エントリーシート(ES)を初めて作成する際、多くの就活生が「語尾は『ですます調』と『である調』のどちらを使うべきか」と悩みます。
この記事では、両者の特徴を比較し、エントリーシートで効果的な書き言葉の選び方と言葉遣いの注意点を詳しく解説します。
語尾の選択:「ですます調」と「である調」の比較
エントリーシートを書く際の第一の関門は、文体の選択です。
それぞれの特徴を理解し、自分に合った書き方を選びましょう。
「ですます調」の特徴とメリット
-丁寧で謙虚な印象を与える
「ですます調」は、多くの就活生に選ばれている文体です。
企業に評価してもらう立場だからこそ、丁寧で謙虚な印象を与えやすい点が魅力といえます。
面接でも敬語を使用することを考えると、エントリーシートもそれに合わせるという考え方は理にかなっています。
-企業との距離感が適切
「〜です」「〜ます」という表現は、読み手に対する敬意を示しつつも、自然な距離感を保つことができます。
特に、企業文化を重視する日系企業への応募では、この丁寧さが好まれる傾向があります。
-デメリットと対策
「ですます調」の最大のデメリットは、文末が単調になりがちな点です。
長文になると「です」「ます」が繰り返し現れ、読みづらく冗長な印象を与えることがあります。
この問題を解消するには:
・「のです」「でした」など、表現にバリエーションを持たせる
・短めの文で区切り、リズム感を出す
・体言止めを適度に取り入れる
「である調」の特徴とメリット
-簡潔で力強い印象を与える
「である調」は、文章を簡潔にまとめ、説得力を高める効果があります。
「〜である」「〜だ」という断定的な表現は、自信と明確な意思を感じさせます。
特に自己PRや学生時代に力を入れたことなど、自分の強みをアピールする場面では効果的です。
-文字数を節約できる
「である」は「です」「ます」よりも文字数が少なく済むため、字数制限が厳しいエントリーシートでは有利です。
より多くの内容を伝えたい場合に選択する就活生も少なくありません。
-デメリットと対策
「である調」のデメリットは、使い方によっては横柄な印象を与える可能性があることです。
特に志望動機や企業への質問など、企業に対する敬意を示すべき場面では注意が必要でしょう。
この問題を解消するには:
・断定的すぎる表現は避ける
・敬意を示す言葉を適切に入れる
・謙虚さを保ちつつ自信を表現する
語尾の選び方と字数制限との関係
-一貫性が最も重要
エントリーシート内で「ですます調」と「である調」が混在することは、最も避けるべき点です。
文章の書き方を知らない、または見直しをせずに書いたという印象を与えてしまいます。
必ず一つの文体に統一しましょう。
-字数制限に合わせた選択
エントリーシートの字数制限に合わせて文体を選ぶのも効果的な戦略です。
「ですます調」で書いていて字数オーバーになりそうな場合、「である調」に変更することで最大で10%程度の字数を削減できます。
逆に、内容が少なく字数を増やしたい場合は「ですます調」が有利です。
-企業文化との相性
応募企業の文化や雰囲気も選択の参考にしましょう。
伝統的な日系企業には「ですます調」が、グローバル企業やベンチャー企業には「である調」が合う傾向があります。
企業のホームページやパンフレットで使われている文体をチェックしてみるのも一つの方法です。
エントリーシート作成時の言葉遣いチェックポイント
語尾だけでなく、エントリーシート全体の言葉遣いにも注意が必要です。
以下のポイントをしっかりチェックしましょう。
敬語と敬称の正しい使い方
-「御社」と「貴社」の使い分け
多くの就活生が間違えやすいのが「御社」と「貴社」の使い分けです。
・「御社」:話し言葉で使用(面接や口頭でのコミュニケーション)
・「貴社」:書き言葉で使用(エントリーシートやメールなど)
エントリーシートでは基本的に「貴社」を使用するのが正しいマナーです。
ただし、最近は「御社」の方が一般的になりつつある傾向もあるため、企業のESフォーマットを確認することをおすすめします。
-敬語の過不足に注意
「ですます調」を使う場合、敬語表現が増えますが、誤った敬語(二重敬語など)は避けましょう。
以下のような間違いがよく見られます:
