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「eF-1G」というWEBテストをご存知でしょうか。メジャーな適性検査ではありませんが高難度な試験として知られています。短時間で高度な思考力やひらめきが試され、知名度の低さも相まりその形式はまさに「初見殺し」。楽天やJTBなどの難関企業で既に採用されているものの未だに謎多き適性検査を徹底的に対策します。

「eF-1G」とは?

「eF-1G(読み:エフワンジー)」は人材コンサルタントを専門とする株式会社イー・ファルコンが提供する適性検査(WEBテスト)です。

SPIや玉手箱といった適性検査では基礎的な思考力や性格を測定していますが、eF-1Gでは受検者のパーソナリティだけでなく瞬発的な発想力や思考の柔軟性が問われている印象を受けます。そのため、一般的な適性検査とは大きく異なった出題形式も散見され、「脳トレみたいな問題で対策のしようがなかった」「今まで受けたWebテの中で最も制限時間が厳しかった」と嘆く就活生も少なくありません。この適性検査の存在自体を認知していない就活生も多く、過去に受けた「企業独自のIQテスト」はeF-1Gだったかもしれません。

そのため、事前に出題形式を予習しておくだけでもほかの就活生に差をつけることができます。まずは、自分の受検企業がどのWEBテストを課すかの確認をしておきましょう。

採用企業

2020年卒本選考で適性検査にeF-1Gを採用していた代表的な企業をいくつかご紹介します。

  • 楽天(ビジネス総合職)
  • JTB(グループ総合型)
  • 富士フイルム(事務系/技術系)
  • クレディセゾン(ゼネラル職/セールス&サービス職) ほか

各業界の中でも上位校生から人気の有名企業で採用されるケースが増えています。しっかりと出題形式を押さえましょう。

出題形式

eF-1Gは受検者の自宅のパソコンで受検することが想定されているWEBテストです。しかし、実際に受検した筆者は企業のオフィスで用意されたパソコンで受検しました。どちらの可能性も考えられるので、他人の力を借りることなく一人で解けるようにしておきましょう。

設問は「能力検査」「性格検査」の2つに分かれています。「性格検査」は一般的な適性検査と類似した性格診断ですが、「能力検査」は一癖ある設問になっています。

能力検査の特徴

能力検査の制限時間は30分で、大問は19ブロック・その中の小問は全119問となっています。
設問の多さもさることながら、各ブロック内でも制限時間が設けられているため、慣れない問題形式でもスピーディに解き進めることが不可欠です。出題される内容は以下のようになっています。

言語系

  • 漢字や四字熟語
  • 接続詞や敬語の用法
  • 文章読解(国語)
  • 発想系 ほか

非言語系

  • 算数の文章題
  • 記号の数を数え上げる問題
  • 簡単な地図の読み取り
  • 空間認識問題 ほか

この中から、他の適性検査の出題傾向では見られない言語系の「発想系」と非言語系の「空間認識問題」の2つをピックアップして解説します。

言語:発想系

発想力を問う設問では入力ボックスが用意されており、回答を自由に入力する仕組みになっています。発想系の出題は、列挙ゲーム連想ゲームの2つに分けられます。どちらも初見では面食らってしまうような、一癖ある出題形式ですからしっかりと予習しましょう。

列挙ゲーム

回答が複数考えられる設問に対し可能な限り列挙する問題が出題されます。

  1. 「物差し」の使い方を挙げられるだけ挙げよ
  2. 「パスポート」に代わるものを挙げられるだけ挙げよ

回答用の入力ボックスが1つのタブに無数に用意され、入力ボックスに1つずつ入力します。
例えば1つ目の問題では、「長さを測る」以外にも、「肩を叩く」「汚れを剥がす」「ものを切る」「護身に使う」など、回答のクオリティにかかわらず思いついたことをひたすら列挙しましょう。2つ目の問題でも、「指紋認証」「筆跡鑑定」「嘘発見器」など、考えすぎずにサクサクと解き進めることが大切です。

連想ゲーム(マジカルバナナ)

連想ゲームの設問では、無関係な2つの単語をマジカルバナナの要領で結びつける問題が出題されます。

  1. りんご→(1)→(2)→勉強
  2. ]ボウリング→(1)→(2)→日本

(1)(2)を自由に入力する回答形式になります。1つ目の問題では「りんご→(ニュートン)→(物理)→勉強」、2つ目の問題では「ボウリング→(スポーツ)→(相撲)→日本」などの回答が考えられます。こちらも正答は一通りではないので、あまり深く悩みすぎずスピーディに解き進め続けましょう。

連想ゲームと列挙ゲームどちらにも明確な練習方法は存在しませんが、こういった形式で出題されることを事前に知っておくだけでも慌てずに対応できるはずです。
キーボードでの日本語入力を平均的な速度でできること、そしてたくさんアイデアを出すことが大切です。

非言語:空間認識問題

SPIなどのWebテストでは計算問題、もしくは平面図形を用いた問題が出題されますが、eF-1Gの非言語では立体図形を用いた問題で思考力が問われます。

煙突

煙突問題では、同じ長さの煙突が複数本並んでいる土地を真上から眺めた”平面図”が与えられます。これを指定された定点で指定された方角に向いて立つとどの風景(”立体図”)になるかという問題です。4つの風景が選択肢として与えられ、正しい立体図を選びます。

解くポイントとしては、頭の中で平面図の定点から各煙突の端に向けて接線を引くイメージをし、各煙突間の距離を推測することです。煙突間の距離、そして定点から煙突までの(接線の)距離・遠近感を根拠にに回答を選びます。

積み木(投影図)

積み木問題では、立方体の積み木を無作為に積み上げた”立体図”が与えられます。この立体をある視点から見た”平面図”が4つ選択肢として与えられ、その中から構造上あり得ないものを指摘するという問題です。中学入試では頻出の「投影図」問題の応用で、ほかの適性検査ではあまり見られない問題形式のため、苦戦する学生も多いでしょう。

こちらの解くポイントは、与えられた4つの平面図のうち3つはそれぞれ、正面から見た図・側面から見た図・平面(真上)から見た図のいわゆる「三面図」となっていることです。

ですから、正面から見たらどうなるか、側面から見たらどうなるか、と順に選択肢を1つずつ立体図形と照らし合わせて吟味し、選択肢を一つずつ削っていく消去法が有効です。

平面⇔立体

煙突問題では平面図から立体図をイメージし、反対に積み木問題では立体図から平面図をイメージするというように、今回紹介した2つの空間認識問題は対になっています。新傾向の問題が出題されるようになる可能性も考えられますが、まずは、「立体⇒平面」「平面⇒立体」のどちらを問われているかを考えましょう。それさえ分かってしまえば未知の空間認識問題でも回答にたどり着けるはずです。

少しの知識で大幅リード

いかがでしょうか。初見で挑む学生が多いため、能力検査の手ごたえがあまりない場合でも受検者層から大きく外れることはないと思われます。裏を返せば、少しの予習で他の受検者を出し抜く大チャンスです。eF-1Gが出題される企業を受検する際は一度予習してから取り組みましょう。