活で特に競争が激しい業界は「食品メーカー」「マスメディア」「化学メーカー」の3つです。こういった業界の人気企業になると平均倍率も300倍以上になります。
高倍率になる企業の特徴として、知名度や消費者にとって身近な存在であること、安定性があることが挙げられます。エントリーの段階で自分が知っている、かつ安定した大手企業ということで応募が殺到することが原因の一つです。

企業の倍率もあてにならない理由

企業の倍率はあくまですべての応募者とすべての内定者の割合であり、どの学生がどの職種で採用されたかを示す倍率を知ることは困難です。例えばメーカー企業は技術開発を重視するため、文系よりも技術的知識を持つ理系を多く採用します。大手企業であれば理系の採用枠は文系の5~8倍であることが多く、公表されている数字よりも文系の採用倍率は非常に高くなってしまいます。さらに複数の職種別で採用を行う企業であれば、その職種本来の倍率も大きく変わってきます。
インターネットで倍率を調べたらそこまで高くなかったとしても、自分が受けた職種はそれ以上の高倍率である可能性もあるため注意してください。

選考における倍率

一次選考の倍率が最も高くなりやすい

人気企業であれば、採用数の数百倍以上の学生と実際に会って面接をおこなうのは非常に困難です。そこで一次の書類選考やWEBテストでかなり多くの学生を絞ります。中にはエントリーシート段階の通過率が10%以下ということもあります。

最終面接は意思確認だけとは限らない

企業によっては最終面接に辿り着いたら内定も同然ということもありますが、一概には言えません。選考回数が少ない場合は最終面接でも倍率が2倍以上ということもあります。面接官は役員が担当することが多く、それまでの選考に比べ入社意欲を重視するため最後まで気を抜かないようにしてください。

倍率という言葉に左右されず、自分の軸を持つことが重要

目指す企業の倍率が高く、合格する自信がないからと言って不本意な企業を選んでしまうと、将来のキャリアプランにも大きく影響してしまう可能性があります。人気企業の内定を獲得するというよりも、自分がやりたいこと、できることは何なのかを意識して就職活動を進めることが大切です。