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三菱商事・三井物産・住友商事・丸紅・伊藤忠商事。これら五大商社の選考フローを正しく理解していますか?SPIやGABといった適性検査の種類やグループディスカッション(GD)の有無、面接回数などを一覧にまとめました。志望動機を考える前に企業との戦い方を知りましょう。

選考フロー早見表

まずは、五大商社それぞれの本選考フローをまとめました。

五大商社の選考フロー
三菱商事 伊藤忠商事 丸紅 三井物産 住友商事
Webテスト SPI SPI SPI GAB GAB
ES 1,450字 360字 200字+キーワードを5つまで 920字 トピックを5つまで
1次面接 個人 グループ 個人 個人 グループ
2次面接 個人(ケース面接)+小論文 グループ+GD+TAL(図形配置) 個人 個人+GD グループ
3次面接 なし なし なし なし グループ
最終面接 個人 個人+小論文 個人 個人 個人+小論文

Webテストの種類

五大商社の筆記試験比較
三菱商事 伊藤忠商事 丸紅 三井物産 住友商事
種類 SPI SPI SPI GAB GAB
性格 あり あり あり あり あり
言語 あり あり あり あり あり
非言語(計数) あり あり あり あり あり
英語 あり あり あり あり あり
構造把握 あり あり あり

五大商社ではSPIかGABが採用されています。表を見れば一目瞭然、学生に課せるすべての検査を課しています。(※GAB形式では構造的把握力の検査は課されません。)
また、英語・構造的把握力の検査にはテストセンターでの受検が必須ですから注意が必要です。自信があるスコアを使い回すことも可能ですので、納得がいくまで他企業で練習するのも1つの手です。
なお、伊藤忠では2次面接時にTAL(図形配置問題)が出題されています。問題形式を事前に予習しておきましょう。
就活で最も戸惑う瞬間!図形配置問題は何を見ているの?|【レクミー】

エントリーシートの分量からみる特徴

次に、ESの各設問の指定字数を合算した総字数を比較してみましょう。

五大商社のES分量比較
(単位:字数) 三菱商事 伊藤忠商事 丸紅 三井物産 住友商事
総字数 1,450 360 200+キーワードを5つ 920 トピックを5つまで

目を引くのはやはり丸紅と住友商事の「キーワード(トピックを5つまで)」です。計1,450字の分量がある三菱商事と比べると非常に自由度が高く、特に住友商事ではESによる合否判定がないほどです。(トピックを1次面接までに提出すればOK)
しかし、ESの分量が軽いほど面接での質問を想定しづらく、自身の説明次第では話の流れが思わぬ方向に進んだり主導権を面接官に握られたりする恐れがあります。反対に、ESの分量が多い企業の面接ではキャッチボールの内容がある程度想定しやすいという性質もあります。
丸紅・住友商事のESを作成する際には、自分が持っていきたい話の流れを熟考してからキーワードをチョイスしましょう。必ずしも5つ選ぶ必要はないので、語り尽くす自信のあるトピックだけを選びましょう。

小論文のお題

小論文を課しているのは三菱・伊藤忠・住友商事の3社です。それぞれのお題をチェックしましょう。

三菱商事の小論文―三綱領について

三菱では、2次面接と同日に小論文が出題され、テーマは例年「企業理念の『三綱領』について出題されています。

所期奉公…事業を通じ、物心共に豊かな社会の実現に努力すると同時に、かけがえのない地球環境の維持にも貢献する。
処事光明…公明正大で品格のある行動を旨とし、活動の公開性、透明性を堅持する。
率業貿易…全世界的、宇宙的視野に立脚した事業展開を図る。

出典:企業理念|三菱商事

これに対して2020年卒の学生に課された設問は3パターンありました。

  • 三綱領の1つである所期奉公について。あなたが今の世の中の課題だと感じることに対して何かできることはあるか。あなたの意見を述べよ。
  • 三綱領の1つである処事光明について。これを貫くことの難しさを感じたあなたの経験を述べよ。
  • 三綱領の1つである率業貿易について。真のグローバル人材に必要な素養は何か。あなたの意見を述べよ。
  • 各綱領に対して自分の意見を持っておきましょう。

    伊藤忠・住友商事の小論文―やや抽象的なお題

    一でd伊藤忠・住友商事では最終面接に向かう前に小論文が課され、最終面接の資料としてそのまま提出します。両社ともキャリアビジョンに関する抽象的なもの(「働くとは」など)が多い傾向にあります。こうした場合は、あなた自身の自己PRを着地点として見据えながらどんどん具体性を足していく書き方を工夫しましょう。

    グループディスカッションと2次面接

    GDが課されるのは伊藤忠と三井物産の2社のみです。伊藤忠では3:3のディベート方式、三井物産では6人1組で行う通常のディスカッションとなっています。
    そして両社ともGDの直後に2次面接が行われ、GDを審査していた人事が面接官となります。GDでの感想や意識したことなどを聞かれるので、GDでの所作とESの記入内容にブレが無いよう注意しながら臨みましょう。

    個人・グループ面接で気をつけること

    1次から学生が1人に対して面接官が1~3人の個人面接の企業は三菱商事・丸紅・三井物産の3社。一方で3次までグループ面接を行うのは伊藤忠と住友商事です。
    面接形式が違えど、最終面接の1つ前の面接までは多数の学生をスクリーニングしなくてはいけないのはどの商社も同じです。グループ面接でも個人面接でも1人に対する質問時間は15~20分程度しかないと考えましょう。できるだけ端的に結論ファーストで意見を述べる力が真に問われる場面です。
    更に住友商事のグループ面接では「隣の○○さん(学生)を褒めてみてください」といった質問が頻出されます。グループ面接においては他の学生の話もきちんと聞くことが求められるので気が抜けません。

    選考方法を理解=0次選考突破

    各社ごとに複雑に異なる選考フローを正しく理解した時点で、0次選考を突破したと言えるのではないでしょうか。ESにしても心持ちにしても使い回しは決してせず、五大商社それぞれに対する戦い方で本選考に臨むことが内定のカギです!