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電通や博報堂をはじめとして、就活生の間で常にランキング上位の人気を誇る「広告代理店」ですが、実際はどのような仕事をしているのでしょうか。「激務」や「ブラック」などと言われることが多いものの、その仕事内容は多岐にわたります。この記事では、広告業界の現状、仕事内容や働き方、さらに就活事情について一挙ご紹介します。業界研究や面接対策にぜひ活かしてください!

広告代理店の種類

「広告」と言ってもテレビコマーシャルにネット広告、電車の中吊り広告など様々な広告がありますよね。同じように「広告代理店」にも業務内容によって色々な種類があります。大きく分けて「総合広告代理店」「インターネット広告代理店」「専門広告代理店」「ハウスエージェンシー」の4種類があります。

総合広告代理店

広告に関するものは何でもやるのが「総合」広告代理店です。代表して電通、博報堂、ADKなどが例にあげられます。様々な領域に関わっている分、その広いネットワークを活用できるのが強みです。最近では広告事業だけにとどまらずコンサル業を行う企業も多いです。

インターネット広告代理店

最近よく目にされる「インターネット」に関する広告を扱うのがインターネット広告代理店です。TwitterやInstagramなどのSNSやYoutubeをはじめとした動画配信サイトにおける広告が主です。代表的な企業にサイバーエージェント、オプト、セプテーニなどがあります。テレビに代わるメディアとして注目されていることもあり、非常に需要が高くなっています。

専門広告代理店

インターネットを専門としている広告代理店があるように、他のメディアに特化しているも多くあります。例えば「交通広告」「新聞広告」「ラジオ広告」のように専門性を持った企業も多いです。

ハウスエージェンシー

上記のようにメディアに特化するのではなく、取引先をグループ会社に限定する広告代理店のことを「ハウスエージェンシー」といいます。例として東急エージェンシーやJR東日本企画があり、それぞれのグループ専属の広告代理店なので、コストを安く抑え、かつ迅速な意思疎通が可能となっています。

仕事内容

では、広告代理店の実際の仕事内容はどのようなものでしょうか。取引する業界に注目して5種類に分けてご紹介します。

営業

営業が取引するのは「クライアント」です。広告を出したい企業の担当となって「仕事を取ってくるのが仕事」です。担当企業のニーズに沿った広告を作るために、チームを編成し、主導するのが営業です。関係者との付き合いが圧倒的に多いので、コミュニケーションが好きな人やチームプレーが好きな人は向いていると言えるでしょう。

メディア

メディアが取引するのは文字通り「メディア」です。テレビ、ラジオ、新聞、ネット、看板などの「広告を出す枠」を取ってくるのが仕事です。それぞれのメディアがどのようなコンテンツを作成していて、どのような視聴者層を獲得しているのかを理解し、広告枠を押さえることが重要です。「ドラマと言えば月9」のように枠によっても人気が違うので、担当メディアの理解が欠かせません。

クリエイティブ

クリエイティブは「広告を作ることが仕事」です。テレビCMをはじめとして有名な広告作品が多く作られていますが、クリエイティブがアイデアを出すことで広告が作られています。広告は「アイデアで人の心を動かす仕事」とよく言われますが、柔軟な発想力がある人はクリエイティブに向いているでしょう。

プロモーション

プロモーションは「イベント・キャンペーンを企画・運営することが仕事」です。実際に体感してもらうことで人の心を動かすので、アイデアはもちろん、集客力や実行力が欠かせません。人の行動を対象にしているので、自分の仕事が目に見えやすいのが特徴です。文化祭や学園祭などの学校行事が好きな人は向いているでしょう。

マーケティング

マーケティングは「広告戦略に関するコンサルが仕事」です。対象ユーザーや市場の調査を行い、広告を出した後の結果を分析し、さらに良い方向へ修正していきます。多くの人々に広告を流し、さらに行動へと繋がるように戦略を立てるので、物事を深く考えたり戦略を立てるのが好きな人は向いていると言えるでしょう。

広告代理店の働き方

では、実際に広告代理店がに入社したらどのように働くのかご紹介します。

キャリアと年収

広告代理店で経験を積んでいくと早くて5年ほどで「マネージャー」や「ディレクター」といった管理職に昇進することが多いです。1つのプロジェクトを束ねるので、多くの関係者を巻き込むことが必要で、社内外問わず関係性が重要になってきます。企業によって多少異なりますが、管理職になれば年収1000万円以上の企業も多いようです。

ブラック?!

