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就職活動が本格化してきた今、具体的な事業計画やIR情報などを読み企業研究を進めている就活生も多いのではないでしょうか。しかし、他にも多くの項目から分析を進めることができます。今回はそのチェックポイントとしてグローバル企業・日本のトップ企業で共通の行動指針となっているSDGsを紹介します。案外見えなかった企業の特色が見えてくるかもしれないので必見ですよ!

SDGsとは

SDGs(Sustainable Development Goals)とは持続可能な開発のための国際目標です。
発展途上国を主対象とした環境配慮や教育水準向上などのミレニアム開発目標を前身としていますが、対象は発展途上国のみならず全世界に広げられ、普遍性と包括性をもって設定されたようです。2015年9月に国際連合で採択され、2016年から2030年までの達成を目指しています。
17の項目の全世界のだれ一人取り残さない持続可能な社会の実現のための行動指針が以下の図です。貧困や衛生・保健、人権、教育などに加え、都市や成長・イノベーションなども掲げられています。2019年6月にはSDGsに対するアクションプランの策定をするG20が日本を議長国として開催されました。ニュースや新聞でみた人も多いのではないでしょうか。
SDGsは私たち自身を含む全てのセクター・人々で取り組むことが望まれており、企業が実行主体として重視されています。したがって日本企業でもその達成に向けた取り組みがされるようになってきました。

(出典:国際連合広報センター https://www.unic.or.jp/info/

世界的なマーケティングの方針

上記のように世界的な行動指針になっていることはもちろんのことですが、実は有名な経営学者コトラ―はマーティングの観点から、企業も持続可能な成長を望むのであれば環境への配慮だけでなく、社会的な事業活動を行うことが望ましいとしています。また、企業が顧客や消費者に対して提供すべきは顧客の欲しいと思っていること(ニーズ)を満たす商品やサービス以上に「顧客自らがその商品やサービスを利用することで社会がより良くなる価値」を提供することであるとも述べています。
これらのことから経営方針や事業指針としてSDGsを取り入れることもその企業の成長性に良い影響を与える、としている経営者も多いのではないかと筆者は考え、企業研究では各企業のSDGsへの取り組みがどのようなものかを調べ理解を深めることにしました。

企業のSDGs取り組み事例

日本を含む世界の企業もSDGsの達成に向けた取り組みが推奨されており、多くの企業でその具体的な取り組みがWEBサイト上などで紹介されています。CSR活動の1つとして上げる場合もありますが、慈善活動の要素が強いCSRよりもSDGsは事業内容と活動内容のギャップが少ないため、事業理解にも繋がりやすいのが特徴です。

三菱電機

三菱電機は家電から産業機器、情報通信システムなどを提供する電機メーカーです。三菱電機では、17項目から第7項目の「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」や、第13項目の「気候変動に具体的な対策を」に対し、省エネビル事業や水循環システムに関する事業の展開をしています。そのほか、第11項目「住み続けられる街づくりを」への貢献として自動運転システム事業も行っています。
電機メーカとしての役割だけではなく、こうした事業を行うことでこれからの社会の基盤を支える仕事としてのやりがいも予想することができます。
(参考文献:三菱電機CSRの取組 http://www.mitsubishielectric.co.jp/corporate/csr/management/sdgs/index.html

凸版印刷

凸版印刷は大手印刷企業ですが、近年では印刷事業のみならずITやクリエイティブ力を強みにソリューション事業に力を入れています。そんな凸版印刷では、「働きがいも経済成長も」に対し、外国人労働社と現地企業をマッチングするシステムの構築や「全ての人に健康と福祉を」に対する健康促進プログラムの企画やそうしたプログラムへの参加IDシステムの導入などを通したソーシャルビジネスを展開しています。
凸版印刷の印刷事業より拡大された事業領域の考え方の1つにこうしたソーシャルビジネスとの関わりを感じることができます。
(参考文献:凸版印刷 Sustainability Highlight 2018 https://www.toppan.co.jp/library/japanese/csr/files/pdf/2018/csr2018.pdf

三井住友フィナンシャルグループ

SMBCグループでは、経営基盤として「ジェンダー平等を実現しよう」「人や国の不平等をなくそう」「平和と公正をすべての人に」を掲げています。また、具体的な事業には「貧困をなくそう」に対するESG投資信託のの推進を行っています。
金融グループという性質を活用し、グループ各社とのパートナシップを通じた取り組みをしているようです。
(参考文献:SMBCグループ https://www.smfg.co.jp/responsibility/issue/

企業研究としての活用法

上記のようにそれぞれの企業は事業領域に即してソーシャルビジネスやCSR事業を推進しています。このような情報を企業研究の1つとして取り入れ、自分の就職活動に活かしましょう。

志望している企業の深掘りとして

就職活動に直結してSDGsへのリサーチが役立つ場面として、志望度の高い企業への理解を更に深めることできます。それだけでなく、企業のWEBサイト上にSDGsに対する具体的な記述がなくても、その企業の事業領域がどのようにSDGsに結びつけることができるかなどを一度自分で考えてみると、その企業でやってみたいことや新たな興味に繋がることがあります。さらに、企業での事業活動を通した社会貢献という意味でも単なるCSRへの理解以上に企業の本質的な活動とリンクしやすいのでぜひ参考にしてみてください。

企業選びのフィルタリングとして

もう一つの方法として、企業を選ぶ際の1つの選択基準として考えてみることです。SDGsは包括的にかつ分かりやすく17項目の行動指針を示しています。17つの中から自分のこれまで携わってきた活動やこれから自分の将来や社会のありかたとして関心の高い分野を見出しその分野に当てはまる事業としてどのようなものがあるかを調べながら志望の業界を絞り込むという方法です。

自分なりの切り口を持って企業研究しましょう

今回はSDGsという観点から企業の事業活動を見つめる方法について紹介しました。企業研究は基本情報やその企業の周辺情報をリサーチするのはもちろんのこと自分の関心のある切り口で仮説を立てながら調べ、そうした仮説をもとにOB訪問などを通して実態を知ると自分でしか得ることのできない企業の一面に出会うこともできます。ぜひSDGsに限らず自分なり切り口を持って企業研究をしてみてくださいね!