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大手飲料メーカーの違いを徹底研究
大手飲料メーカーの違いを徹底研究

日本の飲料業界で大きなシェアを獲得しているサントリー、キリン、アサヒ。これら3社は就活生からも高い人気を誇っています。私たちの生活に身近な一方で、各社の違いを説明するのは難しいものです。今回は飲料業界の概観や3社の特徴を解説します。

飲料業界の現在

飲料の中にも「清涼飲料水」「酒(アルコール飲料)」の種類があり、そのどちらも製造しているメーカーがほとんどですが、コカ・コーラや伊藤園などでは製品のほとんどを占めているのが清涼飲料水です。今回は、この2種に分けて飲料業界の現状を分析します。

清涼飲料水の市場停滞

清涼飲料水の市場では、トクホに代表されるような健康志向の商品が近年人気を集めています。安定して高い収益を上げてはいますが売り上げの伸び率は頭打ちの状態で、ブレイクスルーを果たすのが直近の課題です。たとえば、缶コーヒーなどはコンビニのコーヒーなどの競合が出現してますし、若年層から人気のあるモンスタービバレッジ社のモンスターエナジーやレッドブルジャパン社のレッドブルなどの「エナジードリンク」に対抗できる飲料を生み出せるかなど、現状を打破する解決策が求められています。

飲酒量が減少傾向

高齢化に伴い成人人口が増えているにもかかわらず、成人1人あたりの酒類消費数量は、平成4年度の101.8ℓをピークとして少しずつ減少し、平成29年度は1人あたり80.5ℓにまで減少しています。前項で取り上げた健康志向の影響もあり、現代のニーズに適応した酒類の開発も課題として挙げられます。

事業の多角化が加速

売り上げの伸び率が頭打ちになり、飲料メーカー各社は新しい事業に次々参入し、多角化を図っています。
たとえば、カフェのPRONTO(プロント)は、サントリーとUCC上島珈琲が共同出資して設立されたカフェですし、タリーズコーヒージャパンは伊藤園の連結子会社です。
後述しますが、キリンの子会社である協和発酵キリンは医薬事業などに取り組んでおり、グループ全体の今後の利益を担う企業になるといわれています。

コカ・コーラが酒の販売へ

直近では、コカ・コーラが2019年10月に同社初のアルコール飲料である檸檬堂を発売し、本格的にアルコール飲料市場に参入することが決まっています。現在は日本以外の国ではアルコール飲料の販売は予定されていませんが、それでも飲料メーカーの勢力図に大きな影響を与える可能性があります。

飲料メーカーの主力企業

今回は清涼飲料水とアルコール飲料両方の事業に参入している飲料メーカーの一例として、「サントリーHD(ホールディングス)」「キリンHD」「アサヒグループHD」の3社をご紹介します。

サントリー

国内トップの売り上げを支えるアイデア力

サントリーHDは国内トップの売上高を誇り、ザ・プレミアム・モルツやウイスキー角瓶、ペプシコーラなど幅広い種類の飲料を製造しています。
また、食品ではハーゲンダッツやサブウェイなども子会社として擁するほか、サントリーウエルネスはセサミンEXなどの健康食品の開発にも注力しています。
どのブランドも馴染み深いヒット商品ばかりで、これらを生み出すための発想力および消費者に認知させるためのユニークなマーケティング力が業界トップを走る原動力になっています。
ですから、新しいアイデアを作り出す個性や、新しいことに挑戦するチャレンジ精神をいかにアピールするかが選考で重要なポイントになってきます。
レクミーでは過去にサントリーから内定を獲得した先輩の体験談も紹介していますのでこちらも是非ご参照ください!
https://www.recme.jp/media/company/suntory

キリン

キリンらしさを追求する

キリンHDはビールの一番搾りや午後の紅茶などで知られる飲料メーカーですが、食品はもちろん医薬事業などにも積極的に挑戦している多角的な事業展開が特徴です。
キリンHD全体としては、業界トップのサントリーとの競争を見据えて長期経営構想「キリングループ・ビジョン2027」を策定し、新しいコーポレートスローガン「よろこびがつなぐ世界へ」を制定しました。一例として、キリンHD内の主力企業であるキリンビールの事業方針を見てみましょう。
2019年のキリンビールは「主力ブランドへの集中投資」と「クラフトビール事業への注力」の2つを挙げて事業に取り組んできました。一番絞りや本麒麟などの主力ブランドの成長に更に投資を続けキリンブランドの地位確立を目指すとともに、クラフトビール市場の開拓にも参入し新たな市場のリーディングカンパニーも目指しています。
キリンHDは自社だからできること、社会におけるキリンの役割について見直す時期に直面しています。たくさんの社員からお話を聞き、自分がキリンの社員として社会に貢献したいことは何かを考えることが選考では求められるでしょう。

アサヒ

ビールの一強

アサヒHDは自身の名前を冠したアサヒスーパードライやブラックニッカ、カルピス、三ツ矢サイダーなどの商品で知られています。日本のビール業界においては国内シェア1位を獲得しています。
それに加えて、2018年のデータでは売上高の42%を酒類が占めており、業界トップのサントリーの33%と比べると約10%も高くなっているため酒類の販売が主力となっていることは間違いありません。アサヒビールは自社ビールのブランド力に誇りを持っており、それを軸にいかにグローバルに事業を展開できるかが今後の社運を握っています。
(出典)
https://www.asahigroup-holdings.com/ir/financial_data/segment.html
https://www.suntory.co.jp/company/financial/
ちなみに、アサヒビールとアサヒ飲料、アサヒグループ食品とHD内で分社して採用活動を行っているのでそれぞれにエントリーが可能ですし、エントリーの段階で携わりたい事業を選択することができます。

選考のポイントは業界理解の深さ

いかがでしたか。私たちの生活に身近な飲料メーカーですが、経営方針や業界内での立ち位置、社会への貢献という視点で注目したことは初めてという就活生も多かったのではないでしょうか。
多くの就活生は、自身の持っている飲料メーカーのイメージのまま就活に臨み、深い質問に対応しきれず落選してしまいます。大切なのは自分のイメージを越えて企業を理解しようとすることと、企業・社会全体に貢献する姿勢です!頑張ってアピールして選考を乗り越えましょう!