クラウド型建設プロジェクト管理サービス「ANDPAD」を提供する株式会社アンドパッド。2012年の創業以降、破竹の勢いで成長を続け、現在の利用社数は18万社、ユーザー数は47万人を超え、国内シェアNo.1(*1)のサービスとなっています。
*1『建設業マネジメントクラウドサービス市場の動向とベンダシェア(ミックITリポート2023年10月号)』(デロイト トーマツ ミック経済研究所調べ)
そんなアンドパッド社のメンバーには、名だたる大手企業やコンサルティング会社の出身者も少なくありません。急成長期のベンチャー企業に、なぜそのような人々が集まるのか?実際に大手企業を経てアンドパッドにやってきた櫻山さん、榮川さんのお話を、上級執行役員の金子さんに深掘りしていただきました。
プロフィール
櫻山 雄大
新規事業本部 本部長(2021年・中途入社)
2015年に早稲田大学商学部を卒業後、新卒で東京海上日動株式会社に入社し、大手企業向け法人営業に携わる。その後アクセンチュア株式会社に転職し、金融・小売・通信業界などにおける新規事業・事業戦略立案・全社改革等を支援。2021年8月より株式会社アンドパッドに入社。現在は新規事業の本部長として、産業課題の解決に向けて事業立ち上げに従事している。
榮川 航
製造エンタープライズ 事業部長(2021年・中途入社)
2018年に東京大学理学部を卒業後、新卒で日本マイクロソフト株式会社(以下、マイクロソフト)に入社。コンサルティングサービスの営業担当として、大手企業向けにシステム導入・DX推進の支援を行う。2021年4月より株式会社アンドパッドに入社。経営戦略室アライアンス推進部を経て、現在はエンタープライズ部門にて製造業領域の事業部長を担う。
金子 洋一郎
上級執行役員 社長室長兼コーポレート本部長(2019年・中途入社)
大学卒業後、2008年よりデロイトトーマツにて、IPO支援、コンサルティング業務、財務アドバイザリー業務、会計監査業務などに従事。2012年から兼務で、スタートアップ経営支援の事業・拠点立ち上げを経験。その後、AgTechスタートアップにて経営企画・ファイナンス・コーポレート業務などを担う。2019年5月よりオクト(現アンドパッド)にジョイン。主に、経営企画、人事・コーポレート領域の組織・業務の立ち上げ、全社横断プロジェクトなどを担う。
「事業を起こせる人に」大目標と仮説を持って大手企業へ
金子:お2人は、ファーストキャリアをどんな風に選びましたか?
櫻山:僕は新卒で金融機関に入社しました。就活ではメガベンチャーやコンサルティング会社とも迷っていたのですが、コンサルティング会社の最終選考であるインターンシップに取り組んだ際に「大手企業の方々が何を大事にお仕事されているのか、その生々しい感覚・感性をもっと知りたい」と思ったんです。だから、まずは日系大手企業の文化が色濃い金融機関で働いてみることにしました。
榮川:僕は大学院に行く選択肢もあったのですが、大学生活の中で、1つのことを黙々と突き詰めるよりも、人と話したり新しいことに挑戦したりする方が楽しいと感じて、学部卒業後は就職しようと考えました。
父が起業していたこともあり、僕自身も事業を起こす力をつけたいと考えていましたが、ビジネスの基本である「顧客に価値を提供してお金をもらう」という場面が、当時の僕にはイメージできなかったんです。だから最前線で顧客に接しようと、職種を営業職にしました。あとは、今後加速度的に伸びていくであろう業界ということでIT系の企業に絞りましたね。
IT系の中でもインフラや自社プロダクトなどで幅広く価値提供ができ、風土としては年功序列でなく実績を評価される企業‥。このように絞り込んだ結果、最終的には大手の外資系IT企業に内定をもらって就活を終えました。
金子:榮川さんも1社目は大手企業だったと思いますが、どんな意図がありましたか?
榮川:深い意図はありませんが、大手企業の方がその後のキャリアの幅が広がりそうとは考えていました。そうは言っても、大手企業は大手企業で個々人のロールが狭く定義されるので、可能性が広がるとは限らないのかなと今では思います。僕自身、大手企業にいた間は営業に集中していたので、視野もどんどんと思考が営業に偏っていった感覚があります。今の仕事にもつながったので後悔はしていませんが、ロールとしては幅広く経験できた方が、視野を広げるという意味では良かったのかなと思いますね。
金子:現在につながる経験はできつつ、「大きな組織なら視野が広がる」という仮説に対しては違う結論に行き着いたんですね。確かにそれはありそうです。
思えば私のファーストキャリアも大組織で、最初の希望配属先は地方拠点を選びました。地方拠点はサービスラインを分けるほど組織が大きくないため、広範囲をカバーせざるを得ない、裏を返すと幅広いロールや業務を経験でき、視野を広げるきっかけになっていたなと思っています。
自分の可能性を広げたいと思うのであれば、地方拠点もそうですが、あえて組織の規模を落としてみたり、まさにこれからグロースする組織に身を置いてみたり、そうやって裁量を手にしやすい環境を選ぶのも一つの手かもしれません。
関わるのか、営むのか?「変数」を伴う事業運営の難しさ
金子:櫻山さんは2社目でコンサルティング会社に転職していますね。就活生の中にもコンサルティング会社を見ている方は多いですが、櫻山さんから見てコンサルタントとして事業に関わる魅力とは何だと思いますか?
櫻山:僕が今新規事業のオーナーになって思うのは、自分の性格もあると思いますが、やはり外からの客観的視点を取り入れたくなるんですよね。クライアントの企業価値最大化に向けて、客観的かつフラットな視点で提言・意見ができるというのは、やはりコンサルタントという仕事の大きな魅力ではないかなと思っています。
あとはときどき「コンサルタントは立案・提言したら終わり」といった声を耳にすることもありますが、その意見には共感できません。クライアントもそのようなスタンスのコンサルタントを信用しないでしょうし、これほど変化が激しい時代に「企画・提言、絵を描くだけでOK」と考えているコンサルタントも少ないのではないでしょうか。マインド・スタンスとして、当事者意識を持ってやりきるコンサルタントだっているということはきちんと伝えておきたいです。
ただ、立場上どうしても事業に対して最終責任を負えないというのはあるかもしれません。違いとしては結局、この一点に集約されるんじゃないかと思います。