「広告代理店はブラック」とよく言われますよね。クライアントの時間に合わせて動くことが多く、深夜問わず連絡がくるなどのイメージがブラックな働き方だと認識されている部分もあります。また、納期なども厳密に決められているため、納品前は作品が完成するまで居残るのも事実です。ただ、働き方改革をどの業界よりも率先して行っており、短く濃密に働こうという風潮が根付いてきています。

やりがい

広告代理店で働くうえで、なんといっても「自分の仕事によって人の心を動かす」のは大きなやりがいです。自分がおすすめしたものを友達が気に入ってくれた時のような達成感が大きく、それを世界規模でできるのは大きな魅力ですよね。

広告業界の現状

就活生に人気のある広告代理店ですが、業界としては業績が振るっていないのが現状です。広告代理店の課題とそれに対する取り組みを詳しくご紹介します。

課題

世間の変化として「デジタル化」が広告代理店に大きく打撃を与えています。従来は広告を出したいクライアントと広告を流すメディアとを繋げるのが役割だったので、テレビ局や各企業との関係性が何よりも大事でした。しかし、インターネットによって「新たに台頭したメディア」と各企業が直接繋がりやすくなったことで、広告代理店が間に入る必要性が無くなってしまいました。「デジタル化にどれだけ対応できるか」が広告代理店の大きな課題です。

取り組み

では、どのような取り組みを広告代理店が行っているのでしょうか。デジタル化への対応として「メディア部門の強化」、一方でネットワークを活かした「コンサル業」や「商社業」などに乗り出しています。例をあげると、博報堂は大広と読売広告社と共同して博報堂DYメディアパートナーズを創設しメディア部門に注力しています。また、電通はイギリスのデジタルメディアに特化した大手広告代理店イージスグループを買収しデジタル化への対応は進める一方で、そのネットワークを活かした新規事業にも乗り出してます。

広告代理店の就活事情

では、広告代理店の就活はどのようなものでしょうか。選考における特徴と注意する点についてご紹介します。

選考が特殊?!

良いアイデアを出すことが求められる仕事なので、クリエイティビティを試すような選考があるのが大きな特徴です。「紙一枚であなたを自由に表現してください」といったエントリーシートや「あなたの自伝を書くとしたらどのようなタイトルにするか」といった突飛な質問など、創造性が求められることがあります。奇をてらう必要はありませんが、面接官の想像を裏切るような回答をすると「面白い学生だな」と高く評価してもらえることが多いです。

求められる人材

何事にも「なぜ?」と物事に敏感な人が求められます。人の心を動かすためにはその人の考えていることを理解する必要があるからです。色々なことに常にアンテナを張っておきましょう。加えて、関係者が多い仕事なので、どんな場でも個性をしっかりと出せる人が求められます。よく言えば「変わってる人」ですが、奇をてらい過ぎると「仕事でちゃんとコミュニケーションできないかもな」と低い評価になってしまうので、自分のありのままをしっかりアピールできるようにしましょう。

志望動機

オーソドックスな志望動機は「人の心を動かす仕事がしたい」です。その場合、部活動・サークル活動や学校行事などの経験や自身の恋愛経験など、実際に人の心を動かした経験を交えて話せるようになる必要があるでしょう。また、「自分の仕事が目に見える」ことも広告代理店の魅力なので、文化祭や学園祭のようにチームで何かを作った経験を交えて話せるとより良いでしょう。

好きな広告

広告代理店の選考を受けるうえで避けて通れないのが「好きな広告」です。ここで注意するべきことが「どの企業が出している広告なのか」を理解していることです。例えば、電通の選考で「プレミアムモルツのCMが好きです。」と言えば「どこが作っている広告か知っている?」と聞かれるでしょう。サントリーのプレミアムモルツは博報堂が担当しているのですが、これは一発アウトと思っておいた方がいいでしょう。実際に働くうえでも、クライアントの前で競合他社の商品を使うのはNGとされています。好きな広告を答えるうえでも全く同じです。どこが作っている広告なのかよく調べておきましょう。

まとめ

広告代理店はただCMを作っているだけではありません。「生活者の心を動かして行動させる」ためなら何でもやっています。そこには様々な専門生を持った人が関わっていて、緻密に計算されたアイデアがあります。広告代理店の就活を考えている人は、日常にあふれる広告に目を向けてみて下さい。その広告がどんな人に刺さるのか、その結果その人はどう行動するのか、考えてみると深い魅力があるでしょう。広告代理店の仕事を理解して、内定にグッと近づきましょう!