ページ上部バナー
海運業界への就職
海運業界への就職

海運業界ときくとなんとなく「グローバルに働けそう」「商社に近そう」などのイメージを持つかもしれませんが、なじみのある学生は少ないのではないでしょうか。この記事では海運業界の動向、仕事内容そして大手トップ3社についてまとめたので、ぜひ参考にしてください。

海運業界研究

まずは海運業界全体についての基本的な理解を深めましょう。

海運業界とは

海運はひとことで言うと、船で海上輸送をしている業界です。日本が各国と行う貿易において多くを占める海上輸送を担っているので、国の根幹であると言っても過言ではないでしょう。海上輸送は日本国内の海上輸送をする「内航海運」と海外の海上輸送をする「外航海運」の2つに分かれています。また、海運会社は輸送するものに応じて船を主に3つ使い分けています。1つ目はコンテナ船で、日用品や工業製品などを輸送するのに使われます。2つ目はバラ積み船で、鉱石やセメント、穀物などを輸送するのに使われます。3つ目はタンカーで、液体を輸送するのに使われます。各会社強みと弱みがあるので、注目してみると企業分析にも役立つかもしれません。

海運業界の動向

貿易において役割を果たす業界なので、海外の市場変化などの影響を受けることも多く、安定感に少々欠けることがあります。今後の動向と業界としての課題は主に3つです。1つ目はコスト削減です。船舶を保有しメンテナンスをするのに莫大なコストがかかり、燃料である原油の価格も近年上昇傾向にあるなか、いかにコストを抑えるかが大切になってきます。
2つ目は環境配慮です。これはどの業界にも言えることですが、ESG(Environment.Social.Governance)やSDGs(Sustainable Development Goals)が重視される現代において、さらに必要になってくるでしょう。
3つ目は自己資本比率を高めに維持することです。景気変動に影響を受けやすい業界の特性上、課題となっています。

仕事内容

ここでは、具体的な仕事内容について紹介します。入社後の働くイメージを膨らませてみてください。

陸上職

陸上職では事務系と技術系に分かれます。事務系では営業をはじめ船舶、運行、財務、法務などの管理をする仕事をするので、主に文系出身者が配属されます。営業で扱う案件のひとつひとつの規模は大きく、様々な観点から会社を支える司令塔のような仕事ができるのでやりがいも大きいのではないでしょうか。技術系では船の設計や技術開発などを行います。技術面から会社を支える非常に重要な役割です。

海上職

その名の通り「海上」という最前線で活躍しており、航海士と機関士に分かれます。航海士は船を操縦して、荷物を目的地まで輸送します。安全、確実に海上輸送することが求められる責任の大きな仕事です。機関士はエンジンやプラントのメンテナンスをします。安全性を請け負う重要な仕事です。入社後数学などに苦労するかもしれませんが、文系出身者でも海上職に就くことは可能なので興味のある方はぜひチャレンジしてみてください。

大手3社比較

海運業界の中でも就活生に人気なのが、大手トップ3社です。ここではこの3社についてまとめたので、ぜひ企業研究に活かしてください。

物流総合力No.1「日本郵船」

郵便汽船三菱会社と共同運輸会社が合併した1985年以来、海運業界のトップを走ってきた会社です。企業理念が「Bringing value to life」ということで、物流を通じて人々に価値を届けることを目指しています。事業内容としては陸海空にまたがる一般貨物輸送、不定期専用船事業を軸に他にも不動産やクルーズ事業など幅広く展開しています。今後は、現事業の市場変化に対応する力の向上と安定した収益基盤を整えるとともに、環境面における価値創出を狙っていくようです。社風は「組織の三菱」と称される三菱系の会社であることもあり、組織力が重視される傾向があります。
【URL】https://www.nyk.com/

海運のエース「商船三井」

130年以上の歴史を誇る商船三井は、業界第2位として長年高い実績を誇ってきました。世界経済の発展、企業価値の向上、環境に配慮した安全性といった内容が企業理念に含まれています。事業内容としては主な海運事業の他に不動産事業などを展開しており、エネルギー輸送が強みです。今後はメインである海運事業における付加価値向上を目指すととともに、技術開発や環境配慮にもより力を入れていくようです。社風は「人の三井」と称される三井系の会社であることもあり、個々の力を活かしやすい傾向があります。
【URL】https://www.mol.co.jp/

財閥系2社に追随「川崎汽船」

1919年に設立されました。上記2社とは違って非財閥系で規模も小さいですが、他社と比べると大きな業績を誇ります。海運業を軸に総合的な物流で人々に価値を提供することを目指しています。事業内容としては海運事業が多くを占めており、その他に陸上、航空、倉庫における物流事業を展開しています。今後は総合的物流における影響力を高めながら、上記2社とは違う独自なチャレンジもしていくようです。社風は積極的にチャレンジしていく精神が比較的強い傾向があります。
【URL】https://www.kline.co.jp/ja/index.html

海運業界では日本を支える大きな仕事ができる

海運は貿易を支える魅力あふれる業界です。「グローバルに働きたい」「スケールの大きな仕事をしたい」という人はぜひ目指してみてください。