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OB訪問で何を聞けば良いのかわからない、という質問が毎年散見されます。答えは一つではありませんので、ご自身の目標が明確な方は自ずとOB訪問で聞くべき問いも見えてくるでしょう。ここではOB訪問を通じて業界研究を行う際のポイントをご紹介します。

他社との比較を聞かない

意外に多いのが、「他社と比べてどうですか?」という質問です。これは、業界研究的にみても良い回答はえられません。なぜなら、そのOBの方は他社で働いているわけではないことがほとんどなので、公平な比較になっていないからです。片方は、経験ベースで片方は伝聞ベースになってしまいます。こうなってくると、どんなにその人がより正しい情報を伝えようと努力されても、現実と乖離している可能性は高いです。業界研究の際には、その会社のことを聞いて深めるようにしましょう。

OBの方が経験してきた業務の話をとにかく深めよう

よく聞くのが、「この業務の話がきけなかった」という声ですが、総合商社に入ると高確率で自分が良く知らなかった世界に飛び込んでいくことになります。プレスリリースされているのはごく一部で、知らない仕事の方がほとんどです。
しかし、その一方で就活生として自分が知らないことに対して即興で質問するのは難しいと思います。そこでキラーとなる質問が、「その仕事で面白いと感じた部分はあるか」というものです。仕事の話自体について話が広がらなかったとしても、その人がどういった部分に面白みを感じているのか知ると、商社マンの視点がわかるので良いと思います。その業務から業界、世界がどのように見えているのか知ることができます。
しかし、「仕事におもしろみなんてない」という回答もあります。この場合は二パターン考えられます。一つは、その方がその企業に上手くマッチしていない可能性が一つです。もう一つは、仕事以外にもっと面白みを感じていることもあると思います。人生のうち、仕事が大部分の時間を占めているのは事実ですが、仕事以外に面白いと感じている趣味などがあれば、相対的に仕事が面白くないという人も当然います。そういうときは、「今日はこの方の人生観を聞こう」という形でシフトすると皆さんのためになる話が聞けると思います。

業界の専門知識を覚えておきましょう

OB訪問では業界研究というより、事例研究をためていく感覚でのぞむとあるとき全体像がみえてきます。一人の社員の方の業務領域は限られていますが、様々な方のお話を聞く中で、関連している部分や、他社であれば競争関係にある部分も出てきます。そうしたつながりがありそうな場合は積極的に聞いてみましょう。
これを繰り返すことで、すこしずつ業界の常識や知識などもたまってきます。ちなみに、知ったかぶりをしたいわけではないので、「この間OB訪問した際に、こういう部署のこういう話を聞いたのですが、~さんの業務と関連などあるのですか?」と聞いてみましょう。見当違いの質問をしても問題ありません。みなさんが、気になったことを深めていくことが目的です。

OB訪問は復習が命

よく、勉強などでは予習がかなり重要だという話を聞いたことがあると思います。しかし、OB訪問では復習がとにかく大切です。その日聞いたことは知らない世界の話であることがほとんどです。メモした内容などをすぐにカフェにうつって分かりやすい形に書き残しておきましょう。
予習が重要ではない理由は、その方が業務で取り組んでいる範囲を特定することは難しく、どんなにOB訪問を重ねていても、的確な質問を事前に用意することは難しいと考えられるからです。
復習をするときのポイントが一つあります。それは、社員の方が合う中で感じた感想も添えておきましょう。例えば、「良い話でダイナミックな話だと感じたけれども、自分の歩んできた人生とはかなり違うような気がして、憧れと同時に心理的な距離を感じた」というコメントです。そのとき自分が感じたことを端的に書いておきましょう。

業界研究に終わりはない

当たり前の話ですが、こちらは様々な部署の社員の方にお会いしているので、十人十色ですし、そのすべてがその「会社」です。会社は、ヒト・モノ・カネで構成されているわけですから。業界研究というのに終わりはありません。そのため、深めようと思えばいくらでも深められます。
では、どこで区切りをつけるのでしょうか。それは、他にやらなければならないこととのバランスをとるという目的からおのずとわかります。ここで総合商社を例にとれば、エントリーシートを書くころには、業界研究をある程度進めてある必要があります。なぜなら、業界研究が深まっていないと書けない設問に答えるためです。
そのため、他のこととバランスを取ってください。幸いなことに、OB訪問から業界研究をするのは最後の最後まで意味があります。面接直前であれば、業界についての鋭い逆質問を社員の方に投げかけるための練習に使えばよいですし、早い段階でのOB訪問ではとにかく幅広い話を聞くことを徹底すれば良いです。訪問する時期に応じて、「今どのような業界の理解を深めるべきなのか」というのを常に明確にしてのぞみましょう。