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テレビ局の就職事情
テレビ局の就職事情

テレビ局は就活生から特に人気が高い企業ですが、その採用スケジュールや選考の形態は他の日系企業と大きく異なります。そのため、エントリーに間に合わなかったり、選考で思わぬミスをしたりする可能性も。今回はテレビ局の就活事情についてまとめました。

マスコミ業界における「テレビ局」の立ち位置

マスコミには4種類

情報を発信する媒体としてのマスコミ(mass communication)業界は、「放送・新聞・出版・広告」の4つに大分することができ、テレビやラジオは一つ目の「放送」にあたります。

テレビ局の種類

更に区分を細かくすると以下のように分類することができます。
公共放送局の「NHK(日本放送協会)」
キー局と呼ばれる主要テレビ局「日本テレビ」「テレビ朝日」「東京放送(TBS)」など
上記テレビ局に準ずる準キー局「読売テレビ」「関西テレビ」など
各都道府県を放送エリアとする放送局「TOKYO MX」「千葉テレビ」など
上位大学に所属する就活生からはNHKとキー局が高い人気を誇っており、今回の記事もNHK・キー局を中心にテレビ業界の分析を進めていきます。

職種

職種は「アナウンサー職」「総合職」「技術職」の3つに分けられます。
業務内容に関しては名前の通りで、アナウンサーとしてテレビ局で勤めるか、企業の経営や番組制作を支える総合職か、または番組制作の更に裏側を技術面から支える技術職かを選んで選考を受検することになります。
なお、企業によっては「総合職」という名称ではなく「一般職」という名称になっていることもあるので、細心の注意を払ってエントリーしましょう。
テレビ局の大半では職種ごとに採用活動が行われており、一つの職種で落選してしまっても他の職種の選考を再び受験できるケースも少なくありません。とにかくテレビに携わりたいという強い気持ちがある方は複数の職種にチャレンジしてみるのも良いでしょう。企業によっては、志望度を高く評価してもらえることも考えられます。

選考スケジュールと採用人数

キー局は選考開始が早い

テレビ局の選考を受けるにあたって一番気を付けたいのはエントリーの時期です。通常の日系企業は3月の広報解禁に合わせてエントリー可能になる場合がほとんどですが、キー局の総合職(一般職)採用開始の時期は12月~1月に設定されていることが多いです。
アナウンサー職に関してはこれよりも早い時期に選考が始まったり、技術職に関してはこれよりも遅い時期に選考が始まったりするため、複数の職種を受検することが可能になっています。
一例として受検者層の多い総合職の2020年卒選考スケジュールを見てみましょう。
TBSテレビではエントリーシート(ES)提出締切日が2019年1月20日(日)に設けられており、フジテレビでは2019年1月8日(火)に設定されていました。他のキー局も足並みを揃えて例年12月下旬から1月下旬に締切日を設定しているようです。そして2月中には最終面接を済ませて内々定承諾までスピーディーに選考が進みます。

キー局の採用人数は少ない

テレビ局の根強い人気に反してキー局の採用人数はとても少ないです。どの会社でも総合職で20人~30人前後となっているのに対し、例年2万人を超えるような大勢の就活生からのエントリーがあるため、どのキー局も難関企業と言えるでしょう。
後述しますが他の業界と対策を共有しづらいため、選考スケジュールが早いとはいえ記念受検や練習受検の層は少ないと見られており、厚い受検層の中で自分らしさをアピールする必要が出てきます。

NHKは普通の企業と同様

これらのキー局に対して、公共の放送局であるNHKは世間一般に倣った採用スケジュールで選考が進みます。具体的には、5月中旬までにES・WEBテストの締切があり、6月1日以降に一次面接がスタートするというスタンダードな選考フローになっています。
2019年4月の採用実績は384人であり記者職として全国に配属になるため、他のキー局と比べて採用人数が多くなっています。

選考の内容

次に選考の内容についてお伝えします。

筆記試験

SPIや玉手箱といったWEBテストによる能力検査を行わずに、各社が独自で用意している筆記試験を解くケースが多く見られます。その中で、各社の番組に関する知識が問われるもの、社会に対する意見をエッセイとして長く書き連ねるもの、さらには、独自の発想力などを求められるものもあります。
たとえば、TBSの2019年卒ESの設問では、「あなた自身にハッシュタグ(#)を5つ付けてください。」という質問が設置されています。
自己を客観的に分析した上で、分かりやすく端的な、そして他の受検者よりもインプレッシブなワードチョイスができる独創性が求められているのが分かります。

面接が多い

これだけ多くの受検生を精査した上でごく少数の人材を採用しなくてはいけないので、面接を何度も行って丁寧にふるいに掛けます。そのため、NHKを除いて5~6回ほど面接を通過しなければいけないというテレビ局がほとんどです。
1月から2月という短い間に複数のテレビ局の面接を幾度も受検する過密なスケジュールは避けられませんので、体調管理は勿論、ESや面接での発言内容をしっかりと管理することも重要です。
テレビ業界自体も選考スケジュールが非常に前倒しゆえに、この業界での面接が初めての本選考となってしまわないように注意しましょう。年内までに外資系企業やIT企業の本選考を1つ以上は受検したうえで、先輩やOB、キャリアアドバイザーと入念に面接の対策をして臨むことを強くおすすめします。

時事問題は入念にチェック

筆記試験・面接で共通して言えるのは、時事問題へのアンテナを常に動かし続けることです。上述の通り筆記試験で自分の考えを発信することもありますが、面接の場で急に「〇〇のニュースに関してどう考えますか。」と意見を求められるのも頻出の質問です。日常から社会情勢への関心を抱いて自分の考えを持つように心掛けることが大切です。

入念な対策を打つために早急な準備を

テレビ業界の受検に関しては他の業界以上に専門的な対策が不可欠となっており、エントリー締切もすぐそこまで迫っています。素の自分を発揮することも大切ですが、採用人数の少なさを見れば、企業が採用したいと思ってもらえるように丁寧にすり合わせることが重要です。対策次第で狭き門をくぐり抜けましょう!