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就活生必見のSPI3超解説
就活生必見のSPI3超解説

五大総合商社などの超難関企業で頻出する適性検査「構造的把握力検査」は初見で挑むと超危険なWebテストです。名前のイメージに反し、図形問題ではなく「文章の構造」を見きわめます。実際に解いた内定者が解説!出題企業や出題形式を一緒にチェックしましょう!

構造的把握力検査を採用している企業一覧

まずは志望している業界・企業のWebテストで構造把握検査が採用されているか確認しておきましょう。

商社系

  • 丸紅
  • 伊藤忠商事
  • 三菱商事
  • 豊田通商

広告系

  • 博報堂DYグループ
  • 電通
  • サイバー・コミュニケーションズ

デベロッパー系

  • 三井不動産
  • 野村不動産

その他

  • アビームコンサルティング
  • ボストンコンサルティング
  • 伊藤忠丸紅鉄鋼
  • 三菱重工業 ほか‥
  • 就活生から人気を集める五大商社のうち3社が採用しているほか、二大広告企業の電通と博報堂(通称:電博)や超大手総合デベロッパーなどでも採用されています。これらの業界を志望する学生はきちんと予習しておく必要があります。

    基本情報

    テストセンターでのみ受検可能

    もちろん上記企業以外でも、今年度から構造把握が採用される可能性も十分あります。ただし、構造把握と英語能力の検査は、「テストセンターでのみ受検可能」となっています。そのため、「自宅で受検」だった場合はこれら2つの検査がいきなり始まることはありません。

    問われているポイントは?

    SPI3の公式Webサイトには以下のように記述があります。

    「ものごとの背後にある共通性や関係性を構造的に把握する力」を測定する能力検査です。”環境変化への対応のベースとなる力”にかかわる部分を測定することを想定して開発されました。

    具体的には、入社後にこのような場面で発揮される能力があるかを測定しています。

    • 未経験の問題に直面したとき
    • 新しいサービスを考えるとき
    • 合意形成をするとき

    出典:よくあるご質問 リクルートの適性検査SPI FAQ詳細
    要するに「思考力とその柔軟性」が試されています。特に柔軟性は通常の能力検査では測りづらい=語彙や計算とは異なり練習しづらいので、出題の仕組みやルールを知ることが対策に直接繋がります。

    問題は2種類

    構造把握の検査の中でも言語系・非言語系に分かれています。
    前者では2つの文から成る文章が5つ提示され、因果関係などの大きな構造を根拠に選択肢を選び、複数ある文章をグループ分けします。
    後者では算数の文章題が4つ提示され、四則の解法(+、-、×、÷)という構造を根拠に選択肢を選び、複数ある文章題をグループ分けします。
    とはいえまだイメージが湧かない方もいるかと思いますので、早速両タイプの例題に取り掛かりましょう。

    例題:言語系

    次の1~5を、指示に従ってP(2つ)とQ(3つ)に分けるとき、Pに分類されるものはどれか。下の選択肢A~Jで答えなさい。

    [指示]次の1~5は2つのことがらの関係についての記述である。その関係性の違いによって、P(2つ)とQ(3つ)のグループに分けた場合、Pに分類されるものを2つ選びなさい。

    1. 前髪が伸びてきた。そろそろ切った方が良さそうだ。
    2. 人身事故が発生した。その影響で電車が大幅に遅延している。
    3. 花粉症の季節だ。マスクをしている人が多い。
    4. 外に出ると地面が湿っていた。雨が降ったに違いない。
    5. 今夜台風が直撃する。そのため、近所の喫茶店は早めに店を閉めていた。

    [選択肢]
    A:1と2,B:1と3,C:1と4………J:4と5

    解答・解説

    解答→C:1と4
    2と3と5は前文が状況を表し、後文がその状況を受けての客観的な事実という因果関係がある。3には接続詞がありませんが、花粉症の季節(なので)マスクをしている人が多いと解釈できます。
    一方、1では前文の「前髪が伸びてきた」事実を受けて、切った方が良いだろうと「推測」している。4では「地面が湿っていた」事実から、雨が降ったと「断定」している。両者の後文には主観的な判断が含まれているため、グループPは1と4、グループQは2と3と5に分類できます。
    「主観or客観」以外にも「順接or逆接」「2文に因果関係があるor事実の並列」など、様々な視座が解答のヒントになりますが、どうしてもやや抽象的な問題なのであまり深く考えすぎず、サクサク解き進めることを意識しましょう。
    また正答率を維持しながら解き進めるほど難易度が高まり、3文から構成される選択肢などが増えてきます。

    例題:非言語系

    非言語系は、言語系の問題よりも明確に答えが出しやすいです。

    次の1~5の中から、問題の構造が似ているものを2つ選び、AからFで答えなさい。

    1. ある兄弟の年齢を掛けると63歳で、兄が2つ年上である。兄の年齢はいくつか。
    2. 34人生徒がいるクラスである試験の合計点は2278点だった。平均点は何点になるか。
    3. Aさんは分速120m、Bさんは分速80mで歩く。一直線に2kmある商店街を両端から一直線に歩くと、何分後に合流するか。
    4. 袋に入ったビスケットを7人で分けると1人5枚になるが1枚だけ余った。袋に入っていたビスケットは何枚か。

    [選択肢]
    A:1と2,B:1と3,C:1と4,D:2と3,E:2と4,F:3と4

    解答・解説

    解答→D:2と3
    それぞれの解法から考えましょう。
    兄の年齢をp歳とすると、
    p×(p-2)=63
    p^2-2p-63=0
    ∴ p=9 (兄の年齢の方が上なのでp≠7)
    平均点をq点とすると、
    q=2278/34
    ∴q=2278/34=67
    r分後に合流するとして、
    r=2000/(120+80)
    r=2000÷200=10
    ビスケットがs枚とすると、
    s=7×5+1=36
    1は二次方程式、2~4は一次方程式です。2と3は掛け算、4は割り算で答えが導かれます。よって、同じ構造の問題を2つ選ぶならD:2と3が適当な答えでしょう。
    こちらも正答率が高いほど割合などの複雑な問題が出題されるようになります。

    注意すべきポイント

    実際に受検した筆者が気をつけていたポイントは以下の2つです。

    時間を意識する

    深く考え込んでも分からない問題は分からないものです。1つの問題に時間をかけ過ぎて解き終わらなかったという事態は本末転倒ですし、まさに「木を見て森を見ず」。眼前のものごと、検査の構造を見失っているといっても過言ではありません。

    字面だけで考えない

    しかし、スピーディに解くことを意識するあまり字面だけを読み解き進めるのはNGです。言語系だったらそのシチュエーションを頭に浮かべる、非言語系だったら頭の中で計算、難しかったらメモ用紙に計算過程を書き記してから吟味することを心がけていました。

    理解すれば簡単に解ける!

    問題の解き方を知ってるか否かで大違い!SPIの構造把握がすらすら解ければWebテストの通過率は大幅にアップします。「文章を何となくで読まない」ことは就活における様々な場面で意識できることです。