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「新卒は売り手市場!」と聞くと、無い内定の自分がみじめになるかもしれません。周囲の目を気にして、プレッシャーに押しつぶされてしまう学生も少なくないでしょう。今回の記事では、「無い内定」について客観的に見ていくとともに、その原因と対策をご紹介していきます。

落ち込んだあなたにまず伝えたいこと

周囲の学生と比較して焦ってしまう

夏に入ると、就活を終えた学生は「〇〇どこいくの?」と就活の話題になるでしょう。友人が自分より早く就活を終えていたり、有名企業に入社を決めていると焦りますよね。「自分は落ちこぼれだ…」と絶望してしまう就活生も少なくありません。しかし内定に関する学生の認識は現実からズレていると言わざるを得ません。
「有名企業から内定をもらっているから優秀だ」
「内定を複数持っている優れた学生だ」
こういった認識は学生時代特有のものです。有名企業の内定を取ることと本人の能力は必ずしも直結しません。正直「なんでこの人が?」と思うほど内定先と能力が釣り合っていない学生を筆者もたくさん見てきました。「複数内定=勝ち組」という認識は「就活症候群」にかかっている学生に典型的なものです。入社できる会社は1社しかないのに、何社も内定を取り続ける学生は「過剰な労力」をかけていると言えます。入社先を早めに決めて自己投資する方が勝ち組ではないでしょうか。

社会に必要とされていないと感じる

就活では自分という人間を売り込みます。自己アピールしたのに「弊社では採用しません」と言われ続ければ誰でも落ち込みます。「自分には価値がない」と感じるかもしれませんが、あなた自身を嫌いにならなくても大丈夫です。
日本では新卒採用は「ポテンシャル採用」が主流で、数回の面接で学生を見極める「困難な作業」を行っています。そして実際には、本人の資質以上にアピールの上手さや見栄えの良さが結果を大きく左右しています。あなたが落選した(無い内定である)のは「あなたに資質がないから」というより、「面接であなたが良さげに見えなかったから」に過ぎません。素材はいいのに、営業が上手くいっていない状況だと考えて、割り切っていきましょう。売り方に問題があるだけなのです。

無い内定の学生は体感よりも多い

周囲の学生は順調に内定を得て就活を終えているように見えませんか。それは少し実態に合わない感覚かもしれません。誰しも自分の失敗は隠したがるものです。上のデータの通り、実は6月時点でも就活生の4人に1人は内定を持っていません。夏に入っても戦い続けている学生は少なくないのです。加えて、同年12月には内定率が95%まで上昇しており、就活を継続活路が見出せるとデータが裏付けています。

落とし穴①:エントリー数が少ない

ここからは無い内定の原因を深掘りしていきます。無い内定の原因として考えられるのが、受検企業数が少ないケースです。売り手市場とは言いますが、大企業の求人倍率は0.37倍となっており、3人が1枠を取り合っている計算になります。人気企業は10倍以上の倍率も普通ですから、10社以上受けて内定が出るかどうか…という水準です。すでに受検された企業数はどれくらいでしょうか?公益社団法人全国求人情報協会によると、プレエントリー数の平均が29社、書類選考受検数の平均が14社となっています。平均ですら30社弱の受検になっていますから、受検企業が20社未満の方は持ち駒が少なすぎたことが原因と考えられます。

対策:着実に持ち駒を増やす

対策として、「バランスよく受検企業を探す」ことが有効です。まずはしっかりとリサーチを行ってください。夏以降は3月ごろと比べて採用活動を継続している企業を探すのが難しいかもしれませんが、さまざまな媒体を使って夏採用を探していきましょう。夏採用のみの合同企業説明会もあります。ここで注意して頂きたいのは「バランス感覚を持つ」ことです。「大企業のみ」「広告業界のみ」「管理部門のみ」と絞り過ぎてしまうと、入社難易度や採用傾向が偏ってしまうリスクがあるためです。リスクを分散させて、確実に内定を確保していきましょう。

