ページ上部バナー
企業の福利厚生
企業の福利厚生

就職で一つの基準として重視される福利厚生について解説します。政府による働き方改革でも福利厚生が重要な要素として取り上げられています。福利厚生の基本的な知識から就活時の福利厚生についての疑問まで、この記事を通じて福利厚生について考えてみましょう。

福利厚生の概要

福利厚生とは

福利厚生とは、企業が従業員に給与とは別に支給される非金銭報酬です。企業は、福利厚生を改善することで、社員の働きやすさの向上を目指しています。
福利厚生には、法定福利と法定外福利があり、法定福利は法律によって定められた福利厚生で健康保険や介護保険などがこれにあたります。法定外福利は企業が独自に定めたもので、住宅手当や通勤手当などです。

代表的な福利厚生

【法定福利】
けがや病気の際に、治療費の一部を国に支払ってもらう制度の健康保険や失業した場合、職が見つからない場合に給与を支給してもらえる雇用保険があります。他には、介護保険や労災保険、厚生年金保険があります。
【法定外福利】
・住宅手当
住宅に関する費用を支給する福利厚生です。企業によって住宅手当の支給の仕方はさまざまです。従業員の住居の家賃の一部を補助する場合や会社の寮を用意する場合、マンションなどを一部借りて、従業員に安く貸すことなどが挙げられます。
一昔前までは、従業員数の多い大企業や官公庁では寮や社宅といった住居を貸し出すことが多かったですが、最近では寮や社宅を民間に貸し出し、従業員には一部家賃を補助する企業が増えてきているようです。
そのほかにも、会社から3駅以内に住んでいる人には交通費の代わりとして住宅手当を出す企業などもあります。
・休暇
有給とは別に休暇を従業員に与えることや有給取得の連続消化などがあります。企業は、リフレッシュ休暇として連続で有給を取れる機会を与えて有給の取得率の向上を行ったり、ほかにも半日休暇や誕生日休暇といった制度がある企業もあります。
産休や育休は、出産や育児のために休暇が取れる制度です。最近では、男性の育休促進も行われており、厚生労働省が育休に取り組む企業を表彰しています。2018年には日本ユニシスや大和ハウス工業、2017年にはソニーやヒューリックが選ばれています。
・資格取得手当
業務を行うために資格がいる企業ではもちろん、業務に有用な資格がある場合には、その資格取得のための費用を会社が負担してくれる制度です。資格取得後は、その資格によって給与に上乗せされるなど、資格取得自体にメリットを持たせる企業などもあります。

就職活動での福利厚生

就職で企業の福利厚生の活用の仕方

福利厚生は、企業の人材活用や育成の仕方がわかる重要な指標です。就活生の多くが有給休暇の取得率など休暇面での福利厚生を注目してしまいますが、人材活用や育成の制度にもっと目を向けたほうがよいでしょう。
たとえば、社費留学制度や語学研修制度などがある企業もあり、グローバルに自身が成長できます。社内オープン制度は、志望する部門が人員を募集していれば、立候補して異動できる可能性があるというものです。
志望する企業の福利厚生を確認して自身のキャリアのサポートとなるか、確認してみるのもよいでしょう。

社員の人に福利厚生について質問しないほうがいい?

就職活動では、企業の人に質問する場面は多くありますが、福利厚生について漠然と質問することは避けたほうがよいでしょう。福利厚生は、企業がホームページで公表している場合が多く、調べたらわかる情報だからです。福利厚生について聞く場合は、その制度がどのように利用され、社員にどのぐらい浸透しているかといった質問の仕方にしましょう。
また、座談会などは、人事の人が現場で働く社員を呼んで、就活生に現場での業務について知ってもらおうという気持ちで開かれる場合が多いです。そこで、福利厚生について質問をしたら現場の人を呼んだ意味がなくなってしまいますし、就活生にとってももったいないです。福利厚生の内容が気になる場合は、人事の人に直接聞くのが良いでしょう。

福利厚生が充実した企業

サイバーエージェント

サイバーエージェントの福利厚生には、女性活躍促進制度macalonや技術者支援制度energyなどがあります。macalonには、女性特有の体調不良の際に月一回まで休暇を取得する制度や妊活休暇などがあり、これらをエフ休と呼ぶことで周囲に知られることなく休暇を取得できるようにしています。
他にも、子供の体調不良の際に在宅勤務制度や子供の行事で休暇を取れる制度などがあります。energyには、スキルを身に着けるための費用のサポートや開発以外の業務の代行を支援する制度があります。
住宅補助には、勤務しているオフィスから各線2駅圏内に住んでいる正社員に月3万円の支給や勤続年数が丸5年経過した正社員には、どこに住んでいても5万円の支給を行っています。

楽天

楽天の福利厚生の特徴は、施設の充実です。カフェテリアやフィットネスジム、ヘアサロン、ランドリーサービスなど社員が利用できる施設がさまざまあります。
カフェテリアでは、朝食、昼食、夕食の三食が無料で食べることができます。産休・育休の復職率が97%であることからも福利厚生が充実しているといえます。
楽天は、実践的な英語学習の研修にも取り組んでいます。社内オープンポジション制度もあり、希望の部署に異動できる可能性がある制度もあります。

就職の福利厚生のまとめ

福利厚生は、給与とは別の非金銭報酬です。代表的なもので、法定福利で健康保険や介護保険、法定外福利で住宅手当や通勤手当などがあります。
就職活動で、福利厚生は企業の人材活用や育成の方針を知ることができるので、自身のキャリアにどう役立つか志望する企業の福利厚生を調べてみるとよいでしょう。
最近は、企業の働き方改革が進んでおり、企業も福利厚生を就活生へのアピール材料としています。福利厚生を考える上で、自身のキャリアとの関係性を基軸にすることが大切です。