先輩がリクルートスーツで講義にやってきたり、就活を頑張っている姿を見たりすると漠然と「不安」や「焦り」を感じますよね。しかし、何から始めれば良いか分からず、いざ就活しようと思った時には選考が始まっているケースもあります。
本記事では、就活準備の本質と充実した大学生活の送り方について解説します。早めに準備を始めることで、余裕を持って就職活動に臨むことができます。
就活準備について
就職活動の本質を理解する
就職活動と聞くと、リクルートスーツを着て面接している姿を想像することが多いのではないでしょうか。しかし、実際はそれだけではありません。面接はあくまで就職活動の一部であり、その前段階として重要なプロセスが数多く存在します。
就職活動とは、自分の働く企業に出会い、その企業の一員になることを指します。その起点は企業との出会いであることを忘れてはいけません。多くの学生が面接対策ばかりに目を向けがちですが、実は「どの企業と出会うか」という段階こそが、その後の人生を大きく左右する重要なポイントなのです。
効果的な企業選びに向けて
企業に出会うチャンスはどのようにやってくるのでしょうか。もちろん、普段の生活でも多くの企業と接点を持っていますが、就活における企業との出会いは異なります。単なる消費者としての接点ではなく、企業の立場から考えることが非常に重要なのです。
しかし、企業の立場になることは容易ではありません。「この会社はどのような価値を社会に提供しているのか」「どのような人材を求めているのか」といった視点で企業を見ることは、訓練なしには難しいものです。
企業が何を求めているかを完全に把握することは困難です。
だからこそ、企業側の視点だけでなく、「自分は何を求めているのか」という自分の軸を確立することが重要になります。
自分に合った企業を選択するためには、「自分に合う」とはどういうことなのかを明確にする準備が必要です。
それを実現するためには自己理解と業界理解の両方が欠かせません。
効果的な準備を行い、企業選びの軸を定めましょう。本記事では就活準備でおなじみの「自己分析」と「業界分析」の2つを紹介します。
なお、多様な企業と効率的に出会いたい方には「ミキワメLIVE」もおすすめです。
自己分析の進め方
自己分析の目的
「自己分析」を就活準備で用いる目的は、「自分のやりたいこと」を明確にし、企業選びの軸、または判断基準を設定することにあります。多くの学生が「自己分析は面接で自己PRをするため」と考えがちですが、本来の目的は、数多くの企業の中から自分に合った企業を見極めるための「ものさし」を作ることなのです。
とはいえ、「やりたいこと」を言語化するのは難しい作業です。そこで、「やりたいこと」を「できること」「できないこと」を明らかにした上で考えてみるとスムーズに進められるでしょう。
具体的な分析手法
有効な方法としては、自分の過去の経験と感情に注目して深掘りすることがおすすめです。例えば、「部活動で全国大会に出場した」という事実よりも、「なぜその部活を選んだのか」「練習がつらいとき何を考えていたのか」といった感情や動機に焦点を当てることで、自分の価値観が見えてきます。
それでも難しいとき、筆者は「他人との比較」から始めていました。他者という鏡を通して自分を見ることで、新たな発見があるものです。
他人との比較による自己分析の手順
-身近な友人で性格が正反対だと思う人をピックアップする
比較対象を選びます。できれば2人以上選ぶとより効果的です。重要なのは「正反対」と感じる人を選ぶこと。似たタイプの人と比較しても、違いが見えにくいからです。
-それぞれの良いところを書き出す
選んだ友人たちの長所を具体的に書き出します。「明るい」「真面目」といった抽象的な表現ではなく、「初対面の人とでもすぐに打ち解けられる」「締め切りを必ず守る」など、具体的な行動レベルで書き出すことがポイントです。
-二人の良いところを比べる
書き出した長所を比較してみましょう。対照的な特徴が浮かび上がってくるはずです。
-それぞれに自分が似ているところ、正反対なところを書き出す
自分はどちらのタイプに近いのか、あるいはどちらとも異なるのかを考えます。この作業を通じて、自分の特性が客観的に見えてくるのです。
この方法をとることで客観的な目線で自分を見つめなおすことができるため、ぜひ試してみてください。
業界分析の進め方
業界分析の目的
