有価証券報告書
有価証券報告書

就活において必ず必要になるのが「企業研究」です。その際、先輩や教授から有価証券報告書を読むといいよ、と言われたことがある方も多いのではないでしょうか。しかし、いざ有価証券報告書を見てみるとその内容は難解…。この記事では就活で役立つ有価証券報告書の使い方をご紹介します。商社・金融・不動産などを志望する就活生を始め、全員必見です!

有価証券報告書とは

有価証券報告書は企業が株主に対して自社の状況を開示する資料です。売上や利益などの経営指標や経理の状況など多岐にわたります。
また、監査報告書がついているため信頼性も高く、様式が全企業で統一されているため企業間の比較が容易なのが特徴です。まさに就活の企業研究では便利なツールと言えます。

就活生が有価証券報告書を使うべき理由

では、有価証券報告書は株主に対しての資料にも関わらず就活で利用すべきと繰り返し言われるのはなぜでしょうか。それは、会社説明会の資料には書いていない情報が得られるためです。
就活生に対して配られる企業パンフレットは企業の目立つところ、良いところだけを抜粋して掲載しています。有価証券報告書からは企業の「将来性」も伺い知ることができます。
また、今後注力するであろう新規事業についても記載されています。企業パンフレットにはない最新の情報が手に入るため、他の就活生と差をつけることができます。

有価証券報告書でチェックすべき4ポイント~初級編~

多いものだと100ページ以上にわたる有価証券報告書。その中で就活生がチェックするべきポイントを4つご紹介します。1つ目は経常利益、2つ目は従業員の状況、3つ目は事業セグメント、4つ目は対処すべき課題です。それぞれ順にご説明します。

経常利益

まず、企業の業績を知るために売上高と経常利益をチェックしましょう。「第一部 企業情報」→「第1 企業の概況」→「1 主要な経営指標等の推移」の項目に記載があります。経常利益は売上高から売上原価・販売費及び一般管理費・営業外費用・営業外収益を差し引いた額になります。
売上高は順調に増えているようにみえても、経費がかさんで経常利益は赤字になっている場合もあります。経常利益の数字の横に△マークがついている場合は赤字ということですので注意が必要です。
財務状況から素人の就活生が分かることは多くありませんので、大枠を掴めれば大丈夫です。

従業員の状況

次に従業員の状況についてです。「第一部 企業情報」→「第1 企業の概況」→「5 従業員の状況」をチェックしてみましょう。ここには従業員の従業員数、平均年齢、平均勤続年数、平均年収、労働組合・従業員組合の有無も記載されています。
働く上で重要な情報が載っているのでぜひ確認しましょう。しかし、あくまで「平均値」であることに注意です。平均勤続年数が短い場合、単に離職率が高いのではなくベンチャー企業で新たに入社した社員が多いという場合もあります。
また、平均年収が高い場合でも多くもらっているのは50代の社員だけ、それ以下の社員の年収は高くないという可能性もあるため実際に働いている人の話を聞くことも重要です。

事業セグメント・業績内容

次に「第一部 企業情報」→「第2 事業の状況」→「1 業績等の概要」をチェックしましょう。事業ごと・地域ごとの業績内容を読み取ることができます。この項目は業績だけでなく、その企業にどのような事業・セグメントがあるのかを知る上でも参考になります。
例えば、フジテレビと日本テレビの有価証券報告書にある事業セグメントを比較してみるとフジテレビはメディア・コンテンツ事業と都市開発・観光事業の2つがあります。
一方で日本テレビはメディア・コンテンツ事業、生活・健康関連事業、不動産賃貸事業の3事業があります。同じテレビ業界でありながら行っている事業は異なることがよくわかります。
このように、事業の業績内容を見ることで同業他社との比較を行うこともできるんです。

対処すべき課題

「第一部 企業情報」→「第2 事業の状況」→「3 対処すべき課題」と「4 事業等のリスク」の項目を見てみましょう。この2項目には企業がこれから取り組んでいく課題や事業のリスクが書かれています。企業の中には面接において「あなたから見た弊社の課題は何だと思いますか」という質問をされることもあります。
その際に、この項目をチェックしておくと他の就活生と差がつき、かつ的外れでない回答ができるでしょう。こちらの項目も、同業他社と比較することでよりその企業に対する理解が深まる項目です。

有価証券報告書でチェックすべきポイント~中級編~

ここまで、有価証券報告書において就活生がチェックすべき4項目をご紹介しました。ここまでは基礎編でしたが、次にちょっと難しい中級編のポイントをご紹介します。

キャッシュフローの分析

上記の4ポイントをチェックしたら、次にチェックすべきはキャッシュフローです。「第一部 企業情報」→「第2 事業の状況」→「2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」を見てみましょう。
日本テレビの第86期第1四半期の有価証券報告書には地上波の視聴率が在京キー局においてトップであること、スポット収入の減少、ロシアW杯による減収のカバー、パッケージメディアの物販収入の減少などが説明されています。
こちらもぜひ競合他社と比べてみましょう。業界の中でそれぞれの企業がどこに強みを持ち、どこに弱みがあるかが見えてきます。

2~3年分目を通すと効果的

このように有価証券報告書にはさまざまな情報が記載されています。1年分目を通すだけでも十分得るものはありますが、時間がある方はその企業の有価証券報告書に2~3年分目を通してみましょう。その企業の経済状況がよくわかります。

有価証券報告書はここから検索できる

有価証券報告書はインターネットの検索エンジンにおいて「○○(企業名) 有価証券報告書」と検索するとすぐに出てきます。また、金融庁のホームページ「EDINET」から一括で検索することも可能です。

有価証券報告書を読んで企業研究を制する!

このように、有価証券報告書には企業説明会やパンフレットでは知り得ない情報が多く掲載されています。一見難しいですが、うまく使いこなして他の就活生と差をつけましょう!