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併願
併願

就活を進めていく中で、選考を受けたはいいけれど、なんだか雲行きが怪しくなってきた、という時に備え手広く選考を受けておきたい就活生もいるのではないでしょうか。この記事では、志望幅を広げる併願企業の選定方法を考察します。

併願企業の選定

誰しも新卒で入社する企業は一社ですが、必ずしも第一志望企業からの内定が出るとは限りません。その要因の一つには就活生本人の能力や対策状況もありますが、社会情勢や企業内編成などの外的要因による場合もあります。そこで、自分の就職における軸を定めた上で幅を広げて就活に臨むのがよいでしょう。

企業規模と構成で見る

一つ目の方法は志望業界内で企業規模に幅を持たせる場合です。同じ業界、事業内容であっても大手企業と中小企業では求められるスキルも、入社後に身につくスキルも全く違うと言われています。それぞれの特徴に自分がどのように適応、成長可能性があるか考えてみましょう。

大手企業

大手企業の特徴は業績がトップ層であり、企業として成熟している場合が多い点にあります。他のチャレンジ企業やベンチャーなどを牽引する存在として産業に対する貢献意識が高いでしょう。成熟した企業では体制がしっかりしており、教育制度なども充実していることが多いです。また、採用人数が多い傾向にあり横との繋がりができるという特徴もあります。
更に複数事業分野やグループ会社を所有して多角的に業界や分野に携わるチャンスがあることが特徴です。

中小企業

一方で、中小企業では大手企業とは全く異なる特質を持っています。一つは拡大主義を取ることなく続いてきた老舗の中小企業というパターンです。このパターンでは企業内の哲学に基づいて1人1人の責任の下で事業が行われる場合が多く、一貫して自分を中心とした事業に取り組めるチャンスが多いでしょう。もう一つは立ち上げから間もないベンチャー企業です。こちらもも同じく裁量を持って仕事をすることが可能ですが、前者に比べ、自由な考えをもって取り組み企業文化の構築に影響を与えることになるでしょう。
中小企業では大手に比べてより専門的な技術やノウハウに力を入れたニッチな競争力を持つ場合も多く、特定分野のスペシャリストになるチャンスがあります。

流通ルートから選ぶ

二つ目の方法は、志望企業のパートナ企業同士の選考を受ける方法です。ほぼすべての企業では単体で活動をしているということはなく、どこかから仕入れを行い、そしてどこかへ販売を行う流れがあります。立場が違うことで同じ業界内でも共通点と相違点があり、新たな発見があるかもしれません。メーカーなどで考えると想像がつきやすいですが、素材などの川上にあたる企業と加工後の製品を出荷する企業、販売側に振り分ける商社や物流、そして販売を担当する川下の小売り企業、という流れがあります。同じ1つの商品のどのフェーズに携わるかによって自分の中で活かされる能力は異なる一方で、最終的に自分が社会に対して貢献している実感として感じるものには川上、川下に渡って共通している場合があります。

川上―素材・製造ーの立場

川上の立場としては、食品などであれば農産物などの一次産業に属するような業界や、基幹産業と言われるものが当てはまり、素材メーカーなども挙げられます。そのような業界では最終消費者まで時間、距離があるため、生産者側としての見方が強くなります。それゆえ専門的な知識が身に付くことも多いでしょう。
また、素材の活かし方を工夫することで事業をより広く展開している企業が大手においては多く、ジョブローテションによって様々なステークホルダーとの関わりを持つことができる特徴もあります。

川下ープロモーション・販売ーの立場

川下の行程では小売店や実際に製品を用いたサービスの提供が主な仕事になり、最終消費者との関わりが多くなります。そのため、顧客側の見方も強く、日々社会の動きなどを良く知っておく必要があり、上流工程に携わる人々とは働き方や着眼点が異なります。更に、コミュニケーションが重視され活用方法やイメージの構築に重要な影響を与えるため、消費につながるかどうかという点で責任も重大です。
さらに、プロモーションや販売に関する個別のノウハウが必要であり、商材が日々変わってもその技術に大きな変動がない場合もあります。したがって転職などを機に様々な業界で活躍する人も多い特徴があります。

選考スケジュールから選定

3つ目の方法は選考スケジュールに従って複数業界の選考に臨むケースです。流通ルートの川上と川下で業界が異なる場合などに特に適応しやすい方法で業界ごとに選考スケジュールは定例的に決まっているので、参考にして複数業界を志望すること合理的な手法の1つでしょう。以下、スケジュールで選ぶ複数業界志望の例です。参考にしてみてください。

外資系→日系

1つ目に挙げられるのは同じ業界業種でも、外資系の企業か日系の企業かによって選考スケジュールが異なるケースです。電化製品系のメーカーなどでも実際にあったようですが、外資系企業では年内からJOBなどの選考が始まり2月頃までに内定が決まるというスケジュールの一方で、日系企業では3月ごろから徐々に選考が始まり6月までに内定が決まる流れがあります。類似した商材を扱っていたり同一業界でも選考時期がズレているため挑戦しやすいでしょう。ある程度一貫した志望動機で臨めるメリットもあります。ところが外資と日系では一般的に社風に大きな違いがあることも多いため、自分の適性やガクチカなどの作成、自己アピール方法には工夫が必要でしょう。

IT・メディア系→金融・基幹産業メーカー

2つ目の方法としては選考スケジュールの比較的早い業界とそうでない業界を併願する方法です。
例えば、IT系企業やメディア系、広告系の業界では年内から選考の始まる企業も多く早い段階で挑戦できますが、金融系や商社、基幹産業系は5月以降に選考スタートする企業の少なくないためスケジュール的には余裕を持って満遍なく臨むことが可能でしょう。
一方で、併願企業について選考時に尋ねられた際に正直に答えるとやりたいことへの一貫性について深掘りされることもあるため、言わないことにするか関連性についてじっくり考えをまとめておく必要があります。業界×業界で共通点と相違点を明らかにして研究するとより良いでしょう。

現実的に作戦を立てよう

就活の本質は自分の成長と企業や社会に対する貢献について考えた上で適切な企業から内定を貰うこと、そして入社後に活躍して充実した未来を実現することでしょう。志望の幅を広げることは内定0のリスクを防ぐ有効な方法の1つであると同時に自己分析の一環として活用できる場合があります。受ける企業に対して自分の志望軸を絞り込んで2軸でマトリクス表を作ってみることも良い企業分析と選考対策に繋がるでしょう。参考にしてみてください。