コンサルティング業界を志望している就活生で、アビームコンサルティング(以下アビーム)を知らない人はいないでしょう。今回はアビームの秋山さんにお越しいただき、選考対策講座「ロジカルシンキング編」と題してロジカルシンキングのイロハを教えていただきました。コンサル業界を志望している方もそうでない方も必見です。
Summary
ロジカルシンキングとは?
実はコンサル業界において、能力開発や選考で何を見ているかを明かすことはなかなかありません。今回特別にお話を聞けたのは、「選考を受けにくる学生たちにしっかりと準備をして来てもらい、自分達としてもそれに向き合いたい」という思いがあったからだそうです。今回は、コンサルを受ける上で必須なロジカルシンキングを鍛える“キモ”を教えていただきます。
そもそもロジカルシンキングとは何なのでしょうか。今回お話を伺ったアビームでは「納得性と一貫性のある結論を導き出すためのツールおよび思考の型」と教わるそうです。ロジカルシンキングはコンサル業界を志望される方はもちろん、ホワイトワーカーであれば全てのビジネスにおいて強力な武器になる能力です。「地頭がいい人が持っている能力」と思われがちですが、訓練をすれば誰でもその能力は伸ばすことができます。
選考で見ているポイント
ロジカルシンキングとはどのようなものなのか、より具体的には「ロジックツリーのような思考ツールを正しく、構造的に、網羅的に活用し結論を導き出すことおよびそのプロセス」といえます。選考においても、そのプロセスを経て納得性のある結論が出せているかを見ているそうです。「思いつきで何か案をひとつあげてみた」ではなく、課題を広く網羅的に捉えた上でもっとも適切な解答を選択し、逆にそれ以外の解答が適切でない理由も説明できることが大前提だといいます。
一般的にコンサル業界ではグループディスカッション(GD)などの数人の学生同士でワークを進めていく選考が取り入れられています。アビームでも1次選考のGDでロジックツリーを活用するワークを行い、ツールを使っていく中で学生がロジカルシンキング的なブロセスを踏めているかどうかをしっかりとチェックしているそうです。
ロジカルシンキング訓練法
ロジカルシンキングを身につけるには「知識を取り込む」と「使えるようになるまで訓練する」という2つのステップがあります。近年ではロジカルシンキングにまつわる書籍は数多く出版されていますし、ネット上にも数多くの記事が存在します。ただ、分かり易いものから難解なもの、中には誤った情報も存在しますから、良質な知識を選び取るようにしましょう。秋山さんのオススメは古典的な基礎がしっかりと載っている本をじっくり読み解く方法だそうです。
「知識を取り込む」までは時間さえかければ誰でもできますが、最も重要なのは「使えるようになるまで訓練する」ことです。インプットしたものを何回も実践し、身につけるようにしましょう。そのためのワークブックなども販売されていますが、秋山さんのオススメは「街中や電車の中で目についた広告などから、その企業の売り上げを伸ばすには?顧客を増やすには?と瞬時に考え出してみる」方法だそうです。この方法であれば自然と瞬発力やパターンを見極める力がつきます。
創造性を大切にして
ただ学生の中には、数学のように論理的や構造的に考えさえすればいいと誤って解釈している人もいるといいます。ビジネスにおいてのロジカルシンキングで大切なのは発想力です。これまでになかったアイデアを大量に創造するには左脳的に考えるだけではいけません。それは顧客にとっても「これだけたくさんのアイデアの中から選び出した案であればきっと大丈夫だろう」という安心感を与えることになります。一流のコンサルタントは、考えうるアイデアを出し切ることで網羅性を確保し、その中から適切なオプションを選択することで鋭い切り口の案を創造できるのです。
これまでロジカルシンキングをやったことのない人も、これからやろうと思う人も、とにかく日頃から意識することで場数を踏んでみてください。何度もトレーングする中で、切り口や観点といったものを実際に使えるものとして自分の中に取り込んでいけます。フレームワークの知識ももちろん大切ですが、それをいつどの場面で使うか、そして発想豊かにアイデアを創造する力を大切にして練習していただければと思います。
YouTubeで動画も公開中
コンサルファームのロジカルシンキングについて、アビームコンサルティングの秋山さんと対談している動画はYouTubeでも視聴できます。記事には載せきれなかった貴重な話も聞けるので、ぜひレクミーチャンネルもチェックしてみてください。
▼【コンサル志望者必見】コンサル会社の人事が教えるロジカルシンキング講座