ページ上部バナー
ホワイト企業、隠れ優良企業
ホワイト企業、隠れ優良企業

2021卒の就活もサマーインターンにさしかかり、志望業界や就活の軸が見えてきたという方も多いのではないでしょうか。会社選びをする中で、「ホワイト企業」「隠れ優良企業」という言葉は魅力的な響きを持っています。特にやりたいことのない就活生であれば「なんかよさそう」となるのは当然です。しかし筆者はこのホワイト企業を慎重に検討しないとむしろ危険だと考えています。今回はその理由をご紹介させてください。

ホワイト企業とは具体的にどのような企業のことか

一口にホワイト企業といっても、含まれる要素はさまざまです。一般に語られるホワイト企業がどんなポイントから評価されているのかを最初に確認していきましょう。

残業時間が少ない・有給休暇取得率が高い

ホワイト企業を語るうえで欠かせないのは、緩やかな労働環境です。残業時間が少なく定時で帰れる、有給が比較的容易にとれる。そしてアフターファイブにはプライベートを満喫できる…そんなイメージがありますね。
たいていのホワイト企業ランキングでも、有給休暇取得率や残業時間の少なさを指標にしています。

仕事が楽だが給与は十分

人は誰しも欲を秘めた生き物。仕事の楽さは大切だが、給与も諦められない!という方も多いでしょう。筆者もまったく同感です。「まったり高給」と表現されるお仕事はまさに貴族階級を思わせるような余裕の暮らしぶり。まさに理想的です。

経営が安定している・倒産のリスクが極端に少ない

絶対につぶれない、安定している、なんかエリートっぽい。そういったイメージのある企業もホワイト企業に数えられます。ディベロッパーや大手メーカーなど、将来にわたって安定した経営が期待できる企業です。
いくら働きやすい環境でも、会社がつぶれてしまっては元も子もありません。健全な経営、安定した業績も必要な条件といえます。

離職率が低い

よい環境であれば、やめる人も必然的に少なくなります。東洋経済新報社は「新入社員に優しい「ホワイト企業」」と題して3年後離職率のランキングを作成しており、ホワイト企業の代表的指標であることがわかります。

ホワイト企業を考える上での注意点

筆者はもともとホワイト企業、正確にはホワイトな地方自治体を志望していました。しかし現在はいわゆる激務産業に入社を決めています。方針を180度転換した筆者がどうしてもホワイト企業志望者に伝えたいことを以下にお話しさせてください。

仕事は自分にとって嫌なものか

「仕事は大変だ。つらいものだから、ゆったり働けるところがいいよ」
といろんな大人に言われませんか?
筆者の両親もそうした価値観を持っていたので、筆者は自然と「ワークライフバランス」のライフを優先するような価値観に基づいて進路を考えていました。しかし、世の中には仕事に喜びを見出す人も大勢います。
仕事はつらい、という社会人は「自分は毎日会社にいきたくないから、世の中仕事はそういうものなんだ」と個人の体験を一般化しているに過ぎないかもしれません。
働いてみないと、仕事が楽しいのか、ただ辛いものなのか判断がつきません。実際にあるアンケート調査では、仕事が楽しいか?という問いに対してYes/NOがそれぞれ50%程度と拮抗した結果になっていました。
それでも「仕事は大抵辛いんじゃないの?」と思いますよね。仕事が楽しくて仕方がない人はあまりいないと思います。しかし「まあまあ楽しい」くらいならできるかもしれないと思うのです。大学の授業で面白い授業ってありませんでしたか?
退屈な授業が大半を占める大学でも「けっこう面白いじゃん」と思える授業を見つけたことがあるはずです。その「まあまあ面白い」感覚が仕事にも言えるのではないかと思うのです。
友人がだるいと言っている授業でも楽しさを感じることができた筆者は、「仕事もまあまあ楽しめるんじゃないか?」と思うようになりました。
基本的に退屈だとされているものの中にも、楽しさは隠れています。ふこうにも仕事を楽しめていない社会人の発言に過度に怯える必要はないのではないでしょうか。
あなたにとってつまらない仕事かどうかなんて、誰にもわかりません。仕事を楽しめる可能性を捨てないで頂きたいのです。

「部署による」という現実

レクミーメディアをご覧になっている就活生のあなたは、おそらく一定の規模を持つ企業への就職をお考えだと思います。そうした大企業に必ず付きまとうのが「部署による」問題です。
残業が少ない・仕事が楽だと全社的に評価できても、あなたが配属になる部署がそうだとは限りません。従業員が何千人もいる会社では、バラつきがあります。
そうした運の要素も織り込み済みで納得できなければ、「ホワイトだから」という志望動機は再検討する必要があるかもしれません。

残業時間・給与では測れないストレス

ストレスの感じ方は人によって大きく異なります。
プレッシャーを感じるのが嫌だ
頑張っても報われないのが嫌だ
意味を感じないことをやるのが嫌だ
人と比べられるのが嫌だ
孤独に働くのが嫌だ
ホワイト企業は、過重労働・低賃金・倒産リスクなど、誰しもが抱えるストレスをクリアした企業と言えるでしょう。しかし、あなたにとって重大なストレスはそれだけではないはずです。
適切に評価されないと耐えられない人は、年功序列を採用している会社ではストレスを感じてしまうかもしれません。あなたは本当にホワイト企業に向いているのでしょうか?
自己分析を通じて、もう一度自分の好きなこと・嫌なことを素直に洗い出していきましょう。ホワイトはあくまで「一般向け」の指標です。あなたにとって最高な会社だという保証はありません。

ホワイト企業は足切りかもしれない

ホワイト企業とみなされている企業は「残業が少なくて休みが取れる会社」でしかありません。あなたにとって良い会社は他にどんな条件を満たしているべきでしょうか?自分の気持ちと向き合って、ぜひ答えを出してみてください。最終的に、あなただけの「厳選自分向きのホワイト企業」がみつかることを祈っています。