「業界分析」は自分が働く環境について知るために行います。どんなに自己分析を深めても、働く場所についての理解がなければ、適切な企業選びはできません。
具体的には、その業界に所属する企業ではどのような活動を行っており、その活動の目的・今後の展望や、業界での各企業の存在感についての知識や理解を深める作業のことを言います。
業界というくくりそのものについての理解を、ある程度の情報量で知識として蓄えていくことが重要です。例えば「IT業界」と一口に言っても、ソフトウェア開発、ハードウェア製造、インターネットサービスなど、多様な領域が存在します。
具体的な分析方法
自己分析を通して気付いた「やりたいこと」が出来そうな業界や、興味のある業界について調べてみましょう。ただし、最初から選択肢を狭めすぎないことも大切です。
基本的なアプローチ
業界の選び方としては、先輩が志望している業界や企業を聞き、その企業のWEBサイトを訪問してみることが手軽な方法でしょう。先輩の生の声は非常に参考になります。
また、いろいろな業界についてマップにまとめた情報書籍も活用してみると理解しやすいです。書店のビジネス書コーナーには、業界地図や業界研究本が数多く並んでいます。
実践的なアプローチ
筆者が行っていたこととして、ビジネスパーソンを題材とした映画やドラマを通して業界イメージをふくらませ、そのイメージをもとに合同説明会やイベントに参加していました。ドラマはあくまでフィクションですが、興味を持つきっかけとしては十分に有効です。
近年では、オンライン合同説明会も充実しており、地方在住の学生でも気軽に参加できる環境が整っています。積極的に活用して、多くの業界・企業に触れる機会を作りましょう。
就活の実態について
いきなり上記のように就活準備をしようと思っても、ハードルが高く感じるでしょうし、就職活動期の現実的な生活スタイルなどは想像がつかないのではないでしょうか。理論や方法論を知ることも大切ですが、実際の就活生がどのような生活を送っているのかを知ることで、より具体的なイメージを持つことができます。
ここでは講義にリクルートスーツで訪れる先輩たちがどのような生活を送っているか、実態について金銭面と精神面から紹介します。
金銭面:就活費用について
一般的な費用の内訳
都内大学生が一般的に就活にかかる費用として、スーツ、カバンなど、また交通費や就活対策本を購入したりすると、合計10万円~15万円程度かかるといわれています。
内訳を見てみると、リクルートスーツ一式で3〜5万円、カバンや靴で1〜2万円、交通費が3〜5万円、書籍や証明写真などで1〜2万円、その他雑費で2〜3万円といったところです。
ただし近年では、オンライン選考の普及により交通費を抑えられるケースも増えています。それでも対面での選考や企業訪問の機会もあるため、ある程度の費用は見込んでおく必要があります。
アルバイトとの両立について
本格的な活動期にはアルバイトをする暇さえ取れなくなってしまうこともあります。特に1月から5月にかけての就活ピーク時には、週に3〜4日選考が入ることも珍しくありません。
筆者の場合は、スマホで簡易的な家計簿アプリを活用すること、飲料水や日用品などはサブスクリプションを導入することでやりくりしていました。このようにできるだけ出費を可視化することによって、無駄な出費を抑えることができます。
可能であれば、就活が本格化する前に、ある程度の貯金をしておくことをおすすめします。
精神面:就活に対する心構え
評価される日々への対処
就職活動が始まると、毎日の説明会や選考会、面接を通し、大学生活ではなかなか経験しないほど評価される毎日を過ごすことになります。評価されない経験、つまり不合格通知を受け取ることが続くと、自分のアイデンティティを喪失する人も中にはいるのが事実です。
特に周囲の友人が次々と内定を獲得していく中で、自分だけが取り残されているように感じると、精神的に追い詰められてしまうこともあります。
就活の本質的な理解
しかし就職活動を始める前に、就職活動はそもそも「マッチング」であることを忘れないようにすることが大切です。企業に選ばれなくても人生が終わることはありません。不合格は「あなたに価値がない」ということではなく、「その企業とあなたの相性が合わなかった」というだけのことなのです。
