文系と理系の就活には、様々な違いがあることを皆さんはご存知でしょうか?筆者は文系の学部卒で就活をしていましたが、周りの理系の友達から就活の話を聞いて、「これは全く別物だな」と驚いた経験があります。この記事では、文系と理系の就活に見られる違いと、そのような違いが生まれる理由を考えていきます。
Summary
大量エントリーで長期間就活を続ける文系、少数エントリーでサクッと終わらせる理系
文系の就活はかなり過酷です。少なくとも20社、多い人だと50社近くの会社にエントリーをします。それでもよほどの就活強者でない限りは内定率は低いため、長期間の就活を覚悟しなければなりません。理系の就活生も、研究の合間の時間で就活をしなければいけないので大変ですが、エントリー数は比較的少なくても、短期間で大企業の内定を獲得できるケースが多いです。この違いは、どのような要因から出てくるものなのでしょうか
アピールできるスキルの違い
まず最も大きな要因として考えられるのは、企業にアピールできるスキルの差です。
文系は学部で学んだことを活かせない
文系の学部を卒業し、就職した先輩たちのことを思い返してみて下さい。一部の専門職に進んだ人を除いて、基本的には学部で学んだ学問とは殆ど関係のない会社に入社した人が多いはずです。この事実からも分かる通り、文系学部で学んだ学問は就活にはあまり活かすことが出来ないのです。
では何をもって評価されているかというと、「コミュニケーション能力」や「仕事に対する熱意」など、将来性に関わる資質の部分です。これらの要素は定量的に評価することが非常に難しいため、文系就活は他の就活生と差別化が難しく、それだけ難易度が上がります。
理系は研究を企業にアピールできる
文系とは対照的に、理系は学部や大学院で学んだ学問をそのまま就活にも活かすことが出来ます。企業にとってはどの学生の研究が今後の会社の発展に貢献してくれそうかを判断しやすく、学生側から見てもそれだけ他の就活生との差別化が容易になります。そのため、企業と学生のマッチングが成立しやすく、エントリー数も文系の学生に比べて少なくなる傾向があります。
面接コースの違い
企業にアピールできる要素に違いがあると、当然内定までのコースにも差が出てきます。
複数回の面接を受ける文系
文系は将来性のある人材なのかどうかが、一回の面接では判断することが出来ません。そのため、毎回面接官を変えながら複数回の面接を行い、様々な角度から人間性のチェックを行う必要があります。殆どの会社で、文系採用では最低でも3回以上の面接を行うのは、このような背景があるからです。面接の回数が多くなるため、その分内定を獲得することは難しくなり、長期化しがちです。
面接回数が少なく、推薦も使える理系
理系の就活生は、自身の取り組んだ研究と関係のない業界は受けにくいというデメリットはあるものの、その分企業にとっても魅力的な技術を有しているため、内定までの面接の回数は1~2回で済みます。また、自由応募以外にも推薦制度を利用すれば、100%とはいかないまでも、内定を獲得する確率を飛躍的に向上させることが可能です。
また、これは少数派ですが、理系学生でありながら事務系の採用を受けることも可能です。この場合は文系就活と同じ難易度にはなってしまいますが、研究で培った論理的思考力など、アピールできるポイントは多いと言えるでしょう。
採用職種の違い
文系と理系は、入社後の職種も全く違います。
文系は基本的には営業、その他バックオフィス
文系の学生は、会社の「経営」に携わることを期待されています。そのため、事務系の採用コースから入社した場合、どの会社でも半数以上の新入社員は経営の根幹をなす営業部門に配属されるケースが多いです。それ以外には人事や法務、経理、総務など会社経営を潤滑に進めるバックグラウンドの部門に配属されます。
理系は研究などの生産分野に携わる
理系の学生は、会社の「生産」の役割を担います。そのため、研究所で基幹研究や新商品の開発に携わる研究開発や、工場での生産を最適化させる生産管理などの職種に配属されます。技術の進歩が急速に進展している現代産業では、これらの職種には高度な専門技術や知識が必要とされます。そのため、数年間に渡って専門分野の知識を吸収してきた理系学生が割り当てられるのです。
文系も理系もきちんとした準備が必要
文系と理系の就活には様々な違いがありますが、志望企業の理解や、自身の強みを分かりやすくアピールする能力はどの就活生にも必要とされます。自己分析・業界研究はきちんと行いましょう。