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就活 マスコミ
就活 マスコミ

マスコミ業界は採用数が少なく、受験する就活生の志望度も非常に高いことで知られています。就職難易度が高いと言われているマスコミ業界ですが、マスコミ業界と一言で言っても、さらに「放送」「新聞」「出版」「広告」の4つの業界に分けられます。この記事では、マスコミ業界の全体像を示すとともに、課される試験とその対策について解説します。

マスコミ業界とは

マスコミとは、マス・コミュニケーション(mass communication)を略したもので、「大衆伝達」を意味します。大衆伝達とは、各媒体を利用して不特定多数の人に対して大量の情報を発信することです。そんな各媒体を通して情報を発信する業界が「マスコミ業界」です。マスコミ業界の中には、テレビ・ラジオの「放送」、新聞を発行する「新聞」、本・雑誌の「出版」、各媒体を利用し宣伝を行う「広告」といった業界があります。

【放送】テレビ局・ラジオ局

放送業界に分類されるテレビ局やラジオ局は、テレビやラジオといった放送媒体を利用して情報を発信する役割を担います。特にテレビ局は華やかなイメージもあり、志望する就活生が非常に多いことでも知られています。
テレビ局は大きく5つに分類することができます。
・公共放送局の「NHK」
・民間放送キー局(例)「日本テレビ放送網」「TBSテレビ」「テレビ東京」など
・準キー局(例)「毎日放送」「朝日放送テレビ」「関西テレビ」など
・ローカル局:各都道府県を放送エリアとするテレビ局
・ケーブルテレビ(CATV)局
・BS・CS局:衛星による放送するテレビ局
ラジオ局は全国的に放送している社から、各地域に限定して放送する社まで存在します。
テレビ局やラジオ局が募集をする職種は主に3つに分けられます。それぞれの社によって多少呼び方が異なるものの、基本的には「アナウンサー職」「総合職」「技術職」です。「NHK」を除いて、どの職種も採用人数が少ない点が特徴です。

【新聞】新聞社・通信社

新聞を発行する新聞社は、取材活動を担う記者を各地に配置し、各記者が執筆した記事を載せた新聞を通して情報を発信する役割を担います。新聞社が発行する新聞は、大きく以下の5つに分類することができます。
・全国紙(例)「読売新聞」「朝日新聞」「日本経済新聞」など
・ブロック紙(例)「中日新聞」「西日本新聞」「河北新報」など
・地方紙(例)「神奈川新聞」「琉球新報」「静岡新聞」など
・業界紙(例)「日本農業新聞」「日本食糧新聞」「日刊工業新聞」
・スポーツ紙(例)「日刊スポーツ」「スポーツニッポン」「スポーツ報知」など
通信社も新聞社と同じく、記者を配置し取材活動を行いますが、自社の媒体を持ちません。契約する各メディアや企業、団体などに記事を配信する役割を担います。日本には「共同通信」と「時事通信」という二大通信社が存在します。
新聞社も通信社も募集する職種で大半を占めるのは「記者職」です。取材活動を行い、記事を執筆するのが記者の仕事です。新聞社や通信社で花形の職種でもあり、就職難易度が高いことで知られています。新聞社には記者職の他に、新聞販売の促進を担う職種や、新聞の広告枠を企業などに売る職種などの、新聞社の経営基盤を支える職種(「ビジネス職」「業務職」など)や「技術職」もあります。

【出版】出版社

出版社には名前が広く知られている大手の企業から、認知度の低い中小企業まで幅広く存在します。その中でも大手3社と言われる「講談社」「集英社」「小学館」は採用数が少ないうえに志望者も多く、就職難易度ランキングなどで10位以内に入ることも珍しくありません。
基本的に「総合職」で一括採用されて、適性に応じて営業や編集、校閲といった業務を担うことになります。

【広告】広告代理店

広告代理店は、商品やイベントなどを広く世間に知らせる「広告」を企画、制作したり、広告に使う媒体の枠(テレビCM、新聞広告など)を買い付けたりする役割を担います。
私達の生活にも密接に結び付く広告に関わる仕事ということもあり、志望者が非常に多いことでも知られています。特に大手二社の「電通」や「博報堂」に就職するのは非常に狭き門です。
募集する職種は営業などを担う「総合職」と、デザインを担当する「アート職」などが主なものとして挙げられますが、大部分を占めるのは「総合職」です。

