ページ上部バナー

就活において将来を考えるうえで、海外での勤務を視野に入れている方も、多いでしょう。今回は駐在員として海外での勤務経験を持つ、三井物産の和田さん、日産自動車の志波さん、国際協力機構の角田さんをお招きし、生活や給与など海外赴任の実情をお話しいただきました。海外勤務に興味をお持ちの方は、ぜひ参考にしてください。

駐在に行くまでの準備期間

海外で駐在員として働くといっても、赴任先を告げられて急に働くことはできません。どのようにして駐在員として働くことが決まり、準備を積んできたのか教えてもらいました。

シンガポールで働く三井物産・和田さん

三井物産では大体5年に一度の割合でジョブローテションがあり、和田さんの場合は国内の不動産から東南アジアの不動産に変わるタイミングでシンガポールへ行かないかと声をかけられたそうです。シンガポールの場合は特に特殊言語もありませんから、それほど準備をすることなく、声をかけられてから2ヶ月後には駐在員として働くことになったといいます。

インドで働く日産自動車・志波さん

志波さんの場合は準備期間が4ヶ月ほどあり、事前にインドでは購入できないものなどを調べて必要なものは日本で購入して準備を整えていました。インドにまつわる事前の研修が少しあったものの、英語も通じる国ということもあり、基本的には「そのまま行って来い」という形で送り出されたそうです。

ラオスで働く国際協力機構・角田さん

国際協力機構では、入社から5年目で駐在員として働くことが決まっているそうです。角田さんの場合は、赴任の4ヶ月ほど前にラオスに行くことを告げられました。以前に研修でラオスへ行ったことがあったため、ラオスでの生活はイメージでき、準備に戸惑うことはなかったといいます。

駐在先での生活

準備を整えいよいよ駐在員として働くことになったお三方ですが、海外での生活は日本と異なる面も多かったようです。赴任先での生活について教えてもらいました。

リビングコストが高く一苦労

和田さんの赴任したシンガポールは、たとえ給与を全部使っても自分の稼ぎだけで賄うのは無理なほどリビングコストが高いそうです。お金を出してしまえば生活に困ることはないものの、出費し続けるわけにもいかず、栄養面などにも気を使いながら、いかに普通の生活をしていくかということに苦心されたそうです。

二度とできない好環境での生活

インドは物価が安いこともあり、志波さんは日本で住んでいた家と比較すると、3〜4倍も大きい大豪邸に住んでいるそうです。自腹でメイドも雇っている他、会社から紹介してもらったドライバーもおり、二度とできない生活を送っていると話してくれました。

環境の違いに戸惑うことも

角田さんにも会社所属のドライバーがついており、車とセットで前任者から引き継いで生活を送っていたといい、「もうあんなに大きい家には住めないかな」と振り返るほど大きい家に住んでいたそうです。ただ、ラオスは人が少なく都市部でも本当に静かで、はじめはギャップに戸惑うこともあったようです。

気になる給与事情

住環境一つとっても日本と大きく環境が異なる海外での勤務で、給与にも大きな違いはあるのでしょうか。気になる給与事情についても、包み隠さずお話しいただきました。

給与には恵まれている

和田さんの場合は8割程度が現地通貨、2割程度を円通貨でもらっていました。日本にいる時よりも給与は高く、家賃も会社負担のため、手当としては恵まれていると感じていたそうです。給与に恵まれている分「しっかり仕事を作らないと」と身の引き締まる思いもあったと和田さんは話します。

物価が安く現地通貨はそれほど必要ない

志波さんも日本にいる時よりは高い給与をもらっていたそうです。インドは物価が非常に安く、現地通貨はそれほどなくても生活には困らなかったため、現地通貨3割・円通貨7割ほどの割合で給与を受け取っていたそうです。

日本にいる時よりも多く給与はもらっていた

角田さんもお二方と同様に、日本にいる時よりは多く給与をもらっていたそうです。給与はドルで支払われ、自身で現地通貨に変えていたといいます。

帰国してからの変化

日本と異なる環境で働いてみて、自身の中で何か変化はあったのでしょうか。駐在員として働く中で得た学びについて教えてもらいました。

マクロな視点で物事を見られるようになった

和田さんは現地では20人程度の小さなグループで働いていて、三井物産という大きな企業よりは小さなロット間の中で全体を見られるようになったそうです。現在は人事として働いていますが、「会社を強くする」という一歩引いたマクロな視点を考えられるようになったのは、海外駐在での経験が大きかったと振り返ります。

新たな視点で物事を見れる

志波さんは他の企業との共同会社に赴任しており、非常に多種多様な人種がいる中で働いているそうです。異なる文化の中で生まれ育った人が集まっているため、考え方も当然バラバラで、日本人同士で働いている時と同じようには仕事が進められません。日本とは異なる環境の中で自分の中の枠組みを取っ払って新しい視点を持てるという意味では、海外赴任は有意義な場所だと志波さん感じているそうです。

物事をはっきりイメージできるようになった

角田さんは現地での勤務を通して、より物事をしっかりとイメージできるようになったそうです。現地に行くまでは文字でしか情報を得ることができなかったことも、実際に自分の目で見ることで課題がはっきりとイメージできるようになり、赴任する前には想像できなかった解決策や考え方が自然とでるようになったそうです。

キャリアを歩むうえで海外赴任は大きな経験になる

海外赴任では、仕事の面だけではなく私生活も含め、日本ではできないような体験ができます。異なる環境の中での生活は大変なこともありますが、海外赴任をしないと学べないことも多くスキルの幅も広がり、キャリアを重ねていく中で大切な経験となるでしょう。

YouTubeで動画も公開中

駐在員として働いていた経験を持つ三井物産の和田さん・日産自動車の志波さん・国際協力機構の角田さんをお招きし、海外赴任についてお話しいただいた模様はYouTubeでも公開中です。記事には載せきれなかった貴重な話もまだまだたくさんあるので、ぜひYouTubeもチェックしてみてください。

【海外勤務リアル!】日産×三井物産×JICAの駐在員の業務と生活をぶっちゃけました!