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あなた向けの就活の軸
あなた向けの就活の軸

日本の会社、多すぎませんか。全部検討したい心配性のあなたには就活は困難な作業に映るかもしれません。筆者は3年生の春に就活を始め、「お前は普段着がスーツなのか」とゼミ生に困惑されながらもなんとか円満内定で就活を終えました。大手だけで何千社ある就活で悩み続け、ついに網羅的に会社を検討できる思考法を練り上げましたので、具体的にご紹介していきます。

軸はフィルターとして使う

四季報や業界地図を購入されるとわかりますが、日本には山ほど企業があります。網羅的に検討するには、気になる企業を調べるというより、全体の企業をフィルターにかけていく方法が合理的です。会社単位では難しいと思いますので、最初は業界ごとに大づかみで検討してみて下さい。以下にふるいとなるフィルターを説明していきます。フィルターはキャリア思考のフレームワーク【will,can,must】を改変して【need】【will】【can】から構成されていますので、順を追ってみていきましょう。

フィルター【need】:企業がくれるもの

もともとのフレームワークでは【must】となっている部分です。キャリアにおいて「やらなければならないこと」もしくは「会社から要求されること」という要素なのですが、会社を絞るフィルターとしては不適です。会社を選んでいない状態では会社からの要求は限定できませんし、網羅的に検討する人は強烈にやりたいことがないため、キャリア上の必須事項もないことが多いためです。ですからこのフィルターはneedに改めました。needとは会社から最低限受け取る必要のあることです。具体的には給与や勤務地、労働時間やネームバリューなど、入社することで企業があなたに提供できることをneedとしました。後述する志向性や適性に比べて定量化しやすいフィルターですから、膨大な企業から選択するのに役立ちます。

フィルター【will】:やりたいこと・環境

willは自分の志向性、つまりやりたいことになります。とはいえ、やりたいことを見つけられている学生は少数だと思います。ですので、働く環境や雰囲気をwillとするのもありです。しかしここからは定性的なフィルターにならざるを得ないため、自分の気持ちに向き合う努力が必要です。これまでの経験や今の環境の中から、没頭したことや失望したことを言語化してください。
筆者は当時所属していたゼミでさぼっているメンバーを見て腹立たしかったため、実力主義の会社が向いているのだと気づきました。加えて、このフィルターで企業を絞る際も注意が必要です。というのも、企業は学生を集めるため、しばしば実態にそぐわない広報を行うためです。コンサルティングであっても営業中心の訪問コンサルであったり、グローバルなプロジェクトをアピールしていても全体の数%の案件しかない、といったことは少なくありません。リアルな情報の収集を心がけて下さい。

フィルター【can】:向いていること

最後のフィルターは適性を検討するcanです。筆者はこれが一番難しいのではないかと思います。
理由は
1.本当に得意なことほど自然とこなせていて本人は気づかない
2.なりたい自分と向いてることが違っていて認められない
3.仕事と学業は違うので潜在的な適性しか評価できない
など多岐にわたります。最後にこのフィルターを持ってきたのも、フィルターとして参考程度にしかならないと考えたためです。可能であれば、自分をよく知る知人や家族に他己分析をお願いするとよいでしょう。

それでも会社選びは難しい

ここまでフィルターについてお話ししてきましたが、これで志望業界、企業が定まったら苦労はありません。働いたことのない学生が数千、数万あるうちから一社を選ぶわけですから、フィルターを通した後でも悩み続けるでしょう。迷った時に使える切り口を最後に2つご紹介していきます。

嫌なことから考える

やりたいことは難しくとも、嫌なことははっきりしていませんか?「自分がこれまでの人生でこれだけは耐えられない!」と感じたことをマイナスの軸として、会社選びに使ってみましょう。バイトやゼミ、大学のサークルでの嫌な経験を思い出してください。(辛いとは思いますが)その嫌なことを言語化し、なぜ嫌だったのか、会社ではどのような場面として再現されうるかを脳内で再生してみましょう。最も嫌なものを回避することで、最悪の事態は回避できるはずです。

再挑戦の機会を最大化する

いくら考えても答えがでない場合は、働いてから再検討する選択肢を残しましょう。具体的には、転職も視野に入れながら企業を選ぶということです。代表的な選択肢としては近年に人気を高めているコンサルティングファームがあります。ビジネスの基礎体力を身につけられる環境であれば、転職市場での競争力が期待できますから、もう一度広く会社を検討できるということです。
しかし、ここでも注意するポイントが2つあります。
1つ目の注意点は、新卒主義の企業が少なからず存在するということです。近年は人手不足の影響で中途採用が活発化していますが、やはり新卒一括採用の慣行は深く浸透しており、中途採用の人材を重視しない企業が存在するのも事実です。業界としては、インフラや金融が挙げられます。これらの業界は新卒カードのあるうちにしっかりと検討しておきましょう。
2つ目の注意点は、転職が景気変動に影響を受ける点です。近年は世界的な好況を受け、日本企業も採用を積極化しています。しかし、入社後に景気が冷え込んだ場合は希望していた転職が難しくなり、転職先を選べないリスクがあるのです。転職を念頭に置くとはいえ、自分にフィットした企業を選びましょう。

昔から3割はすぐ辞める問題

何度もいいますが、就活は難しいです。「最近の若者はすぐ辞める」といいますが、新卒社員が3年以内に3割辞めるという数字は10年以上昔から変わっていません。それほど難しい決断なのです。より良いファーストキャリアを築くために就活の軸を定めて就活を行っていきましょう。