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「決算書」でお手軽企業研究!
「決算書」でお手軽企業研究!

就活生にオススメしたい企業分析方法は決算書(決算短信)を自分の目で見ることです!収益や成長率、数字は嘘をつきません。経常利益や純利益の違いをちゃんと説明できますか?言葉を使い分け、数字から正しい情報を掴み取り企業研究を効率よく行いましょう。

IRにヒントあり

企業Webサイトの採用ページではなく投資家に対して企業の経営状態を公表するIR(投資家・株主向け情報)ページにアクセスしましょう。
決算資料やセグメント別の財務報告(事業・グループ会社ごとの経営状況)はどれも参考になりますが、今回は決算短信といういわゆる決算の速報資料に注目してサクッと企業の経営状況を確かめましょう。

今回は「表紙だけ」

就活生の皆さんは勿論株主でも投資家でもないので、今回は表紙(資料の1枚目)の業績のみに注目したいと思います。四半期(3か月ごと)のものと、それら4つを繋げた年間の連結のものがありますが、後者の決算短信を使ったほうが正確にデータを見ることができるはずです。

業績欄には経営成績財政状態キャッシュ・フローの状況の3つに分けて業績が報告されることがほとんどです。

経営成績

経営成績の欄に記載される代表的なデータは以下の通り。

  • 売上収益…売上高
  • 売上利益…粗利(売上高-原価)
  • 営業利益…売上利益から人件費や広告費(販売費及び一般管理費)を引いた額
  • 経常利益…営業利益に資産運用益や利息の支払いなどを引いた額
  • 当期純利益…税金などを支払い終え最終的に手元に残る利益

これらの意味、正しく理解していましたか?

着目すべきは「売上高」「経常利益」

単に売上高(売上収益)だけ見ても、原価が高すぎたり、人件費が高すぎることもありますし、同じ粗利(売上利益)でも稼いだ効率が違うことも十分あり得ます。
そこで、売上高に対する経常利益の割合、ずばり「売上高経常利益率」(経常利益÷売上高)を求めることでその企業の真の価値が分かると言われています。決算短信には載っていないことも多いので自分で計算しましょう。


この割合が高いほど、効率的に利益を生み出すサイクルが出来ていると判断できます。大企業だと5%~10%以上になることが多いですが、その業界によって優秀と言えるボーダーは様々です。ですので絶対的な評価を下すよりは、企業間を相対的に比較する際に用いるのが良いでしょう。

財政状態

財政状態の欄には資産の合計、資本の合計や負債額が記されている。バランスシートの形で書かれている場合も多く、経営破綻のリスクなどを見きわめる指標になりますが、就活生がちょっとかじる分には負債がどれくらいあるのかがなんとなく分かるだけでOKです。

自己資本比率

詳しく記載されているものには「自己資本比率」(自己資本÷総資本(負債なども含む))が記されています。これが20%を切ると危ない、40%以上なら潰れにくい企業だと言われています。

キャッシュ・フローの状況

営業・投資・財務

キャッシュ・フロー(Cash Flow:お金の流れ)の欄では営業・投資・財務活動のそれぞれでどのようにお金を動かしたのかが簡潔に分かるようになっています。数字の前に△が付いていたらマイナスを意味します。投資や財務活動ではマイナスになることが多いですが、営業活動によるキャッシュ・フローはほぼ必ずプラスのはずです。


営業活動によるキャッシュ・フローが前年度やその前の年からどれくらい伸びているかで、順調に稼げているかを調べることができます。

志望動機をより強固に!


どうしても抽象的になりがちな志望動機に実際のデータに基づいたリサーチを加えることで、具体性が増したエピソードになるはずです。そして、これだけ丁寧に企業を研究してくれている学生だと感じてもらえればあなたの熱意も評価してもらえるはずです。数字は嘘をつきません。人事の話や友人の噂話に流される前に、自分の目で企業を精査してみてはいかがでしょうか。