・誤:「ご拝見させていただきました」→ 正:「拝見しました」
・誤:「お伺いさせていただきたい」→ 正:「伺いたい」
敬語に自信がない場合は、キャリアセンターや就活経験者に確認してもらうことをお勧めします。
接続詞と文章構造の注意点
-話し言葉の接続詞を避ける
「なので」「だから」「でも」などの接続詞は話し言葉であり、エントリーシートでは避けるべきです。
代わりに以下のような書き言葉を使いましょう:
・「なので」→「そのため」「したがって」
・「だから」→「それゆえ」「そのことから」
・「でも」→「しかし」「一方で」
-接続詞の使いすぎに注意
接続詞は文章の流れを整える重要な役割を果たしますが、使いすぎると逆に読みにくさの原因になります。
特に短文を多用する場合は、接続詞を減らし、文と文の関係性を明確にする工夫をしましょう。
-段落構成を意識する
一つの段落には一つのトピックを入れるというルールを意識し、長すぎる段落は避けましょう。
適切な段落分けによって、読みやすさと論理性が向上します。
よくある言葉の間違いと対策
-ら抜き言葉に注意
「見れる」「食べれる」などの「ら抜き言葉」は口語では一般的ですが、エントリーシートでは正しい表現を使いましょう。
・誤:「見れました」→ 正:「見られました」
・誤:「食べれる」→ 正:「食べられる」
-略語は正式名称で記載
日常会話でよく使う略語も、エントリーシートでは正式名称で記載するのがマナーです。
・「バイト」→「アルバイト」
・「テニサー」→「テニスサークル」
ただし、「ゼミ」(ゼミナール)や「インターン」(インターンシップ)のように、ビジネスシーンでも略語が一般的に使われているものは、そのまま使用しても問題ありません。
-誤字脱字のチェック
エントリーシート提出前には必ず誤字脱字のチェックを行いましょう。
特に以下のポイントに注意が必要です:
・同音異義語(「行う/行なう」「聞く/聴く」など)
・変換ミス(「考え方/考え側」など)
・句読点の位置と数
文章の読みやすさを高める工夫
エントリーシートは単に正しい言葉遣いをするだけでなく、読みやすく魅力的な文章を目指すことが重要です。
文末表現のバリエーション
「ですます調」を選んだ場合でも、文末表現にバリエーションを持たせることで単調さを避けられます。
「思います」のバリエーション例
・「考えています」
・「認識しています」
・「確信しています」
・「捉えています」
過去形と現在形の使い分け
・過去の経験を述べる→「〜でした」「〜しました」
・現在の考えを述べる→「〜です」「〜します」
・将来の展望を述べる→「〜したいです」「〜していきます」
内容の充実と表現のバランス
-伝わる文章が最優先
言葉遣いや文法に気を取られすぎて、肝心の内容がおろそかになることは避けましょう。
人事担当者は数百枚のエントリーシートを読むため、何を伝えたいのかが明確で、論理的かつ具体的な文章が高く評価されます。
-PREP法の活用
主張や結論を先に述べ、その理由と具体例、
そして再度主張をまとめるPREP法(Point-Reason-Example-Point)は、エントリーシートで効果的な文章構成法です。
この構成を意識することで、伝えたいポイントが明確になります。
-数値や具体例を交える
抽象的な表現だけでなく、数値や具体的なエピソードを交えることで説得力を高めることができます。
「大きな成果を上げました」より「売上を前年比120%に向上させました」の方が印象に残るでしょう。
まとめ:自分に合った文体で一貫性のある文章を
エントリーシートの文体選びに正解はありません。「ですます調」「である調」のどちらを選んでも、一貫性を持って正しく使うことが最も重要です。
自分の個性や応募企業との相性を考慮して、自分に合った文体を選びましょう。
また、語尾だけでなく、敬語や接続詞の使い方、よくある言葉の間違いにも注意を払い、読みやすく論理的な文章を心がけることが、エントリーシート通過への近道となります。
何より大切なのは、形式に気を取られるあまり内容がおろそかにならないよう、自分の強みや企業への思いを明確に伝えることです。
文章の形式と内容、両方のバランスが取れたエントリーシートを作成して、選考突破を目指しましょう。

