企業のスローガンをご紹介します。企業研究の一環として、企業スローガンを目にする就活生も多いと思います。そのスローガンを業界別に分けることを通じて、普段とは違った角度から企業や業界全体への理解を深めましょう。
Summary
企業のスローガンの概要
スローガンを掲げる目的
企業は、自社のことを様々な人に広く知ってもらうためにスローガンを掲げています。スローガンを通じて企業自体や各ブランドのイメージアップ、顧客の拡大を行っています。
例えば、企業のスローガンにキャッチーなものを採用することで、話題になって売り上げを伸ばす企業も存在します。スローガンは、広告戦略の一つとして重要なものです。
スローガンは、対外的に広告するだけでなく、企業内にも広告を行っています。これからの事業戦略や社内風土などをスローガンとして公表することで、社員の意識を高める役割です。就活生にとっても、企業のことを知るうえでスローガンも一つの基準となるでしょう。
業界別のスローガン
メーカー業界
【自動車】
・TOYOTA「Start Your Impossible」
Startには、始めるのほかに着手するや歩みだすといった意味があります。このスローガンのYourは、顧客を指しています。impossibleは、今までのモビリティでできなかったことです。TOYOTAは、今までの狭義のモビリティを脱却してモビリティソリューション全体の可能性を考え、すべての人に移動の自由を提供することの実現を目指すという思いをこのスローガンに込めています。
・HONDA「The Power Of Dreams」
HONDAは夢の力を信じ、夢がくれる力を通して、お客様、そして社会と喜びを分かち合っていくという思いを込めています。新卒採用でも、説明会などで社員の人のそれぞれの夢が紹介されます。面接時にもHONDAで何を実現したいかが聞かれる印象があり、全社的にこのスローガンが浸透している印象があります。
・NISSAN 「ぶっちぎれ 技術の日産」
自動運転や電気自動車などの技術をもとに、安全かつ持続可能な社会の実現を目指すという思いを込めています。ぶっちぎれには、さらにぬきんでた存在へやもっと人生を面白くする会社へという意味が込められています。日産は、前回のスローガンの「やっちゃえ NISSAN」からみてもキャッチーなスローガンをつける傾向があります。
【食品、飲料】
・明治「明日をもっとおいしく」
・味の素「Eat Well, Live Well」
・カゴメ「自然を、おいしく、楽しく。」
・ロッテ「お口の恋人」
・アサヒグループホールディングス「その感動を、わかちあう」
・KIRIN「Quality with Surprise」
・Suntory「水と生きる」
BtoC企業だからこそ、商品の品質に触れているスローガンが多いです。CMでスローガンが流れることが多いのでキャッチーなものなど消費者に印象に残りやすいものが多くみられます。国内でシェアを得ている企業が多く、日本語のスローガンが多い傾向です。
【電子機器、家電】
・日立「Inspire the Next」
・富士通「shaping tomorrow with you」
・三菱電機「Changes for the Better」
・村田製作所「innovator in electronics」
・Panasonic「A Better Life, A Better World」
【化学、繊維、素材】
・Asahi KASEI「昨日まで世界になかったものを。」
・TORAY「innovation by chemistry」
・住友化学「豊かな明日を支える 創造的ハイブリットケミストリー」
【精密機器メーカー】
・Olympus「Your Vision, Our Future」
・Canon「make it possible with canon」
・Fujifilm「value from innovation」
【電子機器、家電】【化学、繊維、素材】【精密機器】それぞれのメーカーのスローガンは、グローバルに取引している企業が多いことから英語のものが多い傾向です。内容は、現状を変革してよりよい社会を築くといったものが共通しています。BtoB企業が多いことから、お客様とともに社会をイノベーションしていくといったスローガンもみられます。
金融業界
【銀行】
