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ゼネコン就活
ゼネコン就活

土地を所有し街づくりの構想を立てるのはデベロッパーですが、実際に建設の指揮を執るのは「ゼネコン」と呼ばれる企業群で、理系学生はもちろんデベ志望の文系就活生にも人気な業界です。今回は大林組や清水建設など「スーパーゼネコン」と呼ばれる一流企業の実例を交えながら業務内容や選考情報をお伝えします。

ゼネコン業界の実情

ゼネコン(Generall Contractor)とは、建築工事の計画のみならず施工管理まで行う総合建設業のことを指します。建設業界における上流工程を担っており、その下流の工程において電気系統の管理やトンネル建設など、それぞれに専門分野がある工務店が名を連ねています。ゼネコン企業は建設業界の中ではほんの一握りゆえに就活生からの人気が集中しやすい傾向があります。

勢力図と「スーパーゼネコン」

そんなゼネコンの中でも実績や会社規模で抜きんでた5社のことをまとめてスーパーゼネコンと称することがあります。

その5社とは、大林組(おおばやしぐみ)、鹿島建設(かじまけんせつ)、大成建設(たいせいけんせつ)、清水建設(しみずけんせつ)、竹中工務店(たけなかこうむてん)を指します。

ゼネコンの今後

後述しますが、近年のゼネコン業界は東京オリンピックによる特需により売上を順調に伸ばしてきました。そして、エネルギー分野や宇宙開発分野などに着手する企業も増え事業がより広がる可能性も見えてきますが、皆さん入社する2021年以降は新しいモノを作る需要に加えて強い街づくりを支えるインフラとしての役割もますます強くなるでしょう。というのも近年の自然災害の急増に伴うためで、災害に強い建設物を生み出すだけでなく今まで自分たちが作ってきた建設物を修繕する事業も増えるはずです。

しかし、伸び続ける需要に反して人員確保が追いついておらず、長年人手不足に悩まされています。入社後の配属にもよりますが、新卒社員でもハードワークが課されることも予想されます。実際に2018年の日本建設業連合会の実態調査連合加盟企業の半数の時間外労働時間が年間960時間超(月80時間以上の残業)になっていることもあり、ある程度の激務は覚悟しておくべきかもしれません。働き方改革に伴いロボットを用いた流通の能率化などが進む一面もありますが、会社説明会や社員を訪問する機会では労働環境の実情などもしっかりと聞いておきましょう。

業務内容

これらスーパーゼネコン5社のうち、清水建設・大林組が手がけた実際の建設事例から業務内容の理解を進めましょう。

清水建設―オリンピック関連設備

清水建設は2020年東京オリンピックに関連した設備として、国立代々木競技場第一体育館と江の島ヨットハーバーと有明体操競技場の3件を既に手がけています。

これらの建設には東京2020組織委員会からの発注を受注してから設計に取り掛かっています。特に、有明体操競技場の建設に関しては「工期をなるべく短くする」・「オリンピック後も継続して利用できる設計」などのニーズを考慮した計画で施工の権利をコンペで勝ち取っています。このように、ゼネコン業界では依頼者のニーズに応えて受注してから生産するビジネスモデルが大半です。その中で施工の権利を競合他社とのコンペで獲得する必要も生じてきます。

参考:東京2020組織委員会発注の有明体操競技場が完成|清水建設

大林組―虎ノ門ヒルズ

大林組が施工した「虎ノ門ヒルズ」は、大手総合デベロッパーの森ビルが設計を担当しています。中でも森タワーは247mの高さは東京都内でもトップクラスで、1日2000人もの人材を動員して建設に取り組みました。2019年12月にはビジネスタワーも完成し、都市開発を支える上でなくてはならない存在になっています。業界トップの売上高ゆえに、常に大規模のプロジェクトを受注し、大人数を動員して取り組みます。

大林組以外のゼネコンでも、上流工程から下流工程まで含めると数百人から数千人規模のチームでモノづくりに携わることができ、非常にやりがいを感じることが出来る業種です。

参考:プロジェクトを知る|虎ノ門ヒルズ|株式会社大林組 新卒採用情報

志望動機の組み立て

続いて、志望動機を組み立てる上で必要不可欠な「働く魅力」「活かせるアピールポイント」を考えていきましょう。

働く魅力

上述の通りゼネコン業界では多くの人と関わり、丁寧に顧客のニーズをくみ取り新しい価値を協創すること、そして自分の頑張りが建設物という目に見える形で残り多くの人に継続して利用してもらえるということが最大のやりがいでしょう。そういった意味では社会への貢献性も非常に高く、前述のとおり社会インフラを支えていると言っても過言ではありません。

ただし、デベロッパーの志望動機とも内容が類似しているように見えます。なぜその企業に惹かれたかの前に、なぜゼネコン業界が良いのかを初めに打ち出す必要があります。例えば、「現場でより近くでモノづくりに携わりたい」ですとか、言い換えれば「机上の空論よりもとにかく行動したい」と言った言い回しなども有効ではないでしょうか。

活かせるアピールポイント

企業の社風によって活かせる自己PRは大きく異なってきますが、やはり多くの人を巻き込んで何かアクションを起こした経験やリーダーシップは最大のアピールになるはずです。その中で相手の気持ちに寄り添った行動や真面目に取り組んだエピソードを理論立てて話すことが出来れば好印象なはずです。

それぞれの代表建設物をよく理解して

最後に、これらゼネコン企業を受検する際には各社の代表的な建設物を隈なくチェックしておくことを強くお勧めします。街づくりが好きな方なら難なく取り組めるはずですが、社員の方々は自社の建物に誇りを持っています。同じ目線で語れるくらい企業研究を深く行って選考に臨みましょう。