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キャリアプランからみつける志望先
キャリアプランからみつける志望先

就職活動のエントリーシートや面接を通して「将来の夢」を質問されることがあります。しかし、「サッカー選手になりたいです!」というような漠然とした内容では回答として適切ではありません。今回は就職活動における「将来の夢」の語り方を「キャリアプラン」とあわせて紹介します!

就活における「将来の夢は何ですか」の意図

就職活動において聞かれている「将来の夢」とはそもそもどういうことでしょうか。面接やエントリーシートでの回答として「結婚したい」「老後はハワイで暮らしたい」などはあまり適切ではないかもしれません。では、「将来の夢はなんですか」という質問は選考においてどのような意図があるのでしょうか。今回は3つの観点を考察しました。

目標を設定する能力

選考において聞かれる「将来の夢」の1つ目の意図として目標を設定する能力を推し量ることを挙げました。将来の夢というのは「明日何をしたいか」ということよりも、かなり先の未来で、現時点で自分がもっている理想についてどのように叶えていたいと考えているかということです。長期的な目標と言い換えてもよいでしょう。理想に近づいた長期的な目標は実現の可能性がなければ、それまでの自己分析の内容や自分の価値観との乖離が生まれてしまいます。
そのことから、かなり先の夢として叶えられる範囲の適切な目標を、具体的に考えることの能力を推し量ることが可能です。
さらに、面接の場では、主体的にどのような行動を起こして達成しようとしているかなど深掘りして質問することでその能力の有無を裏付けようとする場合もあるかもしれません。

就活生(候補者)の価値観を知るため

就活の選考において質問される「将来の夢」の意図の2つ目には候補者の価値観を知りたい、という点があります。
多くの就活生が就活に向けて自分の過去を振り返り、得意なことや苦手なことを明確化する機会があるでしょう。しかし、それと同時に志望先の決定には未来軸での自己分析も欠かせません。このような自己分析を通して明らかになった価値観から、どんな意思や理想をもって自分の人生を選択していきたいと考えているか、を明らかにすることができます。
したがって、採用担当者は将来の夢を聞くことによって候補者の価値観をはかり知ることができるかもしれません。

選考企業とのマッチング

最後に、選考で聞かれる「将来の夢」の意図として企業とのマッチングが挙げられます。企業の選考において、採用担当者が重視して候補者を評価する点には経験や能力はもちろんですが、それ以上にその企業にマッチしているかどうかということです。
多くの企業は企業として目指す姿やビジョン、全社的に共有している価値観があります。こうしたビジョンや価値観と、候補者本人の価値観があまりにもかけ離れていると、採用されても目標を持てなかったりあまり良いパフォーマンスができなくなってしまう場合があります。こうしたことから、志望している企業で質問される将来の夢については、企業と価値観的にリンクしている部分があるか、ビジョンと候補者個人の目標のベクトルがかけ離れていないか、という点にも注視して聞かれている可能性があります。

将来の夢を改めて考える

以上のように、将来の夢を聞くことで、採用担当者は候補者の目標設定能力から価値観、マッチ度を評価することが可能であり、重要な質問であることが分かりました。では、実際にどのように就活生がその質問の答えを導き出せばよいのでしょうか。今回は人物像・ライフプラン・キャリアプランの3つの軸から考えてみましょう。

人物像

3つの軸のうち、「人物像」については将来の理想として、企業の中で、友人や仲間内でどのような人としてみなされる人物でありたいか、ということを構築していきます。
例としては、「影響力があって尊敬される人」「リーダーシップがあり、周りの人々を引っ張って行くことができる人」「悩んでいたり弱った人を支えることのできる人」などがあります。周りの人とどのように関わるかということについて考えることで、自分が将来的に企業においてどのような立場でいることを望んでいるかということを明確化することができます。
「影響力のあって尊敬される人」「周りの人を引っ張っていける人」であれば、企業内で、自分を中心としたプロジェクトなどを遂行できる環境を見つける、切り開く必要があり、それが目標になります。一方で、「人を支えることのできる人」の場合は個人の力で何かをするよりチームや多くの人が集まって取り組む環境を見つける、作りだす必要はあります。
人物像については徹底的に自分が一番心地よい理想を突き詰めて考えることがポイントです。

ライフプラン

ライフプランとは、どのような暮らしを送りたいと考えているかです。先述した「結婚したい」や「老後はハワイで暮らしたい」などの夢はこのライフプランにおける目標として考えるとよいでしょう。このようなプライベートでどんなことをしたいと考えているか、について具体的に何年後に達成しているかまで突き詰めて考えてみてください。
ライフプランについては人物像とは反対に、徹底的に現実的に予想される日々の暮らしについて想像して考えることがポイントです。

キャリアプラン

最後にキャリアプランです。今回は就活で聞かれる「将来の目標」の適切な回答方法について考察しているのでキャリアプランだけを詰めていくことでも大方不足ない回答を導きだすことは不可能ではないでしょう。しかし、ある採用担当者によれば現実的なライフプランへの考慮の有無は目標設定能力と実際の実現可能性に密接に関わっていること、志望企業にマッチしているかどうかは就活生自身にとっても重要な観点であることからも上記の2つの軸とすり合わせて考えましょう。
実際に、選考企業で働いている自分を想像して具体的にどのような業務でどんな目標をいつまでに達成したいかということを考えましょう。身につけたい能力とその優先順位や期限、身につけた能力をどこでどのように活かしたいかを考えます。企画系の職種では実際にいつまでにどんなプロジェクトを提案したいかなどの実際の具体施策を用意することも効果的です。その際、その目標がプライベートとつり合いの取れた目標であるかということを現実的に考える、という点で上記2つの軸とすり合わせます。

選考で将来の夢を語る際のポイント

「将来の夢」がエントリーシートや面接で質問される意図、実際に将来の夢を考える手法についての考察をもとに効果的に意図に沿った回答のポイントを紹介します。

実現可能な計画

選考で採用担当者が、目標設定能力を評価する目的がある可能性について考察しました。このことから、実現可能な計画(キャリアプラン)に紐づけた内容で具体的期間や数値と併せて論理的に回答することが重要です。つまり、人物像やライフプランをもとに現実味のあるキャリアプランを設定し、理想としてある将来の夢がどのように実現されるかを採用担当者が想像できるようにできるだけ具体的に説明する必要がある、ということです。

企業との相性の良さをアピール

選考そのものの目的は、スキルや経験を推し量ることだけでなく、その企業の価値観やビジョンとマッチしているかということの判断材料になりうることが分かりました。したがって、企業のビジョンや社風との相性の良さをアピールすることも重要です。
相性の良さをアピールするためには、企業についての理解を深める必要があります。企業理解には、その企業の説明会やインターンシップ、OB訪問などから価値観を吸い上げて想定すると同時に、企業情報をしっかりと確認しておきましょう。この作業は選考でより良い評価を得る手助けになるほか、自分自身が選考企業で無理なく働けるかどうかを判断できる良い手段です。

就活ではリアリティのある将来の夢を語ろう

就職活動におけるエントリーシートや面接で聞かれる「将来の夢」は、志望者の価値観や目標設定能力さらには企業への志望度が評価されるとても重要な質問項目であることが分かりました。選考においてキャリアプランに紐づいた内容をリアリティある計画と併せて効果的にアピールすることでより良い評価を得ることができるかもしれません。
自分の未来を大きく動かす就職活動だからこそ、理想と現実を再考し、本当に自分にあった企業探しとマッチしていると感じる企業で適切にアピールできるよう応援しています。