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院試の難易度、突破方法
院試の難易度、突破方法

「もっと学部時代の研究内容を深めたい」「学者、研究者にゆくゆくはなりたい」「就活に失敗したから院進学してやり直したい」などの理由から、院進学が進路候補の1つになりつつある人へ。
院進学をするためには院試を突破する必要がありますが、その対策は完璧ですか?筆者も経験しましたが、院進学に関する情報はネット上にあまりなく、試験対策に苦労することも多いです。とくに学部とは別の大学の院に行きたいという外部進学希望の人は、内部進学者よりも情報が集まりづらく、不利な状況に立たされることも。そこで今回は、実際に外部進学をした筆者から院試の難易度からその突破方法に至るまで全て解説をしていきたいと思います。

院試の基本を知ろう

院試の内容

院試は基本的に筆記試験と面接があります。筆記試験は専門分野に関することです。そのため、センター試験などのように幅広い知識を求められる学部試験よりも院試の方が難易度が低いと言われたりもします。
院によってはTOEIC、TOEFLの提出が求められたり、語学力試験が課されることもあるようです。東大はTOEFL提出、京大は独自試験を課す傾向があるように思います。筆者もですが、専門の勉強よりも英語などの語学力試験にみんな苦戦していました。

院試はいつに集中している?

院試は大学の夏休み(8月・9月)と春休み(1月・2月)に集中しており、夏開催の方が多いようです。出願時期は夏の場合は6月・7月、春の場合は10月・11月になります。
進学希望者が多かったり、有名大学の院であったりすると、人気があるため、一回の募集で定員に達し募集が締め切られることが多いので気を付けましょう。

院試の難易度

学部試験と比べると簡単です。院試は専門分野に関することに限られるので、対策もしやすいですし、苦手分野の対策をせずにすみます。学部時代の専攻と同じ領域で進学する場合は、2,3か月あれば対策できます。
しかし、同じ大学でも研究科ごとで難易度が違うことはよくあるので、気をつけましょう。大学院のホームページでは倍率が紹介されているので、それで難易度を判断したらよいです。
あと、外部進学は内部進学よりもハードルが高い傾向があります。大抵の大学院は内部進学者を優遇することが多く、残った数少ない枠を取り合う構図になりがちだからです。外部進学希望の人は、内部進学者の割合がどのくらいなのかも確認しておくとよいでしょう。

面接突破には、研究計画書の出来が関わる

院進学の際は、出願時に研究計画書の提出が求められます。大学院に入ってから、どういう研究をしようと思っているのかを書いたものです。この内容を元に、面接では志望理由、院に入ってから何をしたいのか聞かれることになります。そのため、研究計画書の内容が薄いと、面接で深掘りをされて答えることができず、落とされることになります。

事前に研究室訪問が必要な大学院も

研究室訪問とは、院入学後指導を受けたい教授に連絡をとり、ゼミ・研究室に実際に訪問することを指します。就活でのOB訪問のようなものです。しかし、OB訪問が選考には(表向き)関係ないのに対して、面識のない学生を研究室に入れたくないという理由で、研究室訪問はしていないと院試不合格になる可能性があります。特に理系はその可能性が高いです。
(一部例外として、法科大学院、公共政策大学院などの専門職大学院は研究室訪問が禁止されている場合もあります。)
大学ホームページ経由、学部時代にお世話になった教授経由で連絡先を入手し、コンタクトをとるようにしましょう。どうしても連絡先が見つからない場合は、大学院の事務室に行き相談するといいです。

参考:東京大学大学院 院試情報一覧表

参考として、東京大学の大学院の院試情報を一覧にして、まとめてみました。出願時期、試験時期の確認にお使いください↓


院試を突破するために

院試対策に必要な日数は?

半年あれば完璧、最低で2~3か月あれば院試は通ると思います。ちなみに筆者はTOEFL対策と院試対策を併行して4か月行って、院試を突破しました。周囲の友人も同じぐらいか、2~3か月程度の人が多かったです。
院試が夏に多いことを考えると、最低でも4月から5月には院進学するかどうかを決めて、就活を切り上げて、院試対策に集中したほうがいいと言えるでしょう。

情報収集のやり方

まず、筆記試験突破のためには過去問を集める必要があります。研究室訪問の際に過去問を受け取って集める方法がスタンダードです。一部の大学院では、ネットで過去問を公開しているので、それをチェックすると効率的に過去問を集められます。↓
東工大 院試過去問:https://www.titech.ac.jp/graduate_school/admissions/past_exam_papers.html
早稲田大学 院試過去問:https://www.waseda.jp/inst/admission/graduate/past_test/
慶應大学 院試過去問:http://grad.admissions.keio.ac.jp/kakomon.html
東京大学の院試過去問は、東京大学文学部複写センター(http://www7b.biglobe.ne.jp/~printservice/)で販売されています。送料がかかりますが、ネットでの注文も可能です。
研究室の雰囲気、就職率、研究内容の確認などは研究室訪問を通じて集めるとよいでしょう。その際に教授だけでなく、所属している院生にも会いたいと伝えて、先輩方からどんな試験勉強をしていたのか聞き出すようにします。
出願締め切りの1~2か月前には、大学院の説明会が開催されることが多いので、その説明会に参加することも忘れないようにしましょう。

計画書は添削をしてもらう

面接試験のためにも、研究計画書は添削してもらうことをお勧めします。筆者は学部時代に所属していたゼミの教授に添削をお願いしていました。ですが、教授によっては忙しかったり、他の研究室、大学院に進学することをよく思わない人も多いので、相談できる人であるかどうかの見極めが必要です。
もし、教授の協力を得られないようなら、研究室訪問などを通して、ゼミ・研究室の先輩に頼むという手段もあります。

院進学と就活は両立できるのか?

院試対策もしつつ、就活も行っていたという人は実のところ稀です。筆者も3月に説明会に何回行っただけで、4年生になった時点で院進学をすることを決めて、院試対策に集中していました。周囲の友人も就活は早々に切り上げて、院進学に切り替えた人が大半でした。
春の院試を受ける場合は、就活を4年の6月7月まで行って、その後院試対策に集中するというプランを取ることもできます。ですが、夏と比べると数が少ないので、自分の行きたい大学院に春の院試があるかどうか必ず確認しましょう。

情報収集で差がつかないように!

大学院への進学、特に外部進学の場合、情報を集めるのが難しく、そもそも何をすればいいのか分からない状況になりがちです。情報収集の時点で、差がついてしまうことも。
この記事を参考に、情報収集を行い、自分の進路を切り開いていきましょう。