落とし穴②:志望業界と適性業界が異なる

学生ごとに、「良い評価を受けやすい業界」があります。人間関係の調整力にたけている学生は金融機関に重宝されやすく、論理的に仮説を立てられる人はコンサルで活躍できます。上図の学生はメガバンクを強く志望していますが、実はメーカーが熱視線を送っています。自分の苦手なことには気づいても、得意なことには気づきにくいものです。やりたいことだけでなく、向いていることにも目を向けて受検企業を決めていきましょう。

対策:勝てるフィールドで戦おう

こうした隠れた特性を活かすためにも、業界の幅を広げましょう。熱帯で毛織物が売れないように、自分の向かない業種では内定が取れません。他己分析や強み分析を通じて客観的に自分の強みを把握しましょう。

落とし穴②:エントリーシートの書き方・文体が読みにくい

エントリーシートの内容はサークルや学問までですが、一貫して重要なのが読みやすさです。特に「日本語をしっかりかけているか」「話の流れが追いやすいか」といった基本的なことができていないと、読む側の評価は厳しいものになります。

対策:人の力を借りる

こうしたわかりやすいミス、失敗は添削で早めに解消してしまいましょう。先輩や大学のキャリアセンターにお願いするのが一般的ですが、OB訪問や家族にチェックしてもらう方法もあります。自分では気づかないところは人の力を借りるのが内定の近道です。

落とし穴④:企業情報が頭に入っていない

就活で「志望度をアピールしよう!」といいますが、「オンシャガダイイチシボウ!」と宣言するだけでは説得力に欠けます。そこで効果的なアピールになるのが、企業情報を把握しておくことです。志望度が高ければ、就活生は必然的に情報を調べるからです。主要事業や職種を理解していない状態では、「滑り止めにされているのだろう」と軽く受け止められるはずです。

対策:採用ホームページ・パンフレットだけでも熟読する

IR情報や四季報、日経新聞の記事などリサーチの方法は多岐にわたります。しかし、忙しい就活生には大変な作業になってしまいます。そこで、就活生に知ってほしい情報が凝縮されている公式ホームページなどを読み込みましょう。基本と思われるかもしれませんが、軽く読み飛ばしている学生も少なくありません。身につけた知識は自分のキャリアの展望や強みに結びつけて血肉化していければ万全ですね。

落とし穴⑤:自己PR・志望動機に説得力がない

「就活は建前ばかり」と批判されますが、自己PRや志望動機で建前ばかり述べると説得力に欠けます。自己PRでは「大会優勝」「サークルのリーダー」など、学生にとっては「すごい経歴」を飾ろうとしてしまいます。しかし企業が気になっているのは「すごい経歴」ではありません。(そもそも大人からしたらすごくもありません)

対策:エピソードの具体化と志望動機の理詰め

企業にとって重要なのは、
①物事をどのように頑張る人なのか
②なぜこの会社に入りたいのか
という情報です。①は素朴な内容でも問題ありません。成果が立派なのは結構なことですが、プロセスが何よりも大切なのです。問題に突き当たったとき、自分が何を感じて、どうしようと思ったのか、しっかりと具体的な説明ができるようにしましょう。
②で就活生が陥りがちなのは、「うちじゃなくてもいいんだろうな」と思わせてしまう志望動機です。「そんな無茶な」と思うかもしれませんが、企業は内定辞退を何よりも恐れています。そのため、志望動機をしっかりと練り上げることで企業を納得させることが必要です。自分の価値観や過去のエピソードと結びつけることで、「この業界・企業じゃないとだめだ」という論理を構築しましょう。

内定を1つ取るまでの踏ん張ろう

就活が長期戦になってくると、「ずっと無い内定のままなんじゃないか」と不安に駆られると思います。しかし、上記のデータの通り、努力を続ければ内定は獲得できます。内定を1つ取れば一息つけますから、なんとか踏ん張っていきましょう。