銀行の将来性とは
銀行の将来性とは

就活生の皆さん、メガバンクへの就職はやめといた方がいいという話を一度は聞いたことありませんか?確かに、三菱UFJ銀行が2020年4月の新卒採用人数を約45%減らす、みずほフィナンシャルグループが6800億円の損失を出すなど、不穏なニュースが多いのは事実です。しかし、一部の情報だけを鵜呑みにして、銀行を志望先から外してしまうのも早まった考えだとも言えるでしょう。今回は銀行に関する噂から、実際の現状について一気に紹介していくので、銀行の将来性について考えるきっかけにしてみてください。

銀行に関する噂

銀行は長年就活生からの人気を集めていたからか、数多くの噂が流れています。噂の一部を一部紹介していきますので、その真偽を確かめてみましょう。

ノルマがきつい

銀行の営業はノルマがあり、そのノルマ達成に向けて上司からプレッシャーをかけられるという噂があります。確かに金融商品は他行との違いがなく、目に見えないものであるため、行員の営業力が結果に如実に反映されることになります。他業界の営業と比べて、技量が求められるのは事実でしょう。
ですが、銀行は「脱ノルマ」の傾向にあります。最近では、営業力の強さで突出している三井住友銀行が個人向け金融商品の販売で、行員に課す「ノルマ」を廃止したことで話題になりました。ノルマを重圧に感じる若者が増えていることを受けて、若手人材の流出を防ぐために行われたようです。このような流れを見ると、「銀行=ノルマがきつい」というイメージはこれから変わる可能性があると言うことができるでしょう。

大量のリストラ

AIの導入により、人手がいらなくなったため、大量のリストラが行われるという噂が流れています。結論から言うと、将来的にその可能性があることは否定できません。
実際、三菱UFJが23年度までに6000人減、三井住友は19年度末までに4000人減、みずほは26年度末までにグループで1万9000人減の人員削減方針を掲げています。いずれの銀行も新卒採用の抑制や自然減による人員削減を目指しており、現役銀行員がリストラされたわけではありません。しかし、収益の悪化が加速すれば、人員削減の必要性が高まり、自然減による人員削減では間に合わなくなり、リストラが検討されるようになるでしょう。銀行に入れば安泰という考えはもう過去のものと言えます。

銀行の現状

低金利政策の影響

2016年からは日本銀行が「マイナス金利政策」を始めました。通常、銀行がお金を日銀に一定期間預けると利息が貰えますが、マイナス金利の場合、日銀にお金を預けると逆にお金を取られることになります。そのため、銀行がお金を日銀に預けた状態にするのではなく、企業や個人への貸し出しを増やすようになると期待されているのです。
ですが、この低金利政策により、銀行は収益の悪化に苦しんでいます。各銀行とも融資先を取り合うようになり、低金利競争が起きやすくなりました。そのため、利ざやが狭まり、従来の融資業務では収益を上げられない状態なのです。もともと、人口減少と低成長により、国内企業の資金需要は減少しています。つまり、貸出先も減少しているのです。数少なくなった貸出先を銀行が取り合うために、低金利競争の激しさも増すという悪循環が続いています。
日銀が発表した金融レポートでは、約6割の地方銀行が10年後の2028年度に最終赤字になるとの試算を示しました。この試算を見ると、低金利政策が銀行に対する影響がいかに大きいかがよく分かります。

フィンテックの台頭

FinTech(フィンテック)とは、金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語で、金融サービスと情報技術を結びつけたさまざまな革新的な動きを指します。SquareやPaypalなどの、スマートフォンを使ってクレジットカード決済ができるようなサービス、SuicaやWAONといった電子マネーによるオンライン決済サービスやビットコインなどの仮想通貨の登場などが例に挙げられます。
このフィンテックの台頭により、銀行は不要になるのではという意見もあります。銀行で行ってきた金融サービスがフィンテックに関する事業により代替されることになり、銀行が不要になると言われているのです。
ですが、最近の状況を見ると、フィンテックが銀行の代わりになるというよりもフィンテックと銀行との連携が進む事例が増えています。そのため、フィンテックにより銀行がつぶされる可能性は低いとされています。

海外市場への注力

人口減少や低成長により、日本国内では資金需要が低下していることを解説しました。そのため、銀行、とくにメガバンクは、海外事業に積極的に取り組んでいます。例えば、三菱UFJはタイのアユタヤ銀行を買収するなど海外M&Aを積極的に展開し、海外事業は利益の4割を占めています。18年3月期は最終利益のうちモルガン・スタンレーへの出資分が2割弱に上り、その情報網を活かしたM&Aの相談業務なども強みになっています。
筆者も就活をしていて、海外への留学経験があることをリクルーターに告げると、海外視点勤務を経験した行員に会う機会を多く持たせてもらいました。メガバンク側も海外経験、語学力のある学生を欲しがっていることがここから伺えます。これから、若手の海外派遣が増えるとも言われているので、海外で働きたいという学生には良い職場になると言えるでしょう。

銀行のこれから

低金利政策、人口減、低成長など銀行を取り巻く環境はよいものとは言えません。既存の収益構造では太刀打ちができないため、どの銀行も改革が必要な状況です。ですが、「脱ノルマ」、フィンテックとの連携、海外市場への挑戦など銀行側も変化に対応してきています。不穏な噂、悲観的な情報だけでなく、銀行の対応を含めて見ていくことで、銀行の将来性をぜひ考えてみて下さい。