「就活ルール廃止」で採用早期化?
「就活ルール廃止」で採用早期化?

2021年卒以降から従来の経団連による就活ルール廃止が昨年アナウンスされました。これを受け夏インターンにとにかく参加したという学生もいれば、就活が手つかずの学生もいるはずです。もちろん早い動き出しは大切ですが、焦る必要はありません。廃止の背景や今後の動向をしっかり把握して自分のペースで就活に臨みましょう。

従来の経団連ルールは?

従来の経団連(日本経済団体連合会)が定めた就活ルールでは、説明会などの広報活動は3月1日以降、面接などの選考・内々定通知は6月1日以降、正式な内定通知は10月1日以降にという決まりを設けていました。
採用活動の時期に制限を設けないと学生の本分である学業がおろそかになる可能性があるとして、経団連加盟の日系企業に採用スケジュールの統一を求めていました。

形骸化していたため廃止に

採用形態の多様化

従来まで採用されていた経団連のルールは徐々に形骸化が進み、2018年の10月に廃止が発表されました。罰則などの抑止力がないことも理由の1つとして考えられますが、最も大きな理由は採用形態の多様化です。外資系企業やIT企業が通年採用に注力していることや、終身雇用の見直しから転職活動が一般化して中途採用が増えていることが背景にあります。
また、通年採用の外資系企業やIT企業に優秀な学生を確保されないようにと日系企業も水面下で早期選考を行ってきたのも事実です。こうした理由で廃止が決定しました。

2020年卒時点でも形骸化していた

2020年卒の就活生は、3月から6月までの間に10連休のゴールデンウィークが挟まることもあり、ゴールデンウィーク開始前の4月26日(金)までに学生に内々定を通知する企業が、外資・日系を問わず増えた印象を筆者は受けました。筆者が内々定を承諾した企業のひとつには、4月中に学生に口頭もしくは電話で内々定を通知し、6月1日(土)には選考と称した内々定者同士による懇親会というケースもありました。
実際、リクルートキャリアの調査によると2019年5月1日(水)時点で51.4%の大学生が内々定しており、5月中に内々定出しをしていた企業が前倒しで4月中に内々定出しをしたとみることができます。
https://www.recruitcareer.co.jp/news/pressrelease/2019/190515-01/

「新・就活ルール」は政府主導で作成

大学側が政府に要請

旧・就活ルールの廃止が発表されてから間もなく、就職問題懇談会(国公私立大・短大・高専関係団体で構成される組織。就職活動の在り方について協議。)が政府に対応を求めました。
これを受け、内閣官房が「就職・採用活動日程に関する関係省庁連絡会議」を開き、2021年卒以降の学生の就職活動について議論がなされました。

就活時期に変更なし

その結果、2021年卒の学生に対しても現行と同じ日程で採用活動を行うように要請することが決まりました。つまり、昨年と同じように名目上は3月以降に広報活動解禁、6月以降に選考活動解禁というルールを守るように政府が主導して指導することになりました。
罰則なども設けておらず基本的な内容に大きな変化はありませんが、日系企業のみならず、外資系企業やIT企業に対してもルールの遵守を要請します。
また2022年卒の学生への対応は2018年10月時点では未定ですが、「当面は現行の日程を変更する必要が生ずる可能性は高くない」という認識を示しています。

「新・就活ルール」策定の理由

策定の理由を学生側と企業側の2つの視点から考えます。

学生に学業に取り組んでもらうため

経団連が従来の就活ルールを策定した理由と同じで、学生に学業に専念してもらい、その成果を企業の採用活動で活かしてほしいと考えているからです。常に採用活動のプレッシャー下にある学生生活は学生の負担になりかねません。

企業がすぐには通年採用に対応できないため

採用形態が多様になっているとはいえ、ほとんどの企業では新卒一括採用を基本とした雇用慣行を急に見直すのは難しく、ある程度の時間や費用を要するはずです。採用を通年化すると学生の負担になるだけではなく、企業側からとしても採用活動を行う人材やコストが増えて負担になってしまいます。

例年通りの就活スケジュールで大丈夫!

上述の通り、2020年卒、2021年卒の学生に関しては例年と同じスケジュールで採用活動が行われる見込みですので、経団連の就活ルールが廃止された今年の夏インターンに参加できなかった・成果を残せなかったからといって本選考に大きく影響する可能性は低いです。
ただし、例年と同じように広報活動が解禁される3月までに企業研究などの準備を入念に行いましょう。2019年卒と同様の時期に、もしくはそれ以上に早い時期から選考を行う企業がほとんどですので、いずれにしても早めの動き出しが大切です。

秋・冬インターンに積極的に参加しよう

秋・冬インターンに積極的に参加することで、企業や業界に対する理解を深めましょう。従来と同じように、インターン参加者に優遇する企業は日系企業でも今後ますます増加するはずです。

自己分析・SPIの準備を万全に

インターン選考の段階では、自己分析やSPIがおろそかなままでも通過してしまうことが少なからずあったと思います。しかしそのままの状態で3月を迎えてしまうと、説明会などに時間を取られて自分のために割く時間が足りなくなってしまいます。気づいたタイミングから少しずつ自己分析やSPIの勉強を始めましょう。

学生生活をおろそかにしない

スケジュール統一の本来の目的である「学生生活の充実」を図りましょう。早めから就職活動に勤しむことが必ずしも悪いことではありませんが、学業や部活動、サークルなど現在取り組んでいることに全力を出すことが「学生時代に頑張ったこと」に繋がるはずです。

焦る必要はないが、今から少しずつ始めよう

ルールの主導が変わっても心配ありません。夏インターンに積極的に参加してきた学生も、今まで就活が手つかずだった学生もこれから少しずつ3月に向けて準備を進めましょう。周りに流されて焦って就活をする必要はないので自分のペースで取り組みましょう。