近年は、転職のハードルはさらに低くなっており、第一志望に内定をもらえなくても再度転職の際にチャレンジできることもあります。また、副業やフリーランスなど働き方の選択肢も多様化しています。
長期的な視点の重要性
筆者は就活そのものが人生の通過点であることをイメージし、自分の人生を俯瞰してとらえるようにしていました。「今日の面接で不合格だったとしても、その経験は明日の面接に活かせる」と考えることで、一つひとつの結果に一喜一憂しすぎないようにしていたのです。
就活は確かに大切なイベントですが、あくまで人生の一部に過ぎません。この視点を持つことで、精神的な余裕が生まれ、かえって良い結果につながることも多いのです。
充実した大学生活の送り方
現状の振り返り
就活準備がどのようなものか、就職活動の実態が分かったところで現在の大学生活を振り返ってみてください。
大学生活は、高校時代までに比べ自分自身で自由な選択をして行動することができるため、やりたいことを思う存分楽しんでいる人もいるでしょう。しかし反対に「やりたいことがない」「暇だ」と感じ充実感が得られていない人もいるのではないでしょうか。
「やりたいことがない」と感じる原因と対策
原因の分析
実は高校までは一生懸命に部活や勉強を頑張ってきた人が意外と陥りやすい現象です。
その原因は目標が明らかになっていない状態だからだと筆者は考えます。高校生活までハードに走り抜けてきた人は、「部活で全国大会に出場する」「志望大学に合格する」といった明確な目標があり、それに向かって努力してきました。
しかし、大学では誰かが目標を与えてくれるわけではありません。自由な選択肢が増えるほど、みずから考えて目標を設定していくことが重要です。頑張ってきた人ほど、これまでは与えられた目標に向かって努力することが当たり前だったため、自分で目標を設定するという発想自体が抜け落ちてしまっているのです。
対策方法
実はそのためにも上記の「自己分析」が役立ちます。就活のためだけでなく、充実した大学生活を送るためにも自己分析は有効なのです。
「これまでどんなときに充実感を感じたか」「どんな活動に夢中になれたか」といった問いに向き合うことで、自分が本当にやりたいことのヒントが見えてくるはずです。それは必ずしも壮大な目標である必要はありません。小さな興味から始めて構わないのです。
それでも「やりたいこと」が見つからない場合には、就活ではコストが思いのほかかかりますし、卒業旅行などのイベントが待っているかもしれないのでアルバイトと貯金をしておくのもよいでしょう。アルバイトは単なる収入源ではなく、社会経験を積む貴重な機会でもあります。
実は没頭しているうちにやりたいことが見つかるケースも少なくありません。(筆者体験談)
就職活動との関係性
大学生活においても就職活動においても「やりたいこと」を見つけることは簡単なことではありません。しかし、リアルな実態について知ることは自分の将来を知る手助けになるのではないでしょうか。
大学だけでなく、社会人になってからも自由な選択を自ら決断し、行動していくことが必要になります。だからこそ「目標」をもち貴重な大学生活を送ることが重要です。大学時代に自分で目標を設定し、それに向かって行動する経験を積んでおくことが、社会人になってからも活きてくるのです。
事実、大学生活を「目標」をもって充実させ、楽しむことを就職活動の選考の場で評価されていることを筆者は先輩やある人事の方から伺いました。企業が求めているのは、自分で考え、行動し、困難を乗り越えてきた経験を持つ学生なのです。
ぜひ就活の実態から就活している自分を想定した計画のもと大学生活を楽しんでください。就活を意識することは、決して大学生活を犠牲にすることではありません。むしろ、将来を見据えながら今を充実させることで、大学生活も就活も、両方を成功させることができるのです。
まとめ
本記事では、就職活動とは何か、準備に必要なこと、就職活動の実態について解説しました。就活は決して特別なイベントではなく、自分に合った企業と出会うためのプロセスです。
自己分析を通じて自分を知り、業界分析を通じて社会を知る。そして、目標を持って大学生活を送ることで、自然と就活に必要な経験や視点が身につきます。
情報収集とイマジネーションで、よりリアリティのあるイメージをつかみ、大学生活も就職活動も充実したものにしてください。焦らず、でも着実に、一歩ずつ前に進んでいきましょう。

