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就活での面接では、質問に対し冗長に(ダラダラと)答えてはいけないとよく耳にするでしょう。しかし、いざ簡潔に応えたらぜんぜん深掘りされないで終わってしまった!なんて経験はないでしょうか。答えられないよりはマシですが、一気に不安になるシチュエーション、実ところ面接官は何考えてるの?合否にはどう響くの?そんな疑問に、約1万回の面接経験を持つ元P&Gジャパン採用/研修統括マネージャーのレクミーおじさんが、印象的だった面接エピソードを交えてズバッとお答えします!

深掘りされなかったら刺さっていないと思え!

面接は会話のキャッチボール

『質問に簡潔に応えたら「そうですか」としか言わなかった面接官に、あなたの回答は刺さっているのか?』ズバリ、その不安通り刺さっていないでしょう。「あまり加点になっていないんじゃないか……」というあなたの感覚はおそらく正しいです。しかし思い出して欲しいのは、面接は会話のキャッチボールであるということ。親しい友人や家族との会話でさえ、話題によっては会話のキャッチボールが上手くいかないこともあります。面接においてもその現象が起こっているだけだと考えてください。

そういうこともある!大切なのはあきらめないこと

ですから、仕方のなかったことだから気にしない!というのがベターなマインドセットでしょう。深掘りされなかった回答が一つあったからといって、面接の結果すべてに影響するかと言えば、そんなことは決してありません。なぜなら面接官も限られた面接の時間内であなたのことを知りたいと思い、様々な質問や会話をしたいと考えているからです。どれだけ会話が上手い人でも暴投することはあるのですから、たった一球しくじったからといって臆することなく、次の会話であなたの個性を伝えればいいのです。

【実録】たった一つの質問で逆転内定した就活生

元P&Gジャパン採用/研修統括マネージャーであるレクミーおじさんは、これまで日本語や英語で通算1万本の面接を経験してきました。今回は印象に残っている面接の中から、たった一つの質問から逆転内定を勝ち取った就活生のエピソードをご紹介します。

何を聞いてもダメ、ただラスト5分で面接は動いた

その日レクミーおじさんに任されたのは、とある会社での1次面接の担当官。一人につき30分間の面接に、今回の主役であるAさん(仮称)はやってきました。満を持してAさんとの面接は始まりましたが、レクミーおじさんがどんな質問を投げかけても返ってくるのは0点としか言いようのない回答。正直「よくESが通ったな」とすら思ったといいます。
 
しかしどんなに絶望的な状況でも、レクミーおじさんは面接官として、30分の面接時間内は全力でAさんの個性を探し、自社とマッチングする要素はないかと質問をぶつけました。それでもなお、Aさんからレクミーおじさんに刺さる回答は返ってこず、Aさん自身も顔が曇っていったそうです。ただ、彼の決して諦めず回答を投げ続ける姿勢には凄みが感じられました。そして、残り5分を切った時、奇跡は起きたのです。

あきらめない気持ちが奇跡を起こす

時計の針が残り5分を指し、レクミーおじさんも「ああ、この子はこれまでか」と諦めかけ、最後の質問を彼に投げかた時。Aさんは唐突に「YMCAでの経験」を語りはじめました。これがAさんに奇跡を起こします。その話は、彼がいかに優れたリーダーで、戦略的な人物であるかを充分に示す素晴らしい内容であり、レクミーおじさんも「こんな素晴らしい会話ができるのか!」と驚嘆するほどのものでした。残り5分、後続もありますから延長は不可能です。Aさんが最後まであきらめずに更に絞り出したそのエピソードに、レクミーおじさんも彼のポイントを取るべく必死で深掘りをしました。

面接官も就活生の個性を発掘したい

たった5分の会話でしたが、その間にAさんのスコアは爆増し、結果彼は1次面接を通過しました。当時、レクミーおじさんが担当する面接での合格率は平均で25~33%。レクミーおじさんはその後の面接官への申し送り書で、「正直、何を聞いてもダメです。ESの内容も掘っても何も出てきません。しかしながらYMCAのエピソードに関しては彼がいかに優れた人物であるかを示す宝庫です。判断は委ねますが、私はそれについて深掘ることをおススメします」と報告しました。
 
そして結果、なんとAさんは倍率1000倍以上の選考をすべて通過し、その企業の内定を勝ち取ったのです。ちなみに、Aさんからは2次選考以降でYMCA以外にもう一つ素晴らしいエピソードが出てきたため、選考に関わった社員とレクミーおじさんは「おおー!2つ目があったぞ!」と大いに沸いたそうです。

諦めなければ道は開ける

レクミーおじさんとAさんは、彼が内定者になった後に再会し、「オマエほんまによかったな!(レクミーおじさんは関西弁)」と話したそうです。みなさんも、面接で質問に上手く回答することができず不安になることがあるかもしれません。しかし、決して最後まで諦めずに自分の持ち球を投げ続けてください。面接官も仕事として真剣に、みなさんの個性を見極めるために面接に取り組んでいます。あきらめずに切り開いた先には必ず輝かしいキャリアが待っているでしょう。一度はくじけかけたAさんは、今も一流のビジネスパーソンとして素晴らしいブランドをリードしているそうです。

YouTubeで動画も公開中

面接官に深掘りされなかった時の面接官が何を考えているのかについて、元P&Gジャパン採用/研修統括マネージャーのレクミーおじさんが詳しく解説している動画はYouTubeでも視聴できます。記事には載せきれなかった貴重な話も聞けるので、ぜひレクミーチャンネルもチェックしてみてください。
▼【録画】不安、、面接官に深掘りされなかった時は、、?【一問一答】