全国の就活生から高い人気を誇る東京メトロ(東京地下鉄)、小田急電鉄、東急(東急電鉄)。併願する就活生が多い中、各社の違いをちゃんと説明できる学生は意外と多くありません。今回の記事では三社の事業内容を総ざらいし、それぞれにマッチした志望動機や自己PRの対策方法を考えます。
Summary
採用人数
まず、各社の合格難易度を左右する採用人数から見てみましょう。
年度 | 東京メトロ | 小田急電鉄 | 東急 | |
---|---|---|---|---|
2018年度 | 23人(13:10) | 19人(13:6) | 37人 | |
2017年度 | 29人(15:14) | 18人(12:6) | 42人 | |
2016年度 | 29人(14:15) | 13人(7:6) | 38人 |
年度 | 運輸 | 不動産 | 流通・広告 |
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2019年3月期 | 383,959 | 13,614 | 37,037 |
2018年3月期 | 376,689 | 12,960 | 35,917 |
2017年3月期 | 368,749 | 12,217 | 34,156 |
圧倒的な鉄道の収益に目が行きがちですが、着実にどの事業も収益を伸ばしているのも評価ポイントと言えるでしょう。潤沢な収益を用いてまだまだ未開発な不動産事業を鉄道沿線に展開する、駅や車内スペースを活用した広告事業等、比較的新規の事業にチャレンジングできる環境と言えます。また、これら3社の中では圧倒的に利用者が多く、インフラとして社会に貢献している面も非常に強いため、それらを組み合わせた志望動機やそれに沿った志望動機を考えられると効果的なはずです。
小田急電鉄
各地域と結びつき強い
小田急電鉄はガツガツとしたほかの2社と比べると、ある種の独自路線を突き進んでいるように見受けられます。新宿や渋谷といった繁華街を押さえつつも、江ノ島線であったり箱根ロマンスカーといった観光に特化した鉄道、または世田谷区のような住宅街に寄り添った路線を敷いているなど、自社のエリアである地区の特色に合わせて変化を繰り返しながら売上を伸ばし続けています。
その経営方針には採用Webサイトにもあるように「暮らしを支えるサービスを提供する」という社風が影響しています。それに伴い、バスや百貨店、不動産といった様々な事業にも注力しています。そのため、セグメント別の利益で見ると、鉄道以外の事業は3割程度を占めています。
年度 | 運輸 | 不動産 | 流通 | その他 |
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2019年3月期 | 29,265 | 13,759 | 2,960 | 5,939 |
2018年3月期 | 28,122 | 12,538 | 4,647 | 5,967 |
2017年3月期 | 28,601 | 12,272 | 3,175 | 5,766 |
参考:2019年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) – 小田急電鉄
参考:2018年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) – 小田急電鉄
東急
令和元年に社名変更&分社化
東京急行電鉄株式会社は、2019年9月2日に東急株式会社に名称を変更し、「電鉄」を社名から外しました。そして、グループ会社として鉄道事業に集中する東急電鉄株式会社を分社化しました。ですから、「東急株式会社」(新)は東急不動産株式会社とは同じグループゆえに非常に類似した名称であるにも拘わらず同じ不動産事業を主力事業とする総合デベロッパーですが経営母体は別という、非常に複雑な状態になっています。
「東急不動産」が東急プラザ(銀座など)を運営しているのに対し、「東急株式会社」(デベロッパー)は、2019年11月にオープンした渋谷スクランブルスクエアなどを運営しており、今後も東急沿線を開発する見込みです。こうした事業に関わりたい方は「東急株式会社」を、鉄道に関わる仕事に特化して働きたい方は「東急電鉄株式会社」を受検しましょう。
なお、東急が東急不動産HDに対して一部出資しているものの営業利益に関しては東急不動産が東急に勝るねじれ状態になっています。それぞれの経営マインドや社風、気になる事業内容をより細かにチェックして吟味しましょう。
就活レポートもあります!
また、レクミーでは内定者による東京急行電鉄(旧)の就活レポートを公開中です!数ある企業の中で何故東急電鉄に決めたのか、面接の際に何を意識したのか、赤裸々に語ってくれています。こちらも是非ご覧ください。
社風に合わせて志望動機を書き換えよう
同じ事業内容に見える三社でしたが、実は意外と社風や経営方針、主力事業が異なっていました。自分が何をしたいのか、それが社風や事業と合っているのかをしっかりと考えて志望動機を考えましょう。そして、各企業に合わせて言い回しや表現を変えることで、業界研究の熱心さをアピールして志望度の高さを伝えましょう。