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出版社業界の基本・選考対策
出版社業界の基本・選考対策

華やかで就活生に人気の高いマスコミは主に、放送・新聞・出版・広告の4業界で構成されています。中でも非常に倍率が高く難関ですが市場規模の縮小が進んでいると言われる出版社業界について概観、選考方法を紹介します。

出版業界 業種

出版業界と言われて多くの就活生が想像するのは、書籍や漫画、雑誌を制作する出版社ではないでしょうか。しかし、実際には出版社が制作したものを印刷し、取次が書店に振り分けることで私たちは本屋さんで本を買うことができる、という流れになっています。

出版社

出版業界の代表、出版社は総合出版、文芸書や学習参考書、経済書など各ジャンルを専門に扱う出版社があります。特に就活生に人気の大手出版社は総合出版が目立ち、小学館、集英社、講談社が3強として挙げられます。その他、ベネッセなどの教育系に強みをもつ出版社や日系BP社などの経済書に重きをおく出版社、文芸書を扱う新潮社などがあります。
校正や編集等を手掛ける仕事はもちろん、書籍をマーケティングする仕事や広告掲載の営業職など様々な仕事があります。

取次

あまり聞きなれない就活生もいる取次という業種ですが、取次では出版社から出版された書籍を書店に振り分ける流通機能を担っています。「出版業界の商社」と形容されることも多いようです。全国の書店での売り上げ情報や在庫の情報などを収集して出版社に情報伝達する機能や、書店の運営、販売促進をサポートするなどの役割があります。
代表的な企業としては日本出版販売、トーハンが2強として挙げられます。

書店

書店は出版業界において消費者にもっとも近い存在であるということができます。皆さんも一度は訪れたことのある紀伊国屋書店や、丸善などが大手として挙げられます。この他近年市場を拡大している電子書籍を扱う電子書店注目されており、Kindleや楽天koboなどが台頭しています。就活生の中には書店でアルバイトしたことがある人は仕事内容が想像しやすいかもしれません。書店の在庫を取り揃え販売する業務が主ですが、TSUATYAなどの複合書店では中古本の買取など様々な業務があります。

出版社 職種

編集

出版社の商材そのものを作り出す役割を担う編集部は、出版社の代表格ですが、編集職でも様々な業務があります。取材を担当する記者や校閲を担当するもの、デザインやレイアウトなども編集が行います。実際に書籍や雑誌を作りだすことができるという面で非常にやりがいを感じられる一方で、担う業務の種類が幅広く一度に複数企画をコントロールしていく必要もあるようです。

ビジネス職

一方ビジネス職では商材の販売促進に関わる全ての業務に携わります。書店に陳列して貰えるようにアピールする営業や、雑誌などに載せる広告営業、海外書籍の版権営業が挙げられます。また、近年市場が拡大している電子書籍や運用広告の営業に関わるデジタル職も活躍しています。

出版社の就活

選考フロー

出版社は採用人数が少なく、インターンも活発に行われています。そのため、インターンが選考に直接的に影響を与えるケースも少なくないようです。選考のフローとしては、多くの業界と同じく、【エントリーシート】→【筆記試験】→【面接】の順に行われます。出版社では企業によって特徴的な質問内容が多く、一つひとつのウェイトも重い傾向にあります。やってみたい企画や好きな著者、著作についての設問もあります。誤字脱字なども厳しく見られているようなので慎重に書き進めましょう。筆記試験の内容も企業によって様々ですが、、他業界に比べて小論文やエッセイなどを書くことになる機会は多いので対策が必要です。

選考対策

出版社は採用人数が少ないだけでなく人気も高く難関企業群であると言われることも多いようです。実際、倍率が100倍を超えることがホームページに記載されている企業もあります。さらに特殊なエントリーシートの設問や筆記試験は対策なしでは少し難しいと言われているので、各企業にOB訪問をするなどして選考内容についての情報収集しておくことをおすすめします。
例えば、提示されたキーワードを使ったショートストーリーを時間内に考えて書く問題や回文、俳句や川柳を作る試験が課される場合もあります。それだけでなく、漢字や四字熟語の問題が出される場合もあるので、日頃から新聞や書籍を読んだり、漢検対策本などをつかって漢字、日本語語彙の勉強をしておくと選考に役立つでしょう。

出版業界に向いている人

出版業界は上記のように多くの業務や企画を並行して行わなければならないことがおおいため、上手に仕事の優先順位を決めるなどして期限内に取り組めるような工夫をする必要があります。更に、取材を行う記者や著者について編集を担当する場合は特に著者と企画としてのコンセプトを合わせられるような濃密なコミュニケ―ションをいとわない人が向いているでしょう。雑誌などはトレンドに合わせて内容が変動するので日頃から流行や変化に敏感であることが重要です。近年ではデジタル化が出版業界で大きなトピックになっており、紙媒体での市場縮小に伴う減益を救うためにデジタルでのマーケティングに力を入れている企業も多いのでデジタル部門におけるマーケティングに関心の高い人にも向いているかもしれません。

実はこれからが楽しみな出版業界に挑戦してみよう

人気が高く難関と言われる一方で紙媒体の減益、デジタル化に伴う電子市場の拡大が見込まれるまさに変革期にある出版業界では、本好きな人だけでなく色々な視点や価値観をもったひとが幅広く活躍できる環境でもあります。特殊な選考はありますが、OB訪問などを通じて情報収集、対策を行うことが大切です。興味のある就活生はぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。