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商社のビジネス
商社のビジネス

商社のビジネスモデルや商社が果たしている機能について解説していきます。「商社ってどんなことやっているの?」「商社ってどんな機能を持つ会社なの?」という素朴な疑問について、具体的な社名や例を出しながら紹介していきます。

商社とは

商社の定義

そもそも商社とはどのような企業を意味するのでしょうか。wikipediaには以下のように示されています。
“商社(しょうしゃ)とは、輸出入貿易ならびに国内における物資の販売を業務の中心にした、商業を営む業態の会社である。”
つまり、日本と海外の貿易を仲介する卸売を中心としたビジネスを展開する企業を指します。これはいわゆる「トレード」を指しますが、近年では「事業投資」のようなトレード以外の様々な取り組みも見られるようになっています。

総合商社と専門商社

「商社」と一口に言っても、商社業界も幅広く、扱う商材も多岐に渡ります。一般的には「扱う商材の広さ」によって【総合商社】と【専門商社】に分類されることが多いといえます。
まず、総合商社はその名の通り扱う商材も幅広く「ラーメンから飛行機・ミサイルまで」と例えられるほどです。
取り扱いの規模も大きく、有名な企業としては「五大商社」と呼ばれる「伊藤忠商事」「丸紅」「三菱商事」「三井物産」「住友商事」が挙げられ、さらに「豊田通商」「双日」「兼松」などが続きます。
一方、専門商社は扱う商材を限定している商社で、その分野に特化した強みを持っています。例えば、鉄鋼の専門商社としては「メタルワン」「伊藤忠丸紅鉄鋼」などが、産業用家庭用ガスの専門商社としては「岩谷産業」などが挙げられます。

商社のビジネス・機能

ビジネス(1)【トレード】

商社のビジネスの根幹となるのは「トレード」です。各商社は世界中に流通網と呼ばれるネットワークを張り巡らせ、生産者と消費者の需要と供給のバランスを見ながら、取引の流れを構築していきます。例えば、北欧フィンランドの木材を、東京に拠点をおくA社が事業で使いたいとしましょう。A社は今までフィンランドとの繋がりを持ったことがなく、大量に発注するためにどうしたらいいか分かりません。そこで登場するのが商社であるB社です。B社は北欧との取引の実績があるため、A社とフィンランドの木材販売会社との間に商社であるB社が入り、取引をスムーズに行うのです。このようなビジネスが商社のトレードと呼ばれる事業になります。商社は両者(または片方)から手数料を貰い、収益を得ています。

ビジネス(2)【事業投資】

トレードの他に、近年各社が注力しているのが「事業投資」です。トレードの事業モデルを客観的に見てみると【生産者⇄商社⇄消費者】となっており、生産者と消費者に直接的な繋がりがある場合、商社が介在しなくても両者のビジネスが成り立ちます。
過去(1990年代)には「商社外し」と呼ばれる現象が起きた時期がありました。業績が悪化した商社が時代性を踏まえて考え出したのが「事業投資」でした。
企業の成長自体や商社側のトレードの拡大に繋がると見込まれる企業の大株主となり、資金をはじめとして、人材・経営ノウハウ・情報・技術などを企業に送り込み、「経営の最適化」を図ります。商社は保有している株式の配当や投資している複数の企業を含めたグループ間での協業関係の創出により利益を得るというビジネスモデルとなっています。
トレードの拡大や関連する事業などから得られる利益などを加味した上で投資を決定する点は、単なる目先の収益を目的とした投資などとは異なると言えるでしょう。ちなみにグループ間シナジーについて簡単に説明すると、(商社に限らず)一般的に投資ではリスクを分散するために複数の企業に資金を配分します。
業界が異なるような様々な企業に分散投資し、その中から今までになかった組み合わせでの協業を生み出すことで最終的には収益やネットワークの拡大に繋げることができるのです。

ビジネス(3)【物流・小売】

商社は物流や小売にも間接的に影響を及ぼしています。最近では三菱商事が大手コンビニチェーン・ローソンを、伊藤忠商事がファミリーマートの株式を保持して連結子会社化したことも話題になりました。商社が小売と提携している理由としては、世界の人口が増加していく中で日本国内で培った国内のノウハウを海外展開に生かしていくという狙いがあるようです。

商社についてのまとめ

ここまで商社について概要を述べてきました。商社はトレードにおける仲介者としての機能がメインになりますが、事業投資なども行なっていることがお分りいただけたと思います。商社での仕事内容や具体的な企業についてについて知りたい方は【商社の記事一覧】をご覧ください。