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航空業界への新卒就活が、新型コロナウイルスの影響で非常に厳しいと言われる昨今。実はパイロットの採用には大きなチャンスが来ていることをご存じでしょうか。今回は日本航空(JAL)現役副機長の佐竹さんをお招きして、学部学科を問わず誰でもチャンスがある採用情報や、パイロットとしてのやりがい、女性の採用事情、適正など、盛りだくさんでお伝えします。パイロット志望でない方もぜひ読んでみてください!

ナゼいまパイロットなのか?

パイロットが足りない?2030年問題とは

コロナ禍において、キャビンアテンダント(CA)などの採用がストップしてしまっている中、パイロットだけ採用が続いている理由には「2030年問題」が大きく関係しています。「2030年問題」とは、現在パイロットとして活躍しているある世代が、2030年をピークに大量退職を迎える問題を指します。近年では世界のグローバル化はますます加速しており、航空移動の需要に対してパイロットが大幅に不足することが危惧されています。

苦境にあってもJALパイロットは未来を見ている

コロナ禍の影響により一時は2,400億円以上もの赤字となったJAL。このような苦しい中では会社の雰囲気も重苦しいのかと思われますが、実際はそうではないそうです。むしろ、ベテランのパイロットたちはフライトが減った分、キャリアアップのための試験勉強の時間を確保できたり、家族との時間が増えたりと逆境を逆手にとってチャンスにしているそうです。もちろん、若手のパイロット候補生たちは不安を抱えることもあったそうですが、上長たちが手厚くサポートし、ケアをしているといいます。

パイロットは誇りと責任ある仕事

AIでは代われない?経験と責任がモノを言う

近年、AIの目覚ましい発展によって自動車などの自動運転化が語られ、いずれ飛行機にもその波はやってくると考えられています。しかしパイロットの仕事の本質は、人間だからこそ務めることができる部分にあるといいます。実際、現在のフライトも8,9割が自動操縦に頼っていますが、パイロットの責務はただ飛行機を飛ばすだけでなく、お客様やCAを含めた搭乗者全員の安全な移動を確保することにあります。
それを実現するためには、揺れの少ない航路の選択や、燃料の節約、定刻通りの運航する為にいかにショートカットをするかなど、知識と経験を積み重ねた上での適切な判断力求められます。例えば福岡空港を離陸した5分後には、他の飛行機との兼ね合いを考慮してどの航路とスピードを取ればスムーズに羽田空港へ着陸できるかを予測し、「この飛行機を抜こう」と判断するなど、経験に基づいた奥深い駆け引きの上で、航行が成り立っているのです。

パイロット同士の繋がりが技術を継承している

飛行機は、陸上の乗り物との大きな違いとして上下の操作があります。ですから、“運転”ではなく縦を操る“操縦”という言葉が用いられ、その難しさゆえパイロットたちは“操縦”に誇りをもっています(逆に運転と言ってしまうとわかってないなと思われてしまうそうです)。訓練や、実際のフライト後、立ち話の中などで技術や情報が脈々と受け継がれ、自らの技術の幹を太くしていくといいます。

人の命と自然を相手にしている

佐竹さんがロンドンから帰国するフライトの際、自らの仕事の難しさを身をもって再認識した事件があったといいます。当時、事前の航路情報では安定した気候が予想され、穏やかなフライトが予定されていました。しかしフライトの途中、突然機体が一瞬ガタガタと揺れたのを感知し、佐竹さんは念のため客室へシートベルトサインを出したそうです。直後、これまで経験したことがないほど大きな揺れが機体を襲いました。その揺れはパイロットがレポートする中でも最大ランクのものでしたが、事前にシートベルトサインを出していたおかげで事なきを得たといいます。乗客はもちろん、CAも含めたすべての搭乗者ができる限り怖い思いをせず安全にフライトを終えられるよう、パイロットは臆病であり続け、プロとして人の命と自然に向き合っているのです。

パイロットは誰にでも開かれた道

パイロットに男女は関係ない

女性の中には、なんとなく「パイロットは男性の職業だから……」と諦めている人はいないでしょうか。確かに以前は男女比に明らかな偏りがあり、そのような風潮がありましたが、近年では女性パイロットもかなり増えているそうです。むしろ、女性にはハードルが高いという先入観からチャレンジしない方が多いことが男女比の偏りを生んでいるのではないかと言われおり、事実、女性志望者の増加と男女比の変化は伴っているそうです。チャレンジさえすればそこに性別は関係ありません。

大勢の命を預かる仕事として

今回ご紹介している自社養成パイロットの採用枠では、専門的な大学を出ている必要はなく、学部も学科も問われません。一定の語学能力は求められるものの、身体能力も含めて事前に特別な能力は必要ないということです。しかし佐竹さんは、パイロットへの適性をあえて挙げるとすれば、人間としての信頼と責任を心地よく背負えることだといいます。大勢の命を一身に預かっているパイロットは、この人になら家族を乗せて操縦させてもいいと思われるだけの信頼と覚悟が必要です。また、その責任感は入社してからも先輩パイロットたちが一緒になって育んでいきます。もし責任を負うことに自信が持てなかったとしても、最後には決して諦めない気持ちが大切だということです。

YouTubeで動画も公開中

JAL現役パイロットの佐竹さんから、パイロットとしてのやりがいを詳しく教えていただいた動画はYouTubeでも視聴できます。記事には載せきれなかった貴重な話も聞けるので、ぜひレクミーチャンネルもチェックしてみてください。
▼【JAL】生出演でぶっちゃけます!現役パイロットも登場!