・三菱UFJフィナンシャルグループ「Quality for you 確かなクオリティを明日へ。世界へ。」質の高いサービスを通して、企業の事業や人々の生活の質を向上させることをサポートするという思いが込められています。youには、顧客や企業だけでなく地域や社会も含まれていて、地域や社会の発展に貢献していくこともスローガンとして発信しています。
・三井住友フィナンシャルグループ「Lead the Value」
お客様に期待以上の価値を提供し、お客様の価値向上をリードし続ける存在であり続けるという思いが込められています。
・みずほフィナンシャルグループ「One Mizuho 未来へ。お客様とともに」
One Mizuhoとは、みずほフィナンシャルグループの戦略の名前であり、グループ全体を一つにして連動をより強め、お客様にとって価値あるサービスを提供しようというものです。お客様とともには、社外へのアピールだけでなく、社員の顧客意識を高める狙いもあります。
【損害保険】
・東京海上ホールディングス「To Be a Good Company」
・MS＆ADホールディングス「立ち止まらない保険。」
保険業界における果敢なチャレンジャーであり続けたいという意味がこめられています。具体的には、企業変革や新たな保険の開発、世界への挑戦を掲げています。
・SOMPOホールディングス「保険の先へ、挑む」
既存の保険の概念を超えて、新たな保険の開発や真のサービス産業に向けて幅広い事業領域にチャレンジしていくという意味がこめられている。
商社業界
・三井物産「360° business innovation」
世界の未来を世界と作る。世界中の情報を、発想を、技術を、資源を、国をつなぎ、あらゆるビジネスを革新するという思いが込められています。
・伊藤忠商事「ひとりの商人、無数の使命」
自由闊達な精神、困難に向かい挑み続ける野武士集団としての姿、類まれな個の力による組織力、いかなる環境にも適応し、危機を乗り越えていく現場主義の底力、そして、ミッションへの明確な自覚をもち、顧客のニーズに応えるために、多様な事業を最後までやり抜くプロ意識をもつという思いが込められています。
不動産業界
・三井不動産「都市に豊かさと潤いを」
・三菱地所「人を、思う力。街を、思う力」
・住友不動産「信用と創造」
・野村不動産「あしたを、つなぐ」
・東京建物「信頼を未来へ」
・東急グループ「美しい時代へ」
不動産業界のスローガンのキーワードは、街と未来です。街づくりを通じて未来を創造する、長期的で規模の大きいビジネスである街づくりだからこそ未来を創造できるからこそのキーワードです。
インフラ業界
・JR東日本「Ticket to Tomorrow」
・東京メトロ「東京を走らせる力」
・西武グループ「出かける人を、ほほえむ人へ。」
・京王電鉄「あなたと あたらしい あしたへ」
・日本郵政グループ「そばにいるから、できることがある。」
インフラ業界のスローガンのキーワードは、お客様との接点の近さです。
通信
・NTTドコモ「いつか、あたりまえになることを。」
すべてのお客様が快適、安全に生活できるように、これからも更なるイノベーションに挑んでいくという思いが込められています。例えば、５Gの取り組みなどが挙げられるでしょう。今までも社会のあたりまえを創造してきたNTTドコモだからこそ掲げられるスローガンといえます。
・KDDI「Designing The Future」
期待を超えるチャレンジを続けることにより、豊かな未来をデザインする存在を目指すという思いが込められています。多角的にサービスを人々の生活に提供し、人々の生活、未来をデザインすることを目指すKDDIにとっては、事業の指針といえるようなスローガンです。
・ソフトバンク「努力って、楽しい。/ Smart & Fun!」
お客様のためなら努力をいとわない。その努力を苦しいものではなく、努力自体を楽しく行えることを企業としてスローガンにしています。Smart & Fun!は、社内スローガンとして掲げられ、働き方をITを駆使して効率的にしようと全社的に意識付けがされています。ソフトバンクのスローガンは、社外よりは社内に向けられたものであることが特徴といえます。
企業のスローガンのまとめ
企業のスローガンは、企業の大事にしている指針や目指している姿など企業が一番伝えたい内容が端的に表されているので、企業研究をする上で、一つの基準としてみてみるとよいでしょう。企業のスローガンは、業界や顧客の種類、業務内容によって異なるので、ぜひ自身が志望する業界や企業のスローガンを調べてみてください。