日本政策投資銀行(DBJ)の企業研究
日本政策投資銀行(DBJ)の企業研究

就活難易度を見ると、常に最高難易度に位置する日本政策投資銀行(DBJ)ですが、仕事で何をしているのか、メガバンクとの違いについて分からない、聞いたことのないという学生も多いのではないでしょうか。今回はそんな就活生のために、DBJの業務内容、他の金融機関との違いを解説していきたいと思います。

日本政策投資銀行とは?

なぜ設立されたのか?

一般的にDBJを初めとする政府系金融は民間金融機関では提供が難しいけど、必要な金融サービスを提供するために設立されています。それでは、民間金融機関の何を補完するためにDBJは設立されたのでしょうか?

株式会社日本政策投資銀行法を見ると、

「株式会社日本政策投資銀行は(中略)長期の事業資金を必要とする者に対する資金供給の円滑化及び金融機能の高度化に寄与することを目的とする株式会社とする。」とあります。

民間金融機関は長期の投資、融資を避ける傾向にあります。民間金融機関は当然収益を追及しないといけないので、短い期間で利益を確実に見込める短期融資を好みますが、回収できないリスクのある長期融資はできるだけ避けたいのです。

しかし、電力、海運、石炭、鉄鋼など経済成長に必要不可欠な重要産業は初期投資に莫大な資金が必要で、その資金の回収に長期間かかります。こういった重要産業を育成するためには長期的視点でもって融資を行える金融機関が必要ということで、DBJが設立されました。

そのため、DBJの役割は「産業育成という観点から長期的な金融サービスの提供を行う」ことだと言えます。

他の金融機関との違いとは?

メガバンクとの違いは?

メガバンクとの違いとして、「公共性」、「中立性」、「リスクマネーの供給」の3つが挙げられます。


公共性

メガバンクはどうしても収益が確実に得られるかどうかを第一に動かざるを得ませんが、政府系金融機関であるDBJは純粋に「日本経済の成長」、「産業の育成」を追及できることに一番の違いがあります。

例えば、戦後の復興期には、電力、海運、石炭、鉄鋼など経済成長に必要不可欠な重要産業に対して、メガバンクでは難しい長期融資を行い、経済成長を支えました。

現在は上記の産業以外にも、「再生可能エネルギー」、「航空宇宙産業」など日本経済の成長に必要だけど、即座に結果を出すのが難しく、初期投資が莫大な分野に対しても注力しているようです。


中立性

DBJは政府100%出資の金融機関です。○○財閥系などの特定の企業グループに属していません。したがって、あらゆるプロジェクトに中立的な立場から取り組むことができるという特徴があります。

また、メガバンク同士や地銀同士は競合関係にあるため、なかなか協調の姿勢をとることができません。DBJはその中立性の高さから、2つの銀行の間に立つなどの仲介も行うようです(ファンド組成、シンジケートローンなど)。地銀同士の連携を手助けすることで、1つの銀行では不可能な莫大な融資を実現させ、地方活性化に貢献するなどの結果を出しています。


リスク・マネーの供給

リスク・マネーとは「一定のリスクを背負いながら投じられるおカネ」のことです。

一般的な銀行の主要な仕事は「融資」で、これは貸したお金に利息をつけて返してもらうという約束をしています。一方で、「リスクマネー」では「貸したお金を将来返してもらう約束」を交わしているわけではありません。投資した先が成長した際にその利益を配分してもらうという形になっています。そのため、融資に比べると将来返してもらう約束をしていない分、比較的リスクがあるために「リスクマネー」と呼ばれているのです。

企業の信用力だけでは十分な資金を借りることができないベンチャー企業など、リスクマネーを必要としている企業は数多くあります。しかし、そのリスクゆえに、他の銀行だとなかなかお金を提供できないケースが多いという課題があるのです。そのため、メガバンクでは手が出しにくいリスクマネーの供給に携わることで、企業の成長や新事業への挑戦を手助けするという役割を果たしています。


他の政府系金融との違いは?

DBJ以外にも、商工中金、日本政策金融公庫、国際協力銀行などなど政府系金融にもさまざまあります。その中でのDBJの特徴とは、いったい何なのでしょうか?

簡単にですが、商工中金、日本政策金融公庫、JBICとの違いをまとめてみました↓

DBJと商工中金・日本政策金融公庫

◯取引先の規模

DBJ:大企業、中堅企業

商工中金等:中小企業

◯業務の幅

DBJ:融資から投資、M&Aアドバイザリーなど様々

商工中金等:融資がメイン

DBJと国際協力銀行(JBIC)

◯転勤

JBIC:海外駐在がメイン。日本での移動は東京もしくは大阪のみ。

DBJ:若手の内に地方勤務を経験することが多い。その後、大手町に戻るのが大半
◯業務の幅

JBIC:日本企業の海外展開支援がメイン

DBJ:融資から投資、M&Aアドバイザリーなど様々

商工中金、日本政策金融公庫とDBJを比べると、①取引先の規模がDBJの方が大きい、②業務の幅もDBJの方が広いという違いがあります。そのため、大規模プロジェクトに携わりたい、様々な業務に携わって経験を積みたい人はDBJの方がお勧めです。反対に1社1社とより深く関わりたい、中小企業を相手に仕事がしたいという人は商工中金、日本政策金融公庫の方を就職先として検討した方がいいです。

JBICとDBJを比較すると、①海外勤務のチャンスは圧倒的にJBICの方がある、②JBICが日本企業の海外展開支援に特化しているのに対し、DBJは業務が多様という所に違いがあります。海外で働きたい、活躍したいという軸がある人はJBICに行くことをお勧めします。反対に、地方創成など国内の問題の方により関心がある、業務の幅広さに魅力を感じるといった人はDBJを志望した方がよいです。

DBJでないとダメな志望理由を考える

DBJの業務内容から他の金融機関との違いまで解説しましたが、いかがでしたでしょうか。本選考ではなぜ他の業界、企業ではダメなのかを確認することで、就活生の熱意を試すことが多いです。そのため、DBJに入らないと自分の希望が叶えられないのだと面接官を説得できるほどの志望動機を考える必要があります。ぜひ、この記事を参考に、DBJの特徴を理解し、そんな熱い志望理由を考えてみてください。