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サークル代表のガクチカを考える
サークル代表のガクチカを考える

「就活期になるとサークルの代表・副代表(幹事長)が急増する」というブラックジョークをご存知でしょうか。ウソをついてまで経歴に箔を付けようとする学生を皮肉った内容です。役職を盛ってまで自分を大きく見せる手法は本当に有効なのでしょうか。また、サークルの代表として活躍した経験をニセ幹部に埋もれないガクチカの考え方をご紹介します。

役職で嘘をつくメリットは無い

サークルや部活動、アルバイトなどの課外活動における役職に関して嘘をついたり盛ったりするメリットはありません。

嘘が見破られたリスクの方がずっと大きい

企業の面接官は何百人という学生のエピソードを聞いています。エピソード内の矛盾点や不審な点にはすぐに気づき嘘を見破られてしまいます。付かなくても良い些細な嘘で採用のチャンスを手放してしまうのは合理的とは言えません。役職に頼らないエピソードを用意しましょう。

頑張ったことは普通で良い

学生時代に頑張ったことは稀有な体験である必要はありません。大会やコンテストでの優勝がなくても、海外留学・ボランティアなどに参加していなくても大丈夫です。ましてや、サークルや部活動で代表・キャプテンを務めたことがない学生が大半です。
次項で説明しますが、リーダーを務めたこと自体が頑張ったことではありません。しかし、頑張ったことを伝えるときに説得力を付け足すことができるので、有効にアピールする方法を考えましょう。

大切なのは「結果」より「過程」

役職はあくまでも「結果」

代表という役職に就いた事実はあくまでも「結果」です。それに至るまでの自身の努力や価値観などが企業の考え方とマッチするかが大切だからです。
あなたが頑張ったと胸を張って言えることなら、結果の大小は問われません。その結果が自身と周りにどんな影響を与えていたかを思い返してみましょう。
裏を返せば、本当に代表の役職を任されていた学生でも、その過程で苦労したことなどを論理だてて説明できなければ、役職で嘘をつこうとしている学生に埋もれてしまいます。代表という結果に至るまで、そして代表として大変だったことを今一度振り返ってみましょう。

役職に頼らないガクチカを用意

筆者は大学でテニスサークルに所属し、実際に代表を務めていました。しかし、ガクチカには代表として「通年で」苦労したことに関してはほとんど書きませんでした。
なぜなら、代表としての職務を振り返ってみるとどうしてもアバウトな内容になってしまいがちだからです。渉外担当や会計、練習指導など役割が非常に細分化されており、代表としての通年での職務を具体的に説明しようとすると「全体の取りまとめ」以上に的確な言葉が思いつかなかったからです。
代表としてサークルを運営していると、部員同士の衝突やしがらみをコントロールしたり解決に奔走したり、そのサークルならではの苦労は必ずあったとは思います。しかし、上手に解決できなかった、もしくは上手に説明できない場合は控えたほうが無難です。
そこで筆者は、一番苦労したイベントや達成感があった出来事を一つだけピックアップして掘り下げました。新入生勧誘の担当をリードした経験を取り上げ、その際に代表として支えたことを付け加える程度に話しました。

想定されうる深掘り質問

リーダーとしての経験がある場合は大々的でなくてもアピールポイントになります。そのため、こちらから話したくなくても深掘した質問をされることが想定されます。

なぜその役職になろうとしたか、なぜ推薦されたか

どうして自身がその役職に就こうと思ったのかをしっかりと説明できるようにしましょう。他薦でその役職を務めた場合はなぜ多くの方から信頼を得ることができたのかを考えます。
NGな回答例としては、「その競技が同期の中で一番上手だったから」です。自身の意思が関与していない行動ですので、学生のパーソナリティが一切読み取れません。
もしもこうした理由でリーダーを任されている場合は、「活動に打ち込む姿勢・努力を認めてもらい信頼を勝ち得た」と言い換えることで自身の強みをアピールできます。

自分の意志で変えたこと

自分の意志で何か改革を起こした経験については聞かれるはずです。規模の大小にかかわらず自分以外のチームメンバーに何か影響を与えたことは「巻き込んだ経験」として重視する企業が多いです。
活動の改革を実行しようとした理由やモチベーション、影響や数値を具体的に説明できるようにしましょう。

リーダー経験を語る際の注意

代表経験を語るに際して注意しておくべきポイントは2つあります。

熱量と客観的な視点を併せ持つ

1つ目のポイントは課外活動にささげた熱量を冷静に伝えることです。自分が熟知している内容だとついつい飛躍した説明、感情移入した主観的な説明になってしまいがちです。実際の面接では、歳が離れた面接官や役員を相手に分かりやすく説明する必要があります。親しい友達や先輩だけではなく、企業のOBや大学の就職課なども有効に活用して練習しましょう。

入社してから活かせるスキルとしてアピール

2つ目は、チームをまとめたという経験として話しそのスキルを入社後にも生かしたいと伝えることです。企業に入社して部下やチームを引っ張る立場になった際、さまざまな部署・職種の社員を率いることになります。
「リーダーとしての経験が入社してからどう役立つか」と面接官に質問される前に自分から答え、入社後のビジョンを明確に持っていることをアピールしましょう。

「リーダー」は加点!でも準備は入念に

学生時代に代表・リーダーを務めた経験はプラスに評価されるはずです。ただし、「学生の長所をもっと見たい」と深掘りされやすいトピックですので、入念に対策をしていないとかえってマイナスに評価されてしまうかもしれません。就活の基本である論理的で分かりやすい表現を意識し、どんな相手にも伝えられる自信を持って面接に臨みましょう!