マスコミの就活で課される試験と対策

マスコミ業界は選考の過程において、他の業界では課されないような試験が課されることでも知られています。したがって、マスコミ業界を志望する人は、特別な選考対策が必要となると言えます。

テレビ局の就活と対策

テレビ局の選考の特徴はとにかく面接の回数が多いことです。企業によっては10回近く面接を課すこともあり、その過程で非常に多くの学生がふるいにかけられます。さらに、筆記試験を課すところも多く、特別な対策が必要です。また、最近では自己PR動画を送信することを求める企業もあります。
筆記試験では時事問題から芸能に関するものまでさまざまな問題が出題されます。したがって、普段からテレビを見て、アンテナを張ることはもちろん、新聞を読む習慣を付けられると、時事問題にも対応することができるでしょう。
テレビ局、特にキー局は選考時期が早いことで知られています。したがって、早めから対策を始めないと内定を勝ち取ることは難しいでしょう。

新聞社と通信社で課される試験と対策

新聞社や通信社ではエントリーシート通過者に対して筆記試験と作文試験が課されます。特に筆記試験の難易度は非常に高く、ここで7~9割の受験者が落とされると言われており、新聞社や通信社が難関企業と言われる理由でもあります。筆記試験は時事問題や漢字問題が中心を占めますが、企業によっては英語の試験を課すところもあります。
また、作文試験は記者に求められる文章力を測る試験で、対策は必須です。他にも、取材実技を選考で課す企業もあります。実際に取材を行い、記事を執筆するというような内容です。
筆記試験の対策としては、新聞を読むことが一番であると言えます。最新のニュースに触れることができ、普段から新聞を読み込んでおけば、筆記試験を通過できるほどの知識量は身につくでしょう。特に、受験する企業の新聞は必ず読んでおくことが望まれます。
筆記試験の対策の材料となるのはもちろん、面接においても他の新聞との違いを聞かれることも多くあるためです。漢字問題は、新聞では使われないような難しい漢字の読み取りや書き取りが課されることも珍しくありません。難易度は非常に高いので、全問正解する必要はありません。しかし、漢検準1級レベルの参考書を使用して対策できます。
また、作文試験においては、実際に書いて添削をお願いすることが一番の対策です。特にOB訪問などで現役の記者の方に添削してもらうのがおすすめです。さらに、作文試験では起承転結を意識して書くことが基本とされており、各紙の朝刊一面に載るコラム(朝日新聞の「天声人語」、読売新聞の「編集手帳」など)は各紙の敏腕記者によって起承転結で書かれた文章であり、良い教材であると言えます。
新聞社や通信社の記者職を目指すのであれば、難関である筆記試験や作文試験の対策を早くからすることが、内定への近道であると言えるでしょう。

出版社で課される試験と対策

出版社では新聞社と同じように筆記試験と作文試験が課されます。時事問題と漢字問題が中心となるため、新聞社と同じような対策をすることが求められます。作文試験も実際に何度も書いて添削してもらうことが実力を身につけるための一番の対策でしょう。OB訪問で出版社の社員の方に見てもらうと、有益なアドバイスをもらえるはずです。
また、出版社は面接の回数が多いことでも知られています。その過程で多くの学生が落とされます。各社の色を掴むためにも、受験する企業が出版する本をできるだけ多く読むことも対策として求められます。

広告代理店で課される試験と対策

広告代理店は他のマスコミとは異なり、筆記試験や作文の比重は高くありません。それよりも、面接で聞かれる志望動機をより説得力のあるものにしたり、好きな広告とその理由を考えたり、どのような広告を企画したいかなどを考える必要があります。倍率の高い広告代理店だからこそ、それらの点での差別化は非常に重要です。
普段から今までは目にも留めなかった身の周りの広告を意識的に見て、その広告のターゲット層や企画の背景を考えたり、どこの広告代理店が企画したものなのか調べたりするなどの習慣を身に付けることが役立ちます。

マスコミ業界の選考対策まとめ

マスコミ業界には、「放送」「新聞」「出版」「広告」の4つの業界が含まれています。それぞれ、選考には特徴があり、志望する業界によってすべき対策は異なってきます。ただ、大衆に対して情報を発信する役割を担うマスコミだからこそ、常にアンテナを張っておくことが求められます。それが筆記試験の対策や、面接での他の就活生との差別化につながる要因となりえます。志望する業界で課される選考を知り、早めの対策をすることがマスコミ業界の内定を勝ち取る一番の